• これから先の人生を健やかに過ごすためにも、料理の塩分を意識してみませんか? 料理研究家の藤井恵さんは、低塩料理は薄味と思われがちですが、酸味や香り、香ばしさを生かせば十分においしくなりるといいます。そんな藤井さんの著書『塩分ひかえめでもとびきりおいしいレシピ』から、ハンバーグを紹介します。

    低塩ハンバーグのつくり方

    1人分146kcal 塩分1.2g

    肉だねの塩分は最小限。たっぷりのトマトソースをからめて仕上げるから、コクもうま味もたっぷりです。

    材料(2人分)

    ● 合いびき肉(赤身)200g
    ● 玉ねぎ1/2個
    ● サラダ油適量
    ● 木綿豆腐1/6丁(50g)
    A
    ● 卵1/2個
    ● 塩、こしょう各少し
    ● 酒大さじ2
    B
    ● トマト缶(カット状)1/2缶(200g)
    ● 無塩バター5g
    ● ウスターソース小さじ1
    ● にんにく(すりおろす)小さじ1/2
    ● 塩小さじ1/5
    ● ベビーリーフ1パック

    つくり方

    1 玉ねぎはみじん切りにし、サラダ油小さじ1/2で薄く色づくまで炒め、冷ましておく。

    2 ボウルにひき肉と豆腐を入れてよく練り混ぜ、1を加えてさらに練り混ぜる。2等分して小判形にまとめる。

    3 フライパンにサラダ油小さじ1を強火で熱し、2を並べ入れて1分焼き、弱火にして4分焼く。上下を返して強火で1分焼き、酒を加えてフタをし、弱火で4分焼く。

    4 3を加えて煮立て、とろりとするまで煮からめる。器に盛り、ベビーリーフを添える。

    適塩ポイント

    画像1: 適塩ポイント

    ハンバーグのつなぎには、パン粉の代わりに豆腐を使って塩分カット。最初にひき肉としっかり混ぜておくと一体感が出る。

    画像2: 適塩ポイント

    ソースはトマトケチャップよりも低塩のトマトを使用。バターも無塩のものを使い、塩分量を上げずにうま味をアップする。

    減塩することの意味

    塩分をとりすぎるとどうなるの? また、健康で長生きするために気をつけるべきこととは……。血管病予防の第一人者である、医学博士の島田和幸先生にうかがいました。

    老化を招く2大原因は高血圧と糖尿病

    人生100年時代の到来と言われています。

    その一方で健康上の問題がなく、日常生活を支障なく送れる期間を示す「健康寿命」は、男性は72 .68 歳、女性は75 .38 歳。平均寿命は男性が81 .41 歳、女性が87 .45 歳なので、健康寿命とは男性で8.73 年、女性で12 .07年の差が生じています(※注1)。

    ※注1:厚生労働省2021年「健康寿命の令和元年値について」より

    せっかく長生きしても、寝たきりや要介護状態になっては不本意でしょう。病気を防いで健康寿命を延ばすには、老化のスピードをできるだけ遅らせることが大切です。

    老化を招く2大原因は、高血圧と糖尿病です。たとえば、血圧が高くなると強い圧力がかかり続けるため、血管の壁がかたくもろくなったり、厚くなったりします。

    すると、動脈硬化が進行し、血管が詰まったり破れたりして、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、認知症のリスクとなります。また、高血圧の人は糖尿病などの生活習慣病を併発しやすいこともわかっています。

    画像: 老化を招く2大原因は高血圧と糖尿病

    「3ない」の実践で生活習慣の改善を

    そこで見直したいのが、生活習慣です。これらの病気のほとんどは、年齢、体質、生活習慣という3要因が重なって起こります。年齢や体質は変えられませんが、生活習慣は自分の意思で変えることができます。

    具体的な改善のポイントは3つ。「食べすぎない(腹八分目でゆっくり食べる)」「しょっぱすぎない(塩分をひかえる)」「動かなすぎない(運動する)」こと

    これらの「3ない」を実践することで、少しずつ血圧は下がり始めます。また、高血圧の人が併せもっていることの多い糖尿病も同時に予防・改善することができます。

    なかでも、食生活でとくに高血圧との関わりが深いのは、塩分のとりすぎです。2019 年の調査によると、日本人の塩分摂取量は、成人男性は10.9g、成人女性は9.3gです(※注2)。年々減少傾向にはありますが、それでも目標量よりも2.8~3.4gオーバーしており、まだ塩分をとりすぎている状態です。

    --※注2:厚生労働省2019年「国民健康・栄養調査」より

    また女性の場合、女性ホルモンには血管をしなやかに保つ働きがありますが、その保護がなくなる閉経以降は、血管壁がかたくなるなどの変化も現れやすくなります。

    リスクを下げるために大事なのは、早めのケアです。30代、40代のうちから血管を強くする食事&生活習慣を身につけることが、ひいては健康寿命を延ばすことにつながります。

    これを機に、健康的な生き方を身につけていただければと思います。

    <監修/島田和幸 料理/藤井 恵 スタイリング/池水陽子 栄養計算/亰須 薫 撮影/山田耕司 取材・文/城石眞紀子>


    画像: 「3ない」の実践で生活習慣の改善を

    藤井 恵(ふじい・めぐみ)
    料理研究家、管理栄養士。雑誌、書籍、テレビなどで、簡単でおいしく、体にも優しい料理を日々を提案している。愛娘2人に15年つくり続けたお弁当のレシピも人気。著書に『身体に優しい長生きスープ』『プラスでおいしく! 鶏むね88レシピ』『2品同時にハイ!でき上がり 超速!レンチン弁当』(すべて扶桑社)など多数

    島田和幸(しまだ・かずゆき)
    新小山市民病院理事長・病院長、自治医科大学名誉教授。専門は循環器内科学、老年病学、高血圧の成因と治療、動脈硬化、血栓止血学、著書・監修書に『高血圧 自力で下げる!血圧対策の名医が教える 最新1分体操大全』(文響社)など

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    画像: 藤井恵さんの、塩分ひかえめでもとびきりおいしいレシピ|ハンバーグ

    『適塩でごはん革命 塩分ひかえめでもとびきりおいしいレシピ』(藤井恵・著/島田和幸・監修)

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    いつまでも元気で楽しく過ごすために、食事でとる塩分は気にしたいもの。この本では塩分をひかえてもおいしい料理ができる“適塩ポイント"とともに、78レシピを紹介。簡単でつくりやすく、ものたりなさも感じないまさに革命的な料理が満載です。



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