衣 オーガニックコットンを通して社会貢献
オーガニック・テキスタイルの世界基準、GOTS認証を受けたオーガニックコットンのみを使用し、国内の工場がもつ技術力を生かして、生地生産や縫製まで行うのがナデルのこだわり。むだなサンプルをつくらないことも心がけています。社会貢献がブランドを運営する原動力となっており、「国境なき医師団」などへの寄付もそのひとつ。
お姉さまがアトピー性皮膚炎に悩まされるようになったことが、2008年にオーガニックコットンを主軸とするブランド「ナデル」を始めるきっかけになったという北村ヨナさん。
サスティナブルを意識した衣食住、社会問題への関心と、ヨナさんの生き方そのものがナデルのものづくりにも反映されています。
「私はそれまでフォーマルのデザイナーをしていたのですが、まだ珍しかったオーガニックコットンと出合い、自分でつくった服を韓国の姉に送ったところ、かゆくならないと喜んでくれたんです。ただ、そのころは生成りしかなく、きれいな色を着ればもっと元気になるだろうと、環境に配慮した染色技術を追求したことがいまにつながっています」
大切な人を笑顔にしたいそんな気持ちが原点
「自分のブランドをつくろう」と思い立ってから、ヨナさんはオーガニックについて独学で学び始めます。そこで、インドの綿花畑で働く人々への搾取や農薬による健康被害といった問題に直面します。
「これからの時代は、このブランドなら絶対に間違ったことはしないという信頼関係の下に、ものが流通していく。そのためには、問題を解決していく仕組みをつくることが先決だと考えました」
ナデルでは土壌を整える間も働く人の生活を保証することや、衛生的な労働環境などに配慮したGOTSの認証を受けた綿花のみを使用。
さらに、生地製造から縫製まですべて国内の工場に依頼。また、展示会には自社スタッフが出向き、自分たちの言葉でこだわりを伝えることも大切にしています。
大好きな姉を、笑顔にしたい。そんな想いから始まったナデル。サスティナブルな暮らしのヒントは、そんな素直でシンプルな気持ちにあると教えてもらいました。
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〈撮影/ヨシダダイスケ 構成/鈴木理恵(TRYOUT) 取材・文/野崎 泉〉
北村ヨナ(きたむら・よな)
プレタポルテのデザイナーを経て、2008年よりオーガニックコットンを主軸とするブランド「ナデル」主宰。日常着のほか、ウェディングラインも手がける。翌年に夫の故郷の京都に移住し、京都市役所前駅近く河原町通りに直営ショップをオープン。大阪の「阪急うめだ本店」にもショップがある。
https://www.nadell.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです