(本記事は『ちょっとのコツでけっこう幸せになる自炊生活』(エクスナレッジ刊)からの抜粋です)
出汁を取らなくてもおいしい味噌汁は自炊習慣の第一歩
味噌汁といえば、出汁取りが面倒くさい。そんな風に思っていませんか?
手順が面倒そうだし、昆布や煮干しは1袋買うと結構な量が入っていて、使い切るのも大変そう。でも味噌汁って、すごくいいものなんです。体が温まるからホッとするし、味噌はアミノ酸やビタミン類が豊富で昔から食べられている健康食品です。
そして野菜はもちろん、卵や肉、魚、ソーセージやベーコンだって、たいていの素材を受け止めてくれる偉大なプラットフォームなのです。家ごはんの基本といえば、やっぱりごはんと味噌汁。自炊習慣をつけるには、味噌汁から始めるのがいちばんの近道だと私は思います。
そこでまずおすすめなのが、「出汁を取らなくてもいい味噌汁」。いちばん手っ取り早い「かちゅー湯」は、かつおぶしと味噌にお湯を注ぐだけ。蒸らしたりする時間がないのでコーヒーや紅茶を入れるのより手軽です。
ポイントは、具材に素材自体からおいしい出汁が出るものを使うこと。ブロッコリー、トマト、しらすなんかを使えば、わざわざ出汁を取らなくても、充分おいしい味噌汁がつくれます。ぜひつくって、味わいを確認してみてください。そしてスープも同じように、うま味素材を使えばコトコト長時間煮込まなくても、おいしい一品ができます。
温かい汁物から始まる1日って、何だかとってもいいものですよ。
出汁を取らない味噌汁のいいところ
◎「出汁信仰」から自由になってラクになれる
◎ 手軽につくれるから、毎日続けられる
◎ 気軽に自炊習慣をつける、いちばんの近道
かちゅー湯
味噌とかつおぶしを入れてお湯を注ぐだけ、これも立派な味噌汁。沖縄のソウルフードで、私はカフェオレ感覚で愛飲しています。
材料(ひとり分)
◎ かつおぶし | ふたつまみ |
◎ 味噌 | 大さじ1 |
◎ カットねぎ | 適量(なくてもよい) |
つくり方
1 200mlの湯を沸かす。
2 お椀にかつおぶし、味噌、カットねぎを入れ、1/3の湯を注いで味噌を溶く。残りの湯を注ぐ。
ブロッコリーと玉子の味噌汁
うま味が強い野菜なら、ゆで汁そのものが出汁として使えます。ゆでたら、試しに味噌を溶いてみよう。野菜は驚くほど味が出るのです。
材料(ひとり分)
◎ ゆでブロッコリー | 5個 |
◎ 卵 | 1個 |
◎ 味噌 | 大さじ |
1 ブロッコリーをゆでたお湯を取っておき、鍋にゆで汁200mlを入れて沸かす。卵を溶いておく。
2 沸騰したらブロッコリーを入れる。再度沸騰したら溶き卵を2回に分けて入れ、そのつどふわっと混ぜる。火を止め、味噌を溶く。
※うま味が足りなければ、かつおぶしを適量加える。
山口祐加さん
1992年生まれ。出版社、食のPR会社を経てフリーランスに。料理初心者に向けた料理教室「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活動を行う。noteでは現在2万人のフォロアーがおり、気軽に始めて楽しく続けるための自炊のコツを発信中。著書に『週3レシピ 家ごはんはこれくらいがちょうどいい。』(実業之日本社)、『ちょっとのコツでけっこう幸せになる自炊生活』(エクスナレッジ)がある。
<撮影/土田凌 構成/田中のり子>
『ちょっとのコツでけっこう幸せになる自炊生活』(山口 祐加・著/エクスナレッジ・刊)
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