• 色とりどりの刺しゅう糸と針さえあれば。美しい詩を紡げ、楽しいお話を語れます。縁あって長野・飯綱町に移住したハンドワーククリエイター・中林ういさんのアトリエにお邪魔しました。
    (『天然生活』2017年4月号掲載)

    自然の営み、四季の移ろい。里山暮らしで、よりクリアに

    アトリエから見える風景は、一面、真っ白、雪景色でした。静かで平穏。創作活動も進みそうです。縁あって長野・飯綱町に越してきて今年で6年目。

    画像: りんご畑に面した眺めのいいアトリエ。りんごは町のシンボル。「この町でりんごというモチーフに出合えて、本当に幸せ。食べておいしいし、花も実もかわいい。一生、おつきあいをしていきたいモチーフです」

    りんご畑に面した眺めのいいアトリエ。りんごは町のシンボル。「この町でりんごというモチーフに出合えて、本当に幸せ。食べておいしいし、花も実もかわいい。一生、おつきあいをしていきたいモチーフです」

    「景色が豊か。東京にいたころより、四季がくっきりわかるんです。たとえば植物も、芽が出て、膨らんで、花になって、実をつけてと、四季の移り変わりを観察することができるし、農作業の一年の流れでも季節を感じられるようになりました」

    画像: ういさんの「ネタ帳」となるスケッチブック。モチーフデザインが思い浮かんだら、糸の色やステッチなどディテールまで鮮明に浮かぶそう。それに合わせて、展示スペースのイメージまで一気に考えることも

    ういさんの「ネタ帳」となるスケッチブック。モチーフデザインが思い浮かんだら、糸の色やステッチなどディテールまで鮮明に浮かぶそう。それに合わせて、展示スペースのイメージまで一気に考えることも

    街では見過ごしてしまいそうな自然の色彩やメッセージを、この地では敏感にキャッチすることができます。

    「観察者」としての目は研ぎ澄まされ、つくり出す世界に、さらなる膨らみを与えてくれました。

    植物の色の濃淡、動物の毛の流れ……。ファンタジーではない、自然の営みがきっちり描かれています。その営みを「デザイン」することで、独特の表現世界はでき上がっています。

    画像: 著書『wappen』の表紙に登場した鳥の刺しゅうワッペン。フレームは木工作家の井藤昌志さん作

    著書『wappen』の表紙に登場した鳥の刺しゅうワッペン。フレームは木工作家の井藤昌志さん作

    そんなういさんの夢は、町に店を開くこと。

    「手芸用品と自分の作品を並べるギャラリーショップです。手を動かし、ものをつくり出す楽しさを、町の皆さんと共有したい。たくさんのものをくれたこの町に、少しでも恩返しができたら」

    画像: 現在は子育て中心。制作に費やせる時間は減ったけれど、その分、メリハリをつけられるように

    現在は子育て中心。制作に費やせる時間は減ったけれど、その分、メリハリをつけられるように

    画像: 微妙な色づかいが、ういさんの作品のキーポイント。刺しゅう糸の種類も豊富にストック

    微妙な色づかいが、ういさんの作品のキーポイント。刺しゅう糸の種類も豊富にストック



    〈撮影/砂原 文 制作/中林うい 構成・文/鈴木麻子〉

    中林うい(なかばやしうい)

    uiBagを軸にいろいろな素材で物づくりをする人。2012年に長野・飯綱町へ移住。2019年飯綱町の牟礼駅近くに手芸店「malmu」(マルム)をひらく。店では生地や手芸材料、オリジナルのりんごグッズの販売の他、uiBagの展示やワークショップなどもおこなう。

    お店のHP:mal-mu.com
    Twitter:@malmu_iizuna
    Instagram:@ui_nakabayashi

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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