(本記事は『ちょっとのコツでけっこう幸せになる自炊生活』(エクスナレッジ刊)からの抜粋です)
めんつゆは「私の代わりに誰かが、出汁と調味料を合わせておいてくれたもの」
いろんな人が「めんつゆは便利」と主張していますが、私も同感です。
とりあえず素麺とめんつゆがあれば、夏は冷たいまま食べて、冬はにゅうめん(温かい素麺)で生き延びられます。冷凍うどんだって、そばだってOK。
割合を調整すれば、鍋つゆにもなって、そこに成分無調整豆乳を足せば、「豆乳鍋」に。ちょっと頑張れば、野菜や魚、肉の煮物にも。味噌汁じゃない汁物が飲みたいと思ったら、めんつゆを薄めて、お吸い物をつくるのもいいです。
本当に疲れたときは、分量を計りながら調理することが、ものすごくおっくうに感じます。だけどめんつゆは、日本人ならたいてい「おいしい」と感じる味の配合になっている。これも「私の代わりに誰かが、出汁と調味料を合わせておいてくれたもの」と考えて上手に使いましょう。
料理を続けていくためには、そういう助けを遠慮なく活用していくのも大切です。
ただし、めんつゆばかり使っていると「何だかいつも同じ味だな」と感じることがあると思います。そういうときは、自分がジャストにおいしいと感じる濃度に調整すること(汗をかいた暑い日は少し濃いめ、お腹が弱っているときは薄めという風に)、かんきつ果汁を加えてポン酢にするなど、+α の味で、アレンジを加えていくといいと思います。
めんつゆのいいところ
◎ 和食に欠かせない出汁+甘辛味が、これ1本でまかなえる
◎ 濃度を変えて、あらゆる料理に応用できる
◎ 頭であれこれ考えなくても、確実に味が決まる
味玉子
漬け汁はめんつゆを半分に割っただけ、面倒な配合を覚える必要なし! お酒のおつまみに、ラーメンにのっけたりと、幅広く楽しめます。
材料(つくりやすい分量)
◎ 卵 | 3個 |
◎ めんつゆ(3倍濃縮) | 50ml |
つくり方
1 鍋に卵がひたひたにつかるくらいの湯を沸かす。沸騰したら卵をそっと入れ、8分ほどゆでる。
2 卵を水につけて冷まし、殻をむく。
3 フリーザーバッグにめんつゆ、水50mlを入れ、2を最低6時間漬ける。
※2日以上漬けると濃くなりすぎるので、その前に引き上げる。漬けてから3日以内に食べきる。
何でも野菜の南蛮漬け
そのままサラダとして食べられるのはもちろん、焼いた肉や厚揚げ、豚しゃぶにのっけても。焼き魚を一緒に漬けると、本格的なお惣菜に。
材料(つくりやすい分量)
◎ 生食できるお好みの野菜 | 適量 |
(今回は玉ねぎ1/4個、豆苗1/3パック、赤パプリカ1/2個) | |
A | |
◎ めんつゆ(3倍濃縮) | 大さじ4 |
◎ 酢 | 大さじ1 |
つくり方
1 野菜はせん切りや薄切り、食べやすいサイズに切る。
2 保存容器にA、水100mlを入れて混ぜ、2を6時間ほど漬けおく。
山口祐加さん
1992年生まれ。出版社、食のPR会社を経てフリーランスに。料理初心者に向けた料理教室「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活動を行う。noteでは現在2万人のフォロアーがおり、気軽に始めて楽しく続けるための自炊のコツを発信中。著書に『週3レシピ 家ごはんはこれくらいがちょうどいい。』(実業之日本社)、『ちょっとのコツでけっこう幸せになる自炊生活』(エクスナレッジ)がある。
<撮影/土田凌 構成/田中のり子>
『ちょっとのコツでけっこう幸せになる自炊生活』(山口 祐加・著/エクスナレッジ・刊)
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