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「おまもり」の語源は“見守る”だそう。私が私らしく、居心地よく生きるための「おまもり」を分けていただきに、大段まちこ(フォトグラファー)&井尾淳子(フリー編集者)のふたりが、心とからだを整える魔法使いのような人々を訪ねます。
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おまもりルームより
ふっくらとした愛を込めて。
日本人にいちばん多い「スウィート」スキンでした
大段:今回は、井尾さんのスキンタイプ診断ですね。
井尾:よろしくお願いします!
杏:では、肌の匂いを嗅いでみますね。井尾さんは前回の流れから、なんとなく「スウィート」スキンタイプなのでは、という気がしています。肌が甘そう。
井尾:甘そうですか(笑)。「スウィート」は日本人にいちばん多いスキンタイプですよね。
杏:そうです! では、ちょっと腕を失礼しますね(肌の匂いを嗅ぐ)。
井尾:ドキドキ。
杏:やっぱり。井尾さんの肌は「スウィート」さんですね。「スウィート」の中でも、甘さの度合いはいちばん弱い「ほんのりスウィートさん」です。
井尾のおまもり1
「Syrinx(シュリンクス)」
杏:井尾さんは、肌の上に乗せた香りにご自身の肌のほのかな甘さが少しプラスされて、香りが変化していくタイプです。なので、あまり甘くない香りをつけたほうが、角が取れたような感じになって楽しめます。
井尾:あぁ~。甘い香水をつけると、すぐに飽きてしまっていました。お腹いっぱいになるような。それは、スキンタイプとの相性のせいだったんですね。納得。
杏:そうそう。前回、大段さんのおまもりパフュームに選んだ「Syrinx(シュリンクス)」という香水は、井尾さんにもおすすめですよ。トップノートのシャキーンとした香りが、スウィートさんにつけるとすぐにまろやかになって落ち着くので。
井尾:「シュリンクス」は、とても好きな香りでした。お花屋さんにある花ではなくて、森で自生しているような草花の香りですよね。
杏:そう。森の奥に迷い込んでしまった時、ふと見つけた足元に自生している花……。そんな香りです。そしてギリシャの海の、ミネラル分を含んだ潮風の匂いが混ざり合ったような深みがあります。
大段:杏さんの表現が、とっても素敵です。
思い込みをフラットにしてくれる
杏:スキンタイプ診断用に記入していただいた質問表(*)も拝見します。井尾さんの気になるキーワードは、「コミュニケーション」ですね。コミュニケーションというテーマにも、「シュリンクス」は合っていますよ。
*注・・・質問表にある「Love」「Work」「Communication」「Friend Ship」「Health」と書かれたキーワードから、気になるものを選びます
井尾:おー、そうなんですか。それはどういうところで?
杏:コミュニケーションの行き違いが起こるときというのは、大体「認識の違い」なんですよね。どの人もみんな、いままで生きてきた経験をもとにした思い込みとか、いつのまにか決めた物事の設定ってあると思うんです。いい悪いではなく、ね。その違いが、コミュニケーションの行き違いになっているだけのことなんじゃないかなと、いま。
井尾:ははぁ。そうかもしれませんよね。
杏:「シュリンクス」は、そういった自分の思い込みや設定をフラットにする、というメッセージも込めています。
大段:なるほど。たしか「記憶の浄化」がテーマの香水でしたよね。
杏:はい。記憶って案外、曖昧なものじゃないですか。だから「あまりとらわれないで、楽しいものに塗り替えてしまってもいいんじゃない?」というインスピレーションが、「シュリンクス」の製作時に湧いてきたんです。
井尾のおまもり2
「Taj Garden」(タージガーデン)
杏:(質問表を見ながら)そして井尾さんの好きな色は、ベージュ、グレイッシュピンク……ふむふむ。そうすると、もうひとつおすすめの香りは「タージガーデン」がいいかもしれません。
井尾:どんな香りだろう? それは、好きな色からのつながりですか?
杏:お好きな色が、「生まれたて」のイメージで、あまり凝り固まらないものを表す色合いなんですよね。そういう色味を好まれるということは、いまはちょっと、気持ちのなかに新しいスペースを空けてあげるのがいいのかな、と思いました。
ふたり:へぇ〜〜!
杏:そして「普段行っているワークアウトは?」という質問に、キックボクシングを始めたと書かれてあったので。そういう意味でも、新しい視点が入るとよさそうな時ですね。「タージガーデン」も浄化がテーマのパフュームですが、これは「視界の浄化」なんですよ。
井尾:すごい。いまの気分と合っています。とっても凛とした香りですね。あまり身につけたことがない感じで、新鮮。
杏:「タージガーデン」は、毎日、同じ景色にいるなかでも違う視点をくれる、ということを表現しました。仕事や外に出る時につけてもらうと、「よーし!」というエネルギーチャージにもなりますし、視界をクリアに、新鮮なものにしてくれますよ。
大段:井尾さんにとっても合っている気がします、この香り。
井尾:そうですか。そうすると、内面を癒したいときは「シュリンクス」。そして仕事に行くようなときは、視界が開ける「タージガーデン」ですね!
杏:そうですね! 気持ちを切り替えるおまもりのように使っていただけたら、うれしいです。
…ということで、次回最終回は、「DAWN Perfume(ダウンパフューム)」シリーズの「大人ならではの楽しみ方」について、さらに伺います。
お楽しみに!
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杏 喜子(あんず・よしこ)
「DAWN Perfume(ダウンパフューム)」ディレクター、香りスタイリスト。幼い頃から香りの世界に興味を持ち、アロマサロンのカウンセラーとして、カラーセラピーを学ぶ。フレグランスキャンドル制作を経て、コロラド州在住の調香師・ダウン・M・スペンサー・ヒュウィッツとの出会いを機に、2008年より、自身がディレクションする「DAWN Perfume」を日本で展開。その人独自の肌の匂いから、おすすめの香りを見つけるスキンタイプ診断も行う。
購入や診断については、公式サイトから。
https://dawn.theshop.jp/
https://www.instagram.com/dawnperfume_anzu/
大段まちこ(おおだん・まちこ)
フォトグラファー。かわいいもの、雑貨、ファッションなどをテーマに女性誌やライフスタイル誌で活躍。共著に『花と料理』(リトル・モア)などがある。
http://odanmachiko.com/
井尾淳子(いお・じゅんこ)
フリーライター&編集。子育て雑誌の編集経験を経て、現在は書籍、Webコンテンツなどの編集、執筆を中心に活動。