(『袋栽培でかんたん野菜づくり』より)
香りの強いシソ科のハーブ
バジルはシソ科に属するハーブの一つで、多くの品種があります。ここでは、料理や香辛料でよく利用されるスイートバジルについて紹介します。
バジルは茎、葉、花から強い香りが出て、病害虫から身を守っています。7月~9月に穂状の白い花を咲かせるのが特徴。
また、バジルは挿し芽で簡単にふやせます。摘心した茎や収穫した茎葉の切せっ片ぷんを、水を入れたコップにさしておくと、茎の切り口から根が出てきます。根が十分に出たら土に植えつけられます。
種まき・植えつけ
バジルはポリポットでの種まきが簡単です。
ポリポットに培養土を9分目程度入れて準備します。バジルの種はゴマの形に似た小さな粒です。種を指でつまんで、重ならないようにポリポットの全体にバラバラとまきます。
バジルの種は発芽する時に光を必要とするので、まいた土の上にかける覆土は、種がとばない程度にして、光が通るようにします。

種まき後は、霧吹きまたはスプレーで水を与えます。土の表面が乾いたら水を与えるようにして、水切れがおきないように管理します。
種をまいてから5~10日で発芽。子葉が開いた後、本葉が2~4枚の苗になったら、1つのポリポットに2~3本の形のよい苗が残るように間引きします。
5月中旬~6月中旬に、草丈が10cm以上に生長した苗を、1袋に2つ植えつけます。

DATA
発芽適温
23~28℃
生育適温
15~30℃
適切な袋の容量
30リットル
袋の適した置き方
縦向き
栽培管理と収穫
摘心・追肥

植えつけてしばらくしてから、苗の中心の茎の先端部を摘み取る摘心作業を行います。摘心をすると茎のわきから新しいわき芽が出てきて、葉も多くつきます。

追肥は2週間に1回の間隔で与えます。株の草丈が20~24cmになったら、茎の先端部を、葉を3~4枚つけて摘み取ります。または、根元から10cmくらい上で茎ごと切り取って収穫すると、さらに芽や葉がふえます。

バジルは花芽が出てきたら、早めに摘み取るようにして、花を咲かさないように管理します。花が咲くと葉がかたくなるので気をつけます。
本記事は『袋栽培でかんたん野菜づくり』(秀和システム)からの抜粋です
梁川 正(やながわ ただし)
農学博士。京都教育大学名誉教授。京都教育大学環境教育実践センターにおいて、野菜や花卉、イネ等の栽培指導や、栽培植物の残渣を堆肥として利用する「食の循環の教育」の指導を行う。研究面では、球根花卉やラン等の組織培養によるウイルスフリー化や無菌培養の簡便化に関する研究を推進。退職後は、各種公開講座や園芸大学等で、袋栽培で野菜や花卉を育てる方法やその楽しさ、容器等で簡便に育てる活動の普及に努めている。

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