1本10円で味わえる〈うまい棒〉
ワインのお供になりそうな、本格チーズ味。
幼少期から駄菓子屋さんが好きだったという香菜子さん。
お菓子を買いに行くと、必ずラインナップに入っていたのが〈うまい棒〉でした。
「チーズ味が特にお気に入り。独特のチーズの香りがありますが、それがまたいいんですよね。大人になってから、ワインに合うかも! と思いつきましたが、まだ試せていなくて。これを機にやってみようかな(笑)」と香菜子さんは言います。
「ほかにはサラミ味や、BBQ味も好み。仕事がひと段落して、夕飯の準備に取りかかる前、ちょっとなにかお腹に入れたいな、というタイミングで食べることが多いお菓子です。ついおいしくて何本も食べてしまいそうになりますが、1本だけ、と我慢しています」とも。
1本ずつの個包装になっているから、小腹を満たすお菓子としてちょうどいい存在。そしていろんなフレーバーがあるから、今日はどの味にしようかと選ぶ楽しさもある唯一無二のお菓子です。
チーズ味は、チェダーチーズとゴーダチーズ、2種類のチーズを混ぜてつくる本格フレーバー。わずか10円でこってりとした本格チーズの味を楽しめるだなんて、贅沢なお菓子だと思いませんか?
“持ち歩き菓子” の先がけ。
「1970年代当時は、駄菓子屋さんが全盛期だった時代。各社がお菓子を裸のまま売るか、大袋に詰めて売り出すなかで、1本ずつ包装することで差別化をはかりました。〈うまい棒〉の原料であるコーンパフという素材は、しけやすいというのも理由のひとつでしたが、個包装にすることで、子どもにとっても持ち歩けるお菓子として重宝したのがヒットの前触れとなりました」(やおきん 営業企画部 商品課 課長/田中 浩次さん)
当時は、串に刺さったお菓子を店先で食べてから遊びに行くというのが常識。袋のまま持ち歩けるお菓子は、動き回りたい子どもをもっと自由にしたのだといいます。
持ち歩き菓子のきっかけが、この〈うまい棒〉だったなんて! いつでもどこでも食べられるようになったということは、駄菓子界に衝撃を与えたに違いありません。
公園で、各々が選んだ味を楽しんでいる子どもたちを見かけると、当時と変わらぬ光景なのかと、なんだかニンマリしてしまいます。
名前の由来は、いないいないばあ!?
おいしい棒状のお菓子だから、シンプルに〈うまい棒〉。シンプルなネーミングですが、実はそこにたどり着くまでには紆余曲折ありました。
「候補のひとつには『うまいうまいバー』というものも。子ども向けのお菓子ということで、いないいないばあをもじった名前だったのですが、あまりにも子ども過ぎるということでボツになりました。子ども向けでありながら、中高生でも手に取れるような名前がいいよねと、回り回って〈うまい棒〉に」(田中さん)
1979年にソース味からスタートし、現在は定番で15種類ものフレーバーが販売されています。一番人気は「コーンポタージュ味」。地域や販売店によって、人気順位は入れ替わるそうです。
「たまに見かける30本入りのパック。あれをいつか大人買いしてみたいです」と話す香菜子さん。いろんなフレーバーをたくさん買って、食べ比べてみるのも楽しそうですよね。
みなさんの思い出のフレーバーはどれですか? それぞれの食べ方も合わせて聞いてみたいです。
うまい棒
■ 内容量:6g ※味により異なる
■ 価格:10円(税抜)※店舗により異なる
■ メーカー:株式会社やおきん ブランドサイトを見る
〈撮影/山田 耕司 取材・文/山下あい〉
香菜子
モデル、イラストレーターとして活躍する傍ら、自身がデザインするホテル備品をイメージしたプロダクトブランド「ホテルヴィルヘルムス」を主宰。インスタグラムや著書に垣間見える、自然体な暮らしや着こなしが人気。著書に『ハピネスドリル』(主婦の友社)、『毎日、無理なく、機嫌よく。』(すばる舎)、など多数。
インスタグラム:@kanako.lotaproduct
ホテルヴィルヘルムス:https://vilhelms.thebase.in/