• 台湾発の靴下ブランド「+10・テンモア」が、ガイドブックではあまり紹介されることのない台湾にご案内する「テンモア旅行社」。彼女たちのお気に入りが、台北からいちばん近い大自然「陽明山(ようめいざん)」。国家公園も併設されています。テンモアが設立された2012年、初めてカタログ撮影に行ったのも、陽明山だったのだそう。見どころたくさんの陽明山周辺、まずは、陽明山と、その南西側にある北投(ほくとう)エリア へ、皆さんをお連れします。

    こんにちは、ナビゲーターの陳小爵(チェン・シャオジュエ)です。

    「生活用品をつくりたい」と思った私たちが、靴下をつくり始めたのは2012年のこと。

    その頃の台湾には、センスや審美眼を養うことのできる環境が少ないと感じていて、私たちは生活のささいなところから、それを育めるようにしたいと思いました。

    靴下は決して主役ではないけれど、日々の生活に不可欠な日用品です。それに、糸の一本、その織り方までデザイナーが指定してつくることができます。

    10本の指を前に踏み出して進もう いつもだれかの新しい一歩にそっと寄り添えるように。” という気持ちを込めて、私たちは「+10・テンモア」を作りました。

    そんな想いを伝えられるよう、私たちはブランドをつくったときから毎シーズンのカタログ撮影を自分たちで行っています。

    モデルとたくさんの衣装を乗せ、男女4人ずつバンに乗り込んでロケーション撮影に向かいます。日本のテレビにあった「あいのり」みたいでした。

    真っ先にロケ地に選んだのが、台北からいちばん近い大自然のある陽明山。

    その南西側にある温泉地・北投と合わせて回るとスムーズなので、海外から友人が来ると連れて行く、お気に入りのスポットです。

    ただ、今回行くのは温泉ではなく、私たちが愛する大自然。

    では、皆さんを空想旅行へとお連れしますよ!

    陽明山国家公園へと続く道

    雄大なスケールの自然が広がる陽明山は、国家公園へと続く道も整備されていて、ドライブに最適です。

    台北の若者たちにとってここは夜景の見えるデートスポットのようですが、日本とはまた違った植物が生い茂っているので、夜景に興味がない人でも散策を十分楽しめると思います。

    画像1: 陽明山国家公園へと続く道

    この道の名前は「中湖戦備道路(ジョンフーザンベイダオルー)」。

    「戦備(ザンベイ)」とは中国語で「軍事用」という意味です。山頂付近なので、遠くの山々まで見渡すことができます。

    画像2: 陽明山国家公園へと続く道

    写真は2012年に初めてロケーション撮影したときのもの。

    この頃はいまとは違い、ノープランで撮影に行っていたので、友人たちと遊びに行く感覚で楽しく撮影できたのが懐かしいです。

    写真には夏の景色が写っていますが、冬になるとあたりは一面の「芒草(ススキ)」でいっぱいになり、この時季ならではの風物詩を求めて多くの地元民が陽明山を訪れます。

    陽明山国家公園
    所在地:台北市北投區竹子湖路1-20號
    電話番号:02-2861-3601
    営業時間:9:00~16:30(ビジターセンター)
    定休日:毎月最終月曜(祝日の場合は翌日)、旧正月の大晦日
    オフィシャルサイト

    大地を感じる「七星池(チーシンチー)」

    画像1: 大地を感じる「七星池(チーシンチー)」

    広大な陽明山には数々の知られざる秘境がありまして、そのひとつが「七星池」です。

    池といっても、雨水が溜まると大きな湖のようになるので、普段は立ち入り禁止になっています。

    写真で景色を楽しんでくださいね。

    間近にはむき出しになった山肌が見え、自然の迫力を感じることができます。

    画像2: 大地を感じる「七星池(チーシンチー)」

    このときに撮影した靴下は、台湾に生息する特有種の昆虫をモチーフにしてつくったものです。

    無地の靴下にミツバチなどをモチーフにしたワッペンを付属して、好きな場所に貼って使えるようにしました。

    陽明山は、さまざまな動物や植物が生息する特別なエリア。

    珍しい台湾固有種で台湾の国鳥でもあるヤマムスメの姿も見かけることができます。

    そんな場所にふさわしいと思ってここを選んだのもまた、大切な思い出です。

    「七星池(中池)」
    所在地:台北市北投區陽明路一段陽明山國家公園
    ※無断で立ち入ると、罰金を課せられますので、ご注意ください。

    七星池付近にある「小油坑遊憩區(シャオヨウカン・サービスセンター)」からは後火山の活動を間近で見ることができます。
    所在地:台北市北投區竹子湖路69號
    電話番号:02-2861-7024
    オフィシャルサイト(日本語)

    「軍艦岩」の白い岩肌にライティング効果?

    駐車場に車を停め、遊歩道を10分ほど歩くと出現するのがこの白い岩肌!

    画像1: 「軍艦岩」の白い岩肌にライティング効果?

    靴下とともに自然を写真に納めるのはなかなか難しいのですが、この独特の白い岩肌は暗めの靴下でも映えますね。

    2200~2400万年ほど前の古い地層があらわになっているのだそうですよ。なんともロマンティックです。

    画像2: 「軍艦岩」の白い岩肌にライティング効果?

    「軍艦岩」へと続く遊歩道は20分程度で登頂できるので、軽めのハイキングにもおすすめです。

    「軍艦岩親山步道」
    所在地:台北市北投區立農街二段
    「陽明大學登山口」という登山口から登ることができます。

    甘~いみかん「桶柑(たんかん)」の畑へ、冬のフルーツ狩り

    冬ならではのお楽しみが、収穫期を迎える「桶柑」狩り。

    画像1: 甘~いみかん「桶柑(たんかん)」の畑へ、冬のフルーツ狩り

    “南国のみかん” と呼ばれる「桶柑」は、私がいちばん好きなみかんです。

    外見はそこまで素敵じゃないけど、果汁たっぷりで甘くてとってもおいしいですよ。

    画像2: 甘~いみかん「桶柑(たんかん)」の畑へ、冬のフルーツ狩り

    朝晩の気温差が激しい陽明山ではおいしい「桶柑」が取れるそうで、いくつかの農家でみかん狩りをさせてくれます。

    薄霧の晴れた午後、光が差した光景はとても美しいんです。

    画像3: 甘~いみかん「桶柑(たんかん)」の畑へ、冬のフルーツ狩り

    「桶柑」の木は背が低くて、坂道に連なっています。みかん畑を食べ歩きするのはとても楽しいですよ。

    みかんを袋に詰めて、持ち帰ることもできます。

    画像4: 甘~いみかん「桶柑(たんかん)」の畑へ、冬のフルーツ狩り

    ただ、歩くのはちょっと大変。歩きやすい靴で行くことをおすすめします。

    「張明海橘園」
    所在地:台北市北投區復興三路548號旁(清天宮附近)
    電話番号:0916-085-701
    営業時間:上記電話番号にて予約制
    入場料:50元で食べ放題(持ち帰り分のみかんの料金は別途必要)



    画像5: 甘~いみかん「桶柑(たんかん)」の畑へ、冬のフルーツ狩り

    +10・テンモア

    2012年に台湾で設立された靴下ブランド。ひとつひとつの靴下や色に詩を用いるなど、若手デザイナーらの独特の感性と世界観を持ち、日本にもファンが多い。日本語で紹介された書籍に『+10 テンモア台湾うまれ、小さな靴下の大きな世界(トゥーヴァージンズ)』がある。
    日本語オフィシャルサイト
    https://www.10moresocks.com/?Culture=ja-jp

    取材・文/近藤弥生子(こんどう・やえこ)
    2011年2月より台湾在住の編集・ライター。日本語・繁体字中国語でのコンテンツ制作を行う「草月藤編集有限公司」を主宰。台湾で妊娠・出産後に離婚し、シングルマザーとして6年間過ごしたのち、台湾人と再婚。現在2児の母。ブログ『心跳台湾』で台湾での暮らしを綴っている。
    http://www.yaephone.com/



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