(『機嫌よくいられる台所 家事をラクにするためのマイルール』より)
道具は小さいものを使う
「包丁、まな板、鍋。調理道具は小さいものを使うことが多いですね」というワタナベさん。
見せていただくと確かに、いずれも女性の手にフィットしやすそうな小ぶりサイズ。シンク横の作業台に置いても場所を取らず、圧迫感がありません。
中でも愛用しているのが、刃渡り15センチの「吉實」のペティナイフ、18センチ四方の正方形のまな板、直径15センチの「クリステル」の片手鍋。
ペティナイフは「グローバル」のステンレス製のものもおすすめだそう。
「手があまり大きくないので、その方が使いやすいんです。うちは3人家族なので、1食で作る量がそんなに多くないということもありますね。小さめの鍋やフライパンがちょうどいい。普通、大は小を兼ねるというけれど、私にとっては逆で『小は大を兼ねる』なんです。小さくて使いやすい道具で料理をする方がラクだし、仕事でたくさんの量を作る場合でも、慣れた道具で作る方がやりやすいから。大きいものを使ったこともあったけれど、重いし場所を取るしで、結局使わなくなってしまって」
最初は使い勝手が主な理由だったものの、実は後になって、それが収納にとってもプラスだったということに気付いたそう。
「道具が小さければ収納場所も小さくて済みます。だから台所全体がコンパクトになる。スペースが小さいほど、どこに何があるか把握しやすくなるでしょう? そうすれば自然と、料理がしやすい台所になっていくと思います」
〈撮影/公文美和 文/片田理恵〉
当記事は『機嫌よくいられる台所 家事をラクにするためのマイルール』(家の光協会)からの抜粋です
ワタナベマキ
料理家。グラフィックデザイナーとしてデザイン事務所に入社。自らの提案で始めたスタッフのお弁当作りが評判になったことをきっかけに、「サルビア給食室」としてケータリングや雑誌の仕事をスタートさせる。その後、本格的に料理への道へ進み、数多くの料理本を出版。近著に『ほったらかしでおいしい!蒸しレシピ』(学研プラス)『疲れないからだになる 鉄分ごはん』(家の光協会)など。夫と中学生の息子と3人暮らし。
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