見た目の愛らしさや冷めてもおいしい食事がたのしめることから、近年ふたたび注目を集める曲げわっぱのお弁当箱。伝統工芸品として受け継がれる技術を大切に、今の時代に見合った形状、耐久性に優れたものも多くつくられています。購入を検討している人もすでに持っている人も、とっておきのひとつに出会えるはず。
「小坂屋漆器店」の擦り漆の弁当箱
「木曽五木」と呼ばれる、ひのき、さわら、ねずこ、あすなろ、こうやまきの天然木の買い付けから、木材を煮て、曲げて、固定し、漆を塗る作業まで、すべての工程を一人で担う「小坂屋漆器店」の三代目・小島貴幸さん。
長野県木曽地方の良質な木材と、地元で根付いた本漆の擦り漆で仕上げる弁当箱は、使うほどに色合いが変化していきます。見た目や風合いはもちろん、おかずのシミがつきにくい、水分に強いという利点も。
摺り漆 小判弁当箱
品質の高い天然木を巧みに扱い、職人だからこそ成しえる技術で小判型へ。スタンダードタイプは、ひとつ持っていると重宝します。夫婦弁当として、セットでお祝いや贈り物にするのもおすすめです。
摺り漆 親子弁当
コンパクトで軽量な弁当箱を目指し、先代が発案したもの。下段に上段が収納できる入子式を採用したことで、一線を画すものになってます。使い続けると、漆ならではのつやが増してくるのも魅力的。
摺り漆 合わせ弁当箱
長野県木曽地方のさわらとひのきを用いて、全面本漆の摺り漆で仕上げています。地元に根付く手法で、おかずのシミが付きにくく水はけもいい。洗剤洗いもできるので手入れが簡単です。
摺り漆 七ツ組(丸)
丸型の器7つがセットになった曲げわっぱです。それぞれで使うことができるのはもちろん、2つを1セットとして器を重ねれば丸形のお弁当箱が3つできあがります。
【問い合わせ店舗】
cotogoto
住所:東京都杉並区高円寺南4-27-17-2F
電話番号:03-3318-0313
https://cotogoto.jp/
「山一」の曲輪弁当箱
「木の香りと優しさを生活にすること」に重きをおき、弁当箱のほかにも調理道具や生活用品なども製作・販売する「山一」。
信州は木曽地方で育った、樹齢100~300年ほどの原木を扱うのは、その道を究めた職人たち。立派な木が育つ地域には、腕のいい職人が自然と集まるもので、どのアイテムにも手しごとならではの細やかさと美しさが同居しています。現代の食卓にすっと馴染スタイリッシュなデザインが豊富なのも特徴です。
曲輪 丸弁当箱(桜皮止)
底板と天板に吸収率のいいさわら、曲げわ部分は豊かな香りのひのき、綴じ材として山桜の皮を。江戸時代から信州木曽で継承されている技法で、ていねいにひとつひとつつくられています。
山一(東京営業所)
住所:東京都足立区竹の塚3-10-1-6F
電話番号:03-3860-6324
https://yamaichi-kiso.jp/
「MOCKATS」の曲げわっぱ
山林が、町の90%以上を占める鳥取県智頭町。‟杉の町“として知られるこの地で生まれ育った草刈庄一さんによる木工ブランド「MOCKATS(モッカツ)」では、古き良き時代から親しまれる小判型と丸型のお弁当箱を手づくりしています。
地元で育つ樹齢70~80年の智頭杉一本からわずかにしか取れない、貴重な部分の木材を使った曲げわっぱの縫い目にあしらう桜の皮も持ち味のひとつに。
曲げわっぱ 丸型 花
鳥取県智頭町の杉を使用し、素材が持つ色や木目を生かすため白木仕上げに。油汚れは、お湯とアクリルたわしを使うと落ちやすくなります。乾燥は、風通しのいい場所で内側を上に向けて。
MOCKATS
住所:鳥取県八頭郡智頭町埴師686-1
https://www.mockats.com/
野間清仁さんの美作めんつ
「美作めんつ」とは、岡山県の美作エリアで採れる杉とひのき、山桜の樹皮を用いた曲げわっぱのこと。山仕事をするきこりが、使っていた曲げわっぱを「めんつ」と呼んでいたのがきっかけなのだとか。
家具製作と合わせて、美作めんつを手がける「創作家具工房木道」の野間清仁さんのお弁当箱は、世代を問わず、どんなシーンにも使いやすいデザインとサイズ感を展開しています。側面に、硬く丈夫なひのきを取り入れることで強度が高くなっているのも特徴のひとつ。
美作めんつ スリム 中浅
岡山県美作地域のひのきと杉を使って手づくりしています。持ち運びやすさを考え、奥行は短めに。ふたが深いため、ごはんとおかずをたっぷり多めに詰めてもはみ出す心配がありません。
創作家具工房 木道
住所:岡山県美作市後山1720-2
電話番号:0868-78-0068