お友達からミシンをもらいました
去年の誕生日にお友達3人からミシンをプレゼントしてもらいました。
1万円くらいで買える物があって、それをリクエスト。ところがどっこい、すぐさま送られてきたそれを、いたずらに眺めるだけで箱から出さずに3ヶ月が経ちました。
「怠け者! 手に入れたら満足なのか!?」という声が聞こえてきそうですが、裁判官、弁明させて下さい。私はミシンの使い方が全く分かりません。
故に箱から開けたら最後。付属の説明書を読む、もしくは説明書DVDを観なくてはならなりません。その後は、謎の機械相手に数時間戦わなくてはいけないでしょう。それを想像するだけで、傷つきそうで箱から出したくないのです。
せっかく友達が買ってくれたのだから辛い思い出でプレゼントを上書きしたくない。という、優しさあってこその行動なのです。
長々と説明しましたが、要するに面倒臭くなってしまったのです。こりゃいかん、と思いました。なんならラジオでも「今年の目標はポーチをいっぱい縫うこと」なんて話しまでしちゃって、少なくともそれを楽しみにしてくれているリスナーさんがいると言う現実があります。裏切り者!と言われたくない。
そこで私はまず、形の簡単なトートバックを作ることにしました。手縫いで。
「オイ!話が違うじゃないか! ミシンはどうしたんだ!」と思った皆さん、その通りです。こちとら、なんも言えねえ。の北島康介状態です。それでも私はミシンを使わない。それでも私はやってない。
また言い訳しますと、とりあえずトートバックの仕組みを理解して、とりあえずカタチになったら、いい加減にミシン触りたくなるんじゃないかなと思惑があったのです。
YouTubeで簡単なトートバックの作り方を調べると、まぁ簡単。「私はマリーアントワネットのお抱えお針子さん。」という妄想をしていたら、あっという間に仕上がりました。
悪くない。それなりにカタチになっている。手縫いのステッチが見えている取手の部分も、それなりに愛嬌があるではないか。と、写真をパシャリ。
そのまま、できたてのトートバックを持ってルンルン気分でスーパーへ。エコバック代わりに使おうと、キャベツ1玉入れたところでブチッと言う音が。え、嘘だと言って。なんという弱さ。並縫い一本でやってきたもんで、強度よわよわだったです。
「いよいよミシンの出番が来た。」そう思いました。カタチになればいいっていうものではないのですね。作りの良さも大事なのです。
そして「よし! いよいよミシンを箱から出すぞ。」と決意したあの日から6日が経ちました。自分でも呆れています。トートバック片手に鏡に写った自撮り写真をよくよく見ると、鏡にほこりがすごいです。なんか、そういうズボラなところが、全ての元凶なんだろうなぁ……と、今は煎餅をボリボリ食べています。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。