より厳しいロックダウン規制で始まった新年
家族だけでの静かなクリスマスが終わったあと、イギリス政府からのもっと厳しいロックダウンの規制が宣言されました。
今回で3回目。初めてのロックダウンよりは、周りも落ち着いているように見えます。
そして、元旦。いろいろあっても、家族そろってお正月を迎えることが出来ることに感謝しながら、お雑煮をいただきました。
規制が厳しくなりましたが、街のウェブサイトにうれしいニュースを見つけました。元旦恒例となっている、毎年のコーンブリー邸宅のお庭の一般公開は、屋外なので中止にならないというニュースです。
お店、カフェ、レストラン、美術館など、次々に閉まっていったなか、1日だけのイベントですが、そのまま開催されるのは、とてもうれしいことです。
元旦恒例のコーンブリー邸宅の一般公開
16世紀に狩猟用ロッジとして建てられたコーンブリー邸宅は現在、男爵の居住となっています。一般公開では、裏門にあたるゲートから入りました。
ゲートには、除菌ジェルが用意され、家族でひとまとまりに歩くよう、ソーシャルディスタンスを守るようにとの注意書きがありました。日本から戻った息子と、大学のある街から帰省した娘、夫、私の家族4人で庭を散策です。
もともと狩猟用ロッジなので、庭とはいってもみなさんが想像されるようなイギリス庭園はありません。東京ディズニーランド約40倍の広さの庭は、森、川、池などの自然が出来るだけそのまま残されています。一般公開されたのは、その庭の一部です。
「建物の裏も立派だね」などと話しながら、馬小屋を通り過ぎ、敷地内の大木などを愛でながら、ウォーキングは続きます。ときおり、前から人が来ると、お互い、ソーシャルディスタンスを気をつけながら、挨拶を交わします。
ハッピー ニュー イヤー! 今年はいい年になるといいね」
近所のやさしさに包まれた娘の誕生日
我が家の年始は忙しく、2日は娘・霧子の誕生日。4日は息子・ジョンの誕生日と続きます。
イギリスでは、21歳を、日本の成人式のお祝いのように特別に祝いますが、今年は、霧子の21歳の誕生日です。息子のときは、夫の家族、親戚、友達とお祝いしましたが、いまはロックダウン中、私たち家族のみでのお祝いとなりました。
誕生日の朝、お隣さんと玄関先でばったり会いました。新年のあいさつとともに、「今日は、霧子の21歳の誕生日なの」とお互いの近況など少しおしゃべり。
前日に焼いたケーキに飾りつけをしたり、夕食の用意をしていると、誰かがドアをノックしました。ドアを開けると、なんとお隣さんです。
特別な誕生日になるはずの21歳、レストランも閉まり、友達、親戚とも会えない娘を想って、ヒヤシンスのバスケットとかわいい4歳の娘さんエイリスちゃんが一生懸命に書いたカードを届けてくれました。なんてすてきなサプライズでしょう。このサプライズ・プレゼントで、霧子の気分も一気に上がりました。
私のいつものチョコレートケーキにろうそく点けて、バースデイ・ガールは願いを込めて一気に吹き消します。どんな願いをしたのか、私にはわかりませんが、「どうか、叶いますように」と私も一緒に願います。
そして、4日はジョンの23歳の誕生日です。バースデイ・ボーイもケーキのろうそくを願いをこめて、一気に吹き消します。そして、また横で、「その願いが叶いますように!」と私も一緒に願います。
こんな状況でも個人の敷地の一部を一般公開してくださった男爵、すてきなサプライズ・プレゼントを届けてくれたお隣さんの親切で始まった2021年。どんどん規制が厳しくなっていくけれど、なんだか、わくわくしてきました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
<撮影・文/コヅエ ガーナー>
コヅエ・ガーナー
神戸市出身。イギリス・コッツウォルズ在住。ソフトファニシング・インテリア、風水インテリアデザイナー。2008年からMistyInteriorをスタートし、ロンドンを中心に活動している。