• ホテルで味わう名物スイーツと、おいしさの裏側にあるストーリーをお届け。今回は、横浜・ホテルニューグランド「コーヒーハウス ザ・カフェ」でいただける〈プリン・ア・ラ・モード〉。特別な空間でゆったりひとり時間を楽しめるホテルでのひととき。宿泊はなかなかできなくても、お茶や息抜きに、甘いものを食べる時間って非日常を味わえますよね。自宅でホテルの味を楽しめる持ち帰り・お取り寄せ可能なお菓子もあわせて紹介します。

    94年の伝統を守り続ける、ホテルニューグランドの〈プリン・ア・ラ・モード〉

    横浜・元町の街に佇むクラシックホテル「ホテルニューグランド」

    画像: 西洋風の本館(左)と、タワー館(右)からなる「ホテルニューグランド」外観

    西洋風の本館(左)と、タワー館(右)からなる「ホテルニューグランド」外観

    大正12年に起きた関東大震災。その復興のシンボルとして建築がスタートしたと言われる「ホテルニューグランド」。スイス人料理長「サリー・ワイル」を初代総料理長として迎えたことで、西洋料理が日本に多く伝わったことでもよく知られています。

    画像: ホテルのシンボルである不死鳥のフェニックス

    ホテルのシンボルである不死鳥のフェニックス

    〈プリン・ア・ラ・モード〉発祥の地

    画像: 「コーヒーハウス ザ・カフェ」

    「コーヒーハウス ザ・カフェ」

    山下公園を望める窓辺の席が心地よい、本館1階の「コーヒーハウス ザ・カフェ」は、サリー・ワイル氏が考案した「シーフードドリア」をはじめ、軽食やスイーツまで、多彩なメニューを楽しむことのできるカフェレストラン。

    落ち着きある木の温もりと、大きな窓からたっぷり入る自然光の生み出す雰囲気は、わざわざここに来て食事をしたいと思わせます。

    画像: 窓枠で切り取られる、山下公園沿いの緑

    窓枠で切り取られる、山下公園沿いの緑

    「ホテルニューグランドは戦後約7年間、GHQの高級将校宿舎として接収された時代がありました。ファミリーで滞在するうえで、将校夫人にとってはストレスを感じることもあったかと思います。

    ホテルスタッフはなんとか喜んでいただきたいと、当時からメニューにあったバニラアイスとプリンに色とりどりのフルーツを飾り、りんごには“アロー(矢)カット”の飾り切りをして盛り付けて提供したところ、大変感激されたというエピソードが残っています」(ホテルニューグランド広報/横山ひとみさん)

    画像: 「プリン・ア・ラ・モード」¥1,633(税・サービス料込)

    「プリン・ア・ラ・モード」¥1,633(税・サービス料込)

    見た目も華やかに、ボリュームたっぷりに盛り付けられたスイーツ。

    「プリン・ア・ラ・モード」という名前は、その味に感動した将校夫人が名付けたといいます。

    当時からこれだけの食材が手に入ったのは、アメリカから船便で送られてくる缶詰などのフルーツがあったからだそう。

    バナナボートのような形の皿は「コルトンディッシュ」といい、実は前菜を盛り付けるための食器だったそう。当時はパティシエという職業もなく、そのときにスイーツ担当だったシェフの工夫によりこの皿を使うことになったようです。

    画像: オレンジ、キウイ、チェリー、りんご、プルーンの5種類が添えられる

    オレンジ、キウイ、チェリー、りんご、プルーンの5種類が添えられる

    「1930年代からメニューに並ぶ、手づくりのバニラアイスとプリンは、当時からまったく製法を変えていません。もちろん時代の変化とともに卵の種類が変わったり、牛乳の味が変わったりといった変化はありますが、基本的なことはブレずにそのまま。味や材料を変えるということは至極簡単ですが、それには誰もが納得するような理由が必要だと思うんです。盛り付け方も、僕が入社した1991年当時から同じですね」(チーフパティシエ/熊倉弘士さん)

    ホテルニューグランドのプリンは、しっかり固めの蒸し焼きプリン。

    生クリームのような “なめらかプリン” が世間で流行したときにも、配合は変えずに守り抜いてきました。

    画像: 〈プリン・ア・ラ・モード〉発祥の地

    バニラビーンズではなく、バニラエッセンスで風味をつけた甘すぎない味わいは、フルーツの酸味とベストマッチ。しっかり固めとの説明でしたが、実際にスプーンを入れてみると、スッとひと口分が取れるくらいの弾力です。

    キウイにバニラアイスをちょっと乗せてみたり、甘く煮たプルーンにホイップクリームを添えながら食べてみたりするうちに、あら不思議、あっという間に完食してしまいました。

    「全部、どの家庭でも手に入るものなんですよ。でも自宅でこんな風に盛り付けて食べることはめったにないですよね。戦後の日本で生まれた西洋風のスイーツを、横浜のこの地で食べるという、ストーリー性。それが贅沢さを生み出しているのかもしれません」(横山さん)

    何十年も変わらずに、同じメニューを同じ場所で食べられるという喜びは、はじめて食べたのに「懐かしい」と思わずこぼれてしまうおいしさがありました。

    オリジナル缶入り、10種類の〈クッキー〉

    画像: 「クッキー」Sサイズ ¥2,484(税込)

    「クッキー」Sサイズ ¥2,484(税込)

    当時、サリー・ワイル氏が常連のお客様のために、食後の小菓子として出していたという焼き菓子。持ち帰って自宅でも食べたいという要望がありつくり始めたのが、後に商品化されたクッキーでした。

    しかし、想像以上に好評だったため製造が間に合わず販売休止。その後、60年以上を経て2015年に現在の形になって復刻したのだそう。

    画像: どれを食べようか、皿に並べる時間も贅沢

    どれを食べようか、皿に並べる時間も贅沢

    ホテルのイメージカラーであるブルーの缶に、あえて個包装せずに並ぶビジュアルはレトロ感があり、ニューグランドの雰囲気をそのまま反映しているよう。蓋を開けるとふんわりとバターの香りが広がります。

    レモン風味やアプリコットジャム、シナモンやチーズ味とバラエティに富んだ10種類のクッキーは、そのほとんどがカリッと硬めの食感です。

    「時間のない朝は、クッキーとコーヒーを朝食にしてしまうこともあるんです」とは、横山さん。保存が効くクッキーは長持ちするし、確かにそういう食べ方もありかもしれません!

    オンラインショップでも気軽に購入できます。LサイズとSサイズの2種類で、用途にあわせて選べるのも嬉しいですね。

    画像: 「ザ・カフェ」のショーケースに並ぶ、つくり立ての生菓子

    「ザ・カフェ」のショーケースに並ぶ、つくり立ての生菓子

    画像: 持ち帰り用に、小ぶりサイズの「プリン・ア・ラ・モード」972円(税込)

    持ち帰り用に、小ぶりサイズの「プリン・ア・ラ・モード」972円(税込)

    東洋のエッセンスをちりばめた、美しい西洋建築

    画像: 本館大階段はホテルニューグランドのシンボル

    本館大階段はホテルニューグランドのシンボル

    「ザ・カフェ」に訪れた際には、本館2階のロビーを見学するのもおすすめです。

    銀座和光の設計者として知られる、渡辺仁氏。彼が38歳のときに、新進気鋭の若手設計士としてデザインしたのが「ホテルニューグランド」でした。

    画像: 天井に吊るされた灯籠は、麻の葉模様

    天井に吊るされた灯籠は、麻の葉模様

    西洋風の建築でありながら、内装には随所に東洋の装飾があしらわれ、海外からのゲストを迎えるホテルとして設計されたということが感じられるつくり。

    「ホテルは街の一部だと思っています。宿泊される方以外は入ってはいけないと思わないでほしいです。足を踏み入れていただいた瞬間に、私たちにとってはお客様になる。ぜひ気軽に訪れていただきたいと思っています」(横山さん)

    おもてなしの心が、スタッフだけでなく料理や建物からも伝わる、ホテルニューグランド。

    94年続く “伝統” を堪能しに訪れたくなる場所です。

    ホテルニューグランド
    神奈川県横浜市中区山下町10番

    ・みなとみらい線「元町・中華街駅」1番出口より徒歩1分
    ・JR根岸線「石川町駅」徒歩13分
    045-681-1841(代表)

    ホテルニューグランド公式サイト  
    オンラインショップ


    コーヒーハウス「ザ・カフェ」
    045-681-1841
    ・10:00~21:30(L.O 21:00/コースL.O. 20:30)
    ※状況により、営業時間等が変更になる場合があります


    〈撮影/山川修一 取材・文/山下あい〉



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