これからはときどき……
※当記事は、2020年11月に執筆されたものです
「GoToトラベルを使って、東京都内のホテルに泊まったよ。」というお友達の話を聞きました。
「東京に住んでいると都内のホテルってなかなか泊まらないでしょ? でもずっと憧れてたホテルがあったから、一人で泊まってきた。」とのこと。
それはそれですごく楽しかったらしいのです。
なるほど。どこかに遠出するための休みも仲間も見繕えない時、このプランはアリだなと思いました。
私も都内のホテルにトラベルしたい。
家にいると洗濯やら掃除やら、なにかとやることがあってのんびりできません。主婦って大変なのよ。お願い。一回、一日だけ放棄させてください!
「え、そんなこと言ってますが、休みの日はトドのように動かないじゃありませんか?」という声が聞こえてきそうですが、そこは愛嬌で逃げ切りましょう。
泊まってきたホテルは、銀座にある無印良品のホテル「MUJI HOTEL GINZA」です。
私は無印良品が大好きでして、このホテルができた時から心惹かれていました。そのイズムが込められているホテルですって……? 行くっきゃない。
予約したのは1番小さい「タイプA」のお部屋。
でも、小ささを感じさせない造りに感動してしまいました。
コートなどのちょっとした衣服が掛けられるクローゼットは、ミニマムながらも収納力を兼ね備え、しかもスライド式でトイレのドアとしても機能しているのです。
更に、洗面所がバスルームではなくて、部屋に備え付けてあるところもグッときました。部屋にあることで、ちょっとした給湯室としての役割も。
アメニティーは全部無印良品。使ってみようか悩んでいた物も、試供品感覚でたくさん使えたので嬉しかったです。
それにしても、部屋全体がシンプルにまとまっていて美しいこと。
ため息が出ちゃいました。
チェックインしてからは本を読んだり、書き物をしたりしてのんびり過ごしていただけですが、まるで私だけの秘密基地を見つけたような気分でわくわくしました。
人気のなくなった夜の銀座を歩くと、知っている街が表情を変えて、まるで旅行に来たような気分に。
日常の延長ではありますが、こうやって視点を変えると、なかなか面白いんですね。
なんにも嫌なことはないのだけれど、
これからはときどき家出してみようかな。
なんて思いました。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。