(『天然生活』2020年11月号掲載)
AYUMIさんが体験しました。
「古着deワクチン」は、不要になった衣類や服飾雑貨を送ることで、開発途上国の子どもたちにワクチンを届け、現地の雇用創出にも役立つことができるシステム。
家族4人分の衣類を定期的に断捨離しているというモデルのAYUMIさんに体験していただきました。
「寄付になる衣類処分は何度か試したことがありますが、古着deワクチンは回収キットを購入して衣類を詰めて送るだけと、簡単なのが魅力ですね。ホームページには、衣類が活用される流れや開発途上国での活動報告の詳細が記されていて、そうした透明性も安心して利用できるポイントだと思います」
なによりAYUMIさんは、「捨てる」ではなく、次の人に「回す」という循環する手放し方にとても共感したといいます。
「ほとんど着ていない服、愛着はあるけど少しくたびれてしまった服など、捨てるのをためらうようなものも、だれかのためになると思えば心おきなく手放せるんです。回収袋が大きいのでバッグも靴もたくさん詰められて、一気に片づくのも気持ちがいい。これからも利用していきたいです」
収納スペースの多くを占める衣類が手軽に整理できて、社会貢献にもなる「古着deワクチン」。新しい片づけ方のひとつとして、一度試してみませんか?
古着deワクチンの使い方
これまでも寄付型の古着処分のシステムを利用したことがあるというAYUMIさん。「古着deワクチン」の使い勝手をレポートしながら、衣類の片づけにトライ。
1 専用キットを注文する
HPから専用回収キット(3,300円税込)を購入すると、数日後に回収用袋や着払い伝票が入った一式が届く。
「段ボールを用意したり送料を振り込んだりする手間がないのがうれしいです」
2 回収用強化袋の大きさを確認
袋は160サイズの段ボールとほぼ同容量。試作を繰り返して強度を高め、約25kg入れられる仕様に。
「この袋が大きくて素晴らしい。冬物のコートなど、かさばるものもたっぷり入りますね」
3 服や靴、バッグをまとめて詰める
説明書で回収の対象となる衣類や小物を確認して袋に詰める。
「捨てるしかないと思っていた息子のサッカーのユニフォームや自転車のヘルメットも対象で助かりました。分別も不要で楽」
4 収納ケースが空になってスッキリ
梱包したら佐川急便に集荷を依頼して引き渡して完了。
「少し前に断捨離をしたのですが、不要なものはまだまだあると実感。こうして収納ケースが空くと、やっぱり達成感が大きいですね」
古着deワクチンの仕組みを知る
送った衣類や靴がどこでどんなふうに生かされるか。クローゼットから世界につながって社会貢献できる仕組みを簡単に解説します。
開発途上国で選別作業を行い、現地の雇用創出に貢献
古着は国内のセンターに集められたあと、インドなどへ送られて女性たちの手で選別される。洋服類は1枚ずつ、男性大人用、女性大人用、暑い地域用、寒い地域用など、約170種類もの品目に分類され、この作業によって現地で雇用が生まれている。
購入1口につき5人分のワクチン代が寄付される
専用キットの代金3,300円のうち100円が「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを日本委員会」に寄付され、5人分のポリオワクチンになる。2020年8月1日までに、累計262万6967人分のポリオワクチンがミャンマーやラオス、ブータンに届けられた。
古着は開発途上国で販売。売り上げの一部はワクチン代に
選別作業で仕分けられた衣服は、アフリカやカンボジアなどで販売される。古着が新たな持ち主の手に渡って生かされるとともに、現地のビジネス発展や雇用の促進にも一役買う。さらに、ここでの売り上げの一部もポリオワクチン代として寄付される。
専用キットの封入発送作業は都内の福祉作業所に委託
回収用強化紙袋、着払い伝票、説明書、お礼状、クーポンなどの専用回収キットを封入して発送する作業は、東京都の福祉作業所「天成舎」「梅の木の家共同作業所」などが担う。古着deワクチンの活動は、国内での障がい者の仕事にもつながっている。
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古着deワクチン
https://furugidevaccine.etsl.jp/
〈提供/日本リユースシステム〉
〈撮影/公文美和 取材・文/熊坂麻美〉
AYUMI(あゆみ)
モデル。数多くの女性誌やCMで活躍。料理の腕も評判で『ローフード・発酵・雑穀でつくるAYUMIごはん』(主婦と生活社)など、レシピ本も出版する。ご主人、14歳の息子さん、10歳の娘さんの4人家族。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです