• “爪の切り方は自己流”という方が圧倒的かと思いますが、爪の切り方がよくないと、爪のトラブルにつながることも。そこで、刃物メーカー「貝印」の社内資格「ツメキリのマイスター資格」を持つ浅見芽生子さんに、正しい爪の切り方を教えてもらいました。ポイントは、爪に負担をかけないように切ることです。
    画像: 爪切りも多く手掛ける「貝印株式会社」は、社内資格制度で「ツメキリのマイスター資格」を設けている。マイスターとしての認定を受ける浅見芽生子(あさみめいこ)さん

    爪切りも多く手掛ける「貝印株式会社」は、社内資格制度で「ツメキリのマイスター資格」を設けている。マイスターとしての認定を受ける浅見芽生子(あさみめいこ)さん

    爪を切る前に知っておきたいこと

    Q.どんな形に切るのがいい?

    手の爪

    画像1: Q.どんな形に切るのがいい?

    足の爪

    画像2: Q.どんな形に切るのがいい?

    爪の形は、左右対称の「スクエアオフ(角を少し丸めた形)」が、爪にとって負担が少なく、健康的な形。手の爪は足の爪ほど圧迫されないので、丸みを多めにつけても大丈夫です。

    Q.爪はどのくらいの長さに切ればいい?

    指先を真横から見たときに、爪と指の長さが同じになるように切るのが理想的です。ただし、爪の白い部分は、少し残して切りましょう。爪の先端から指先が見えるぐらいまで切ると、深爪になってしまうので、注意してください。

    画像: 切る前

    切る前

    画像: 切った後。爪と指の長さが同じになっている

    切った後。爪と指の長さが同じになっている

    指の長さに合わせると爪の白い部分がなくなってしまう方(爪のピンクの部分が、指先まできている方)は、無理に指の先に揃えると深爪になってしまうので、白い部分を残して切るようにします。手を握ったときに、手のひらにあたる爪が気にならない程度に、整えるといいでしょう。

    画像: 爪を立てるような感じで手を握る

    爪を立てるような感じで手を握る

    Q.どのくらいの頻度で切ればいい?

    手の爪は1日に約0.1mm、1ヶ月では約3mm伸びます。足の爪は、その半分程度のスピードで伸びます。ですので、手の爪は1週間に1回、足の爪は2週間に1回を目安に切るといいでしょう。爪は短すぎても長すぎてもよくないので、定期的に切ることを心がけてください。

    水分を吸って爪が柔らかくなっているお風呂上りに切るのがいいですね。お風呂に入れないときは、手や足をぬるま湯につけて爪を柔らかくしてから、切るようにしましょう。

    正しい爪の切り方

    大切なポイントは、爪に負荷をかけないで切ること。爪に余分な圧がかかるような切り方をすると、爪が割れたり、二枚爪や巻き爪になるリスクが生まれます。ここでは、巻きがあまり強くない一般的な爪の方が使うカーブ刃タイプと直線刃タイプの爪切りを使って説明しますが、ほかのタイプの爪切りを使う場合でも、切り方は同じです。

    画像: 写真にある(a)(b)(c)の部分にわけて切る

    写真にある(a)(b)(c)の部分にわけて切る

    STEP1

    まずは爪の中央部分(a)を、カーブ刃の爪切りで、左右対称になるように少しずつ切っていきます。

    画像: カーブ刃で爪の中央部分をカット。切る前におよその爪の中央線を決めておきます

    カーブ刃で爪の中央部分をカット。切る前におよその爪の中央線を決めておきます

    画像: 一度に広い範囲を切り落とすのではなく、少しずつ切るようにする

    一度に広い範囲を切り落とすのではなく、少しずつ切るようにする

    POINT 1:刃全体を使って切ると爪を潰してしまうので、刃幅の1/3程度を使って、少しずつ切っていきます。

    POINT2:刃は切り口(切断面)が直角になるように当てます。斜めに当てると、爪に負荷がかかってしまいます。

    画像: 切り口に直角に当てるようにするには、爪切りの下の刃を爪に軽くひっかけ、爪を軽くはさみ、爪がぐらぐら動いたり、歪んだりしない角度を探す

    切り口に直角に当てるようにするには、爪切りの下の刃を爪に軽くひっかけ、爪を軽くはさみ、爪がぐらぐら動いたり、歪んだりしない角度を探す

    画像: 負荷がかかると、爪がぐらぐら動き、爪床(爪が皮膚にくっついているピンクの部分)が白くなる

    負荷がかかると、爪がぐらぐら動き、爪床(爪が皮膚にくっついているピンクの部分)が白くなる

    画像: 負荷がかからなければ、爪床はピンクのまま

    負荷がかからなければ、爪床はピンクのまま

    STEP2

    端のほう(b)(c)まできたら、直線刃の爪切りに変えて、丸みをもたせながら切っていきます。切る順番は、(b)→もう一方の(b)→(c)→もう一方の(c)です。

    画像: 端のほうは直線刃で、少しずつカットしていく

    端のほうは直線刃で、少しずつカットしていく

    画像: 「右側の(b)を切ったら、左側の(b)」というように、交互に切り進めていく

    「右側の(b)を切ったら、左側の(b)」というように、交互に切り進めていく

    以上で完了です。

    ニッパー型で切る場合も、テコ型と同じ方法で切ります。

    画像: 少しずつ左右対称になるように切っていく

    少しずつ左右対称になるように切っていく

    ヤスリがけで、トラブル防止を

    「爪を切った後に、ぜひやっていただきたいのがヤスリがけです。切った後は切り口がギザギザの状態なので、ヤスリでなめらかにすると、引っかかりを防いだり、二枚爪になりにくくなります。形は爪を切った段階である程度整っていますので、ヤスリは簡単に軽い力でかけるだけで大丈夫です。大抵の爪切りには、持ち手の裏や爪切りのサイドに、ヤスリがついているので、それを使うといいでしょう」

    ヤスリの持ち方

    画像: ヤスリの近くを持つと、コントロールしやすく安定感が出る

    ヤスリの近くを持つと、コントロールしやすく安定感が出る

    かける手を安定させる

    画像: ヤスリがけする手を、机に置いて固定。タオルやポーチなどにのせて、少し浮かせるとかけやすい

    ヤスリがけする手を、机に置いて固定。タオルやポーチなどにのせて、少し浮かせるとかけやすい

    画像: ごみ箱の上でかければ、削りカスの掃除が省けて一石二鳥。このときは、ごみ箱をつかんで手を固定するとやりやすい

    ごみ箱の上でかければ、削りカスの掃除が省けて一石二鳥。このときは、ごみ箱をつかんで手を固定するとやりやすい

    ヤスリがけの方法

    (1)爪の端から中央に向かって、数回に分けてヤスリをかけていきます。ヤスリは爪の切り口に直角に当てて、軽い力でゆっくりかけるようにしましょう。また、ヤスリは前後に動かすのではなく、一方向にまっすぐ動かすこと。

    画像: まずは端のほうをかける

    まずは端のほうをかける

    画像: 次に、少し中央に寄った箇所をかける

    次に、少し中央に寄った箇所をかける

    画像: さらに、爪の中央部分をかける

    さらに、爪の中央部分をかける

    (2)最後に角をかけますが、角はほんの少し軽くかけるだけにしましょう。やすりを小さく動かして、少し丸みをつけるように整えます。

    画像: 角をかけるときは、ヤスリを爪の表面に当てないよう注意。爪が薄くなり、巻き爪の原因になることも

    角をかけるときは、ヤスリを爪の表面に当てないよう注意。爪が薄くなり、巻き爪の原因になることも

    「爪は個人差があるので、これが絶対正しいというものはなく、理想的という話になってしまうことが多いのですが、正しい切り方を伝えることで、少しでもみなさんの爪が健康でいるお手伝いができればと思っています」と浅見さん。教えてもらった方法はけして難しくはなく、少し意識すればできるものなので、ぜひ実践してみてください。

    <撮影/山川修一 取材・文/諸根文奈>

    浅見 芽生子(あさみ・めいこ)
    貝印株式会社の社内資格である、包丁・ツメキリのマイスター資格と、ハサミのアドバイザー資格を保有。2017年にツメキリのマイスター制度の立ち上げメンバーに加わり、2018年にはJNECネイリスト技能検定3級を取得。爪の健康を保つためのケアを自分でできる方法を広く普及することを目指し、ツメキリの選び方や爪の正しい切り方を確立。講習、実習を通して啓蒙活動を行っている。ツメキリの啓蒙活動のほかに、包丁マイスターとして包丁研ぎのサービスにも従事する。



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