「クワ」の育て方
【分類】クワ科クワ属 【原産地】日本
お店に並ぶ果実は、専門の農家さんがプロの技術で美味しく作ったものです。けれど、流通に乗らない美味しい果実があります。クワもそのひとつです。
クワといえば、蚕を連想してしまうこともあり、虫が付きやすいのでは?と勝手なイメージを抱いていました。ところが、息子の幼稚園の庭に大きなクワの木があり、虫は付きにくく、元気に育つ木なのだと知りました。
加えて、実の収穫時期には、息子からどんなに美味しいかを何度も聞かされることになりました。あまりに熱弁をふるうので、そんなに美味しいならと我が家にも迎えることにしました。
クワの実は、野イチゴのような小さな粒の集合体です。その実の可愛いこと! 生まれたばかりはほんのりとピンク色で、まるで赤ちゃんのよう。
それから徐々に色付いて、赤を通り越し、どす黒い血の色のようになります。黒紫、あるいは土留色(どどめいろ)と表現すると近いでしょうか。
そんな貫禄のある色になったら、ようやく食べ頃です。完熟したクワの実はとてもやわらかく、食べようとしてつまむと指は真っ赤に染まります。やわらかすぎること、そして指に色が付いてしまうことから、流通は難しいのかもしれません。
我が家のクワの木は植えたばかりでまだまだ小さく、少ししか収穫できませんでした。ですが、お向かいさんの庭に大きなクワの木があり、収穫させてもらえることに。なんてラッキー。
クワの実はそのままでも美味しいのですが、ジャムにするのが一番。程よい甘酸っぱさとねっとりとした濃厚さは、ジャムにするための木の実だと感じます。
あんまり美味しくて、パンにつけるのがもったいないほど。スプーンですくって、おやつとしていただきます。ああ、美味しい。
食べ方
ジャム一択。
クワジャム
1 ボウルにクワとクワの3〜5割の重量の砂糖、レモン汁少々を入れてしばらく置く。
2 水分が出たら1を鍋に移し、15〜30分(分量が多いと長くなる) ほど煮る。少しゆるさが残る程度で火からおろす。
本記事は『食べられる庭図鑑』(良原リエ著 アノニマ・スタジオ刊)からの抜粋が元になっています
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良原リエ
音楽家。アコーディオニスト、トイピアニスト、トイ楽器奏家として、映画、TV、WEBムービーなどの演奏、制作に関わる。インテリア、手作り、リメイク、子育てなど、ライフスタイルすべてが活動・表現の場になっている。自身の暮らしや手作りのものを紹介しているインスタグラムも人気。著書に『たのしい手づくり子そだて』『まいにちの子そだてべんとう』(アノニマ・スタジオ)、『トイ楽器の本』(DU BOOKS)、『音楽家の台所』(コノハナブックス)など。
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