• ほかの野菜と比べて、種まきから収穫までの期間が短く、半日陰であっても栽培が可能なコマツナ。野菜づくりの中でもっとも簡単とされるコマツナは、土のう袋や麻製のコーヒー豆袋を使う袋栽培にも適しています。
    (『袋栽培でかんたん野菜づくり』より)

    一番簡単でつくりやすい野菜

    コマツナはキャベツやハクサイと同じアブラナ科の野菜です。

    コマツナ(小松菜)はツケナの一種で、江戸の地名に由来してつけられた名前です。生育期間が短く、半日陰でも生長するので、最もつくりやすい野菜です。

    また、コマツナは春まき、秋まきがあり、長く楽しめます。秋まきして収穫しないでおくと春に花が咲きます。花の色やつき方を観察してみるのも面白いです。

    ぜひ近所の畑で同じような花が咲いているか、探してみてください。

    種まき・植えつけ

    コマツナは袋に直接種まきをして栽培できる野菜です。

    画像: 種まき・植えつけ

    袋の培養土を平らにならした後、指で1cmほどの深さで2~3本のすじを入れ、そのすじに種を親指と人指し指ですりながら、かたまらないように種をまき、土をかけて、水やりをして育苗します。

    画像: ※果菜類を栽培した後の2作目の野菜として活用できる。

    ※果菜類を栽培した後の2作目の野菜として活用できる。

    DATA
    連作
    できる

    発芽適温
    15~35℃

    生育適温
    20~25℃

    適切な袋の容量
    20〜30リットル 

    袋の適した置き方

    縦向き、横向き、仰向き

    栽培管理と収穫

    間引き

    葉を収穫する野菜は、生育初期では葉が触れ合うくらい多く種をまき、次々と間引きする方が苗がよく生長します。

    本葉が1~2枚出た時に1回目の間引きを。隣同士の苗が重なり合わないように、密集している部分は思い切って間引きします。

    本葉4~5枚、草丈7~8cmの頃に2回目の間引きをして、最終的には、株と株の間隔が4~5cmになるようにします。

    追肥

    培養土に元肥が施してあれば追肥を与える必要はありませんが、肥料不足の場合は、葉の色が薄く子葉が黄変してくるので、追肥として化成肥料を与えます。

    アブラムシ、アオムシなどの害虫がつきやすいので、見つけたらすぐに取り除きます。

    画像: 本葉が1〜2枚出てきたら間引き。密集しないようにする

    本葉が1〜2枚出てきたら間引き。密集しないようにする

    画像: 追肥

    間引きしたものは、ツマミ菜として利用できます。秋まき、春まきともに、種まき後40~60日で、本葉が8~10枚になり、草丈が15~20cmになった頃に収穫できます。

    一度に収穫しないで、大きくなった株から少しずつ収穫する方法もあります。

     

    本記事は『袋栽培でかんたん野菜づくり』(秀和システム)からの抜粋です


    梁川 正(やながわ ただし)
    農学博士。京都教育大学名誉教授。京都教育大学環境教育実践センターにおいて、野菜や花卉、イネ等の栽培指導や、栽培植物の残渣を堆肥として利用する「食の循環の教育」の指導を行う。研究面では、球根花卉やラン等の組織培養によるウイルスフリー化や無菌培養の簡便化に関する研究を推進。退職後は、各種公開講座や園芸大学等で、袋栽培で野菜や花卉を育てる方法やその楽しさ、容器等で簡便に育てる活動の普及に努めている。



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