• 友人たちからは「収納名人」としても知られる、北欧雑貨店「SPOONFUL」のおさだゆかりさん。彼女流の「収納術」は、「隠す」と「見せる」のさじ加減がポイントのようです。今回は、リビングと仕事部屋の収納 を拝見します。
    (『天然生活』2014年5月号掲載)

    おさだ家の間取り

    画像: おさだ家の間取り

    SPOONFUL・おさだゆかりさん
    リビングと仕事部屋の収納

    つくり付けの収納スペースも多い、ふたつの部屋。棚の中、引き出しの中も、さらに細かく仕分け、「何がどこにあるのか」を、しっかり把握できる工夫を。

    リビング

    画像: リビングの壁付けチェストは「イケア」のもの

    リビングの壁付けチェストは「イケア」のもの

    画像: 壁付けチェストの中身。こまごまとした私物の雑貨を収納している

    壁付けチェストの中身。こまごまとした私物の雑貨を収納している

     アクセサリー類はお菓子の型に

    「着こなしの仕上げになるアクセサリーは、服に合わせて選べるよう、ひと目でわかる配置にしています」

    指輪置きの緑色のトレイは、スウェーデンの古道具店で見つけたというチョコレートの型。しまうのが楽しくなるアイテム。

    画像: 赤いポーチは旅行時のアクセサリー入れ。常時、そばにスタンバイ

    赤いポーチは旅行時のアクセサリー入れ。常時、そばにスタンバイ

     箱も色をそろえて統一感を

    壁付けの棚の中も、さらに小箱類を細やかに使い、見た目もすっきりと整頓。

    「北欧の文具店で購入した箱やプロダクト類の空き箱などを活用していますが、青、赤、黄色など、好きな色を意識してそろえると、さらにまとまりが」

    画像: 「スマイソン」のレターセットの空き箱などを、グラデーションに重ねて

    「スマイソン」のレターセットの空き箱などを、グラデーションに重ねて

     よく使う巻き物やバッグは、かごに

    デザインが好きな大ぶりのかごは、壁付きチェストの下に並べて置いている。

    収納具でありつつも、インテリアの一部として、いろんなタイプを。

    中にはストール類やエコバッグなど、「出かける前にさっと取り出したいもの」を保管。

    ◇ ◇ ◇

    画像: クローゼットの右側は本棚に

    クローゼットの右側は本棚に

     書類ボックスで見た目をすっきり

    背表紙が雑多になりがちなA4サイズの雑誌類は、「イケア」のボール紙製のファイルボックスに納め、背側を手前にして置くように。

    また、洋書のビジュアル本は、背表紙の色をグラデーションになるように並べると美しい。

     引き出しの中も小箱を活用

    部屋のイメージに合わせ、白く塗った日本製の古い小引き出し。

    細かく仕切られた引き出しの中も、さらに小箱を使って整理しておく。

    細かなものも、それぞれ箱に納めておけば、引き出すときの衝撃で中身が乱れることも少ない。

    画像: 旅先で出合った、こまごまとした思い出の雑貨類などを納めておく

    旅先で出合った、こまごまとした思い出の雑貨類などを納めておく

    仕事部屋

    画像: 仕事部屋のデスク。すべて収納場所を決め、常に整然と保たれている

    仕事部屋のデスク。すべて収納場所を決め、常に整然と保たれている

     仕切りを活用し引き出しも整頓

    10年以上愛用しているという「ビスレー」のキャビネット。

    このメーカーの素晴らしい点は、専用の仕切りケースが充実していること。

    こまごましたものが多いデスクまわりこそ、必ず「置き場所」を確定することが整頓を保つ秘訣。

    画像: 北欧旅の必需品入れ。電車のプリペイドカード、地図などをひとまとめ

    北欧旅の必需品入れ。電車のプリペイドカード、地図などをひとまとめ

    画像: 底の浅い引き出しは、仕切りケースを使い名刺やショップカードを収納

    底の浅い引き出しは、仕切りケースを使い名刺やショップカードを収納

    画像: デジカメやペンケースなど。引き出しの中も、なんとなく色をそろえて

    デジカメやペンケースなど。引き出しの中も、なんとなく色をそろえて

     増えがちな書類は容量を決めて

    取引先のカタログや支払いの伝票など、仕事で使う書類の置き場は、デスク下のファイルボックスと、デスク上の書類トレイのみと、場所を決めておく。

    そこのスペースに納まらないものは、頻繁に整理して処分するように。

    画像: 見た目がシャープで取り出しやすい、「ビスレー」の3段トレイ

    見た目がシャープで取り出しやすい、「ビスレー」の3段トレイ

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    画像: ショップ兼、仕事部屋の商品棚。こちらも見やすいよう素材別・アイテム別を意識した並べ方

    ショップ兼、仕事部屋の商品棚。こちらも見やすいよう素材別・アイテム別を意識した並べ方

     北欧の流通箱を収納具に活用

    お店のストック棚は、スーパーの流通箱で引き出しのように区切り、こまごまとした買い付け商品を整理。

    「これらはスウェーデンのペーストや紙パックジュースの箱なのですが、それにしても、このデザインの素敵さはさすがですよね」

    画像: 流通箱は買い付け品の郵送時の梱包材として使用後、こちらで活用

    流通箱は買い付け品の郵送時の梱包材として使用後、こちらで活用

    ショップの備品も機能的に収納

    テープやカードはガラスびんに入れて

    商品を包むときに使うマスキングテープや、商品に同封するショップカードは、アンティークのガラスびんに入れて。

    かごの中にもガラスびんを3つ入れて区分けし、梱包用のひもやはさみなど、お店の備品類を、整然と収納。

    画像: 見た目が軽やかな透明のびんは、箱やかごの中の仕切りに使っても

    見た目が軽やかな透明のびんは、箱やかごの中の仕切りに使っても

    白の段ボールで収納棚もすっきり

    包材やイベント時に使うストック類は、「フェローズ」の “バンカーズボックス” に入れ、収納棚の中へ。

    「シンプルな白というのがうれしいし、段ボール製だけど、見た目以上に丈夫なので、多少重いものを入れても大丈夫なんです」

    画像: 組み立て式の段ボール収納箱は、通販などで取り寄せることが可能

    組み立て式の段ボール収納箱は、通販などで取り寄せることが可能

    ◇ ◇ ◇

    雑貨の買い付けが生業で、ふだんから買い物も大好き。

    仕事でもプライベートでも、日々、大量の「もの」と接し、収納は、一生の課題ですと話す、おさださん。

    けれど、「もの」を山のように所有しつつも、部屋の中はいつも驚くほどすっきりと整っています。

    「家にあるものはどれも、“これが好き” と思って、連れて帰ってきたもの。愛着のある雑貨や道具を、できるだけ気持ちよく見せたり、納めてあげたりしたいと、常に試行錯誤をしている感じです」

    散らかるのは嫌なので、ものは基本的に何かに収納。逆に表に出すのは「飾る」とき。それが輝いて見える配置を真剣に考えます。

    また、「このびんに何を入れようかな?」「お菓子の型を収納具に使えるかな?」と、収納のアイデアも絶えず検討中。

    悩みながら、楽しみながら、おさださんの収納生活は今日も続きます。

    画像: ショップの備品も機能的に収納



    〈撮影/上山知代子 取材・文/田中のり子〉

    おさだ・ゆかり
    北欧雑貨のオンラインショップ「SPOONFUL」店主。北欧関連著書多数。近著は「北欧ヴィンテージ雑貨を探す旅」amazonで見る

    SPOONFUL:https://www.spoon-ful.jp/
    Instagram:@spoonful321

    撮影/上山知代子(うえやま・ちよこ)
    https://www.ueyamachiyoko.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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