• ぽかぽか陽気が続くこのごろ。外でお弁当を広げませんか? 出かける理由なんて、何でもいいのです。一番の目的は、おいしく楽しむこと。料理ユニット「南風食堂」さんに、「お酒がすすむ行楽弁当」のつくり方を教えていただきました。
    (『天然生活』2012年6月号掲載)

    ちょこちょこ、つまめるものを。楽しく食べつづけられる「お酒がすすむお弁当」

    画像: ちょこちょこ、つまめるものを。楽しく食べつづけられる「お酒がすすむお弁当」

    三原さんは今回、ふと思い当たりました。

    「いい行楽弁当って、‟いかにだらだらと楽しく食べつづけられるか”じゃないかな」

    のんびり味わいながらの、「これ、なあに?」から始まるレシピの交換。話のきっかけになるような食材をちょっと入れてみるのも、行楽弁当の楽しみのひとつかもしれません。

    「いま流行りの塩麴も、そんな感じで使うと話題が広がるアイテムのひとつ。何もいわずにいると、『なんだかわからないけど、これおいしいね』と質問してくれる人が多いので」

    お酒のためのお弁当は、とにかくちょこちょこ、つまめるものを。単純に‟味が濃い”ものではなく、ハーブやレモンの酸味などを生かして、それぞれ‟味に特徴のあるもの”をそろえるのが、のんびりお酒の時間を楽しめる、正しい行楽弁当です。

    画像: カラフルなプラスチックやおしゃれな紙皿を。栓をあけたワインを持ち帰るなら、軽くて汚れに強いビニールかごが便利

    カラフルなプラスチックやおしゃれな紙皿を。栓をあけたワインを持ち帰るなら、軽くて汚れに強いビニールかごが便利

    お酒がすすむお弁当のつくり方

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    殻付きえびのソテー

    見た目の華やかさを大切にしたいから、えびは殻付きのままで。前の晩からマリネしておくと、さらにおいしく。

    材料(つくりやすい分量)

    ● 殻付きのえび3尾
    ● ディル2〜3本
    ● オリーブオイル大さじ1
    ● 塩、黒こしょう各小さじ1

    つくり方

     えびは頭を落とし、殻付きのまま縦半分に切り、背わたを取る。

     ディルは、はさみで1cm程度の長さに切っておく。

     のえびにオリーブオイル、のディル、塩、黒こしょうをまぶし、20分ほどおく。

     熱したフライパンにオリーブオイル(分量外)をひき、えびの殻が付いていないほうを下にして焼く。

     表面の色が変わってきたらひっくり返し、1分ほど焼いて取り出す。

    ドライトマト入り玉子焼き

    だし巻きではちょっと合わない、洋風弁当のときにおすすめ。不思議なことに、和風弁当のときにもマッチします。

    材料(つくりやすい分量)

    ● 卵3個
    ● ドライトマト3〜4個
    ● 玉ねぎ1/4個
    ● オリーブオイル小さじ2
    ● サラダ油大さじ1
    ● 塩ひとつまみ
    ● こしょう適量

    つくり方

     ドライトマトは15分ほどぬるま湯につけ、もどす。水けをしぼって細切りにする。玉ねぎは、みじん切りにする。

     フライパンにオリーブオイルをひき、玉ねぎを、しんなりするまで炒める。

     ボウルに卵を割り入れ、溶いておく。粗熱を取ったの玉ねぎ、ドライトマト、塩、こしょうを加え、よく混ぜる。

     ペーパータオルにサラダ油をしみ込ませ、熱した玉子焼き器にぬる。

     卵液の1/3量を流し入れ、菜箸で気泡をつぶす。表面がやや乾いてきたら、奥から手前にくるくる巻く。

     あいた部分に、と同様にペーパータオルで油をぬり、玉子焼きを奥に移動させて手前にも油をぬる。残りのうち半量の卵液を流し入れ、奥の玉子焼きの下にも広がるように菜箸で持ち上げながら卵液を流し入れる。表面が乾いたら、同様に折りたたむ。

     残りの卵液を、と同様に焼く。

    ブラックオリーブとフルーツマリネ

    実はこちら、家でワインを楽しむときのふたりのお気に入り。フルーツの甘酸っぱさとオリーブの塩けが、こんなに合うなんて!

    材料(つくりやすい分量)

    ● ブラックオリーブ(種抜き)20粒
    ● パイナップル60g
    ● キウイ1個
    ● オレンジ1/2個
    ● レモン汁大さじ1

    つくり方

     パイナップル、キウイ、オレンジは皮を除き、オリーブの半分くらいの大きさに切っておく。

     とブラックオリーブを混ぜる。

     レモン汁をかけてさっとあえ、なじませる。

    焼きなすのディップ

    なめらかな焼きなすのペーストのなかに、不思議な舌触り。とんぶりのプチプチが、アクセントになっています。

    画像: 焼きなすのディップ

    材料(つくりやすい分量)

    ● なす3本
    ● とんぶり大さじ1
    ● にんにく1片
    ● アンチョビペースト小さじ1
    ● レモン汁小さじ2
    ● オリーブオイル大さじ1
    ● 塩、黒こしょう各少々

    つくり方

     なすは魚焼きグリルなどで表面が真っ黒になるまで焼く。焼き上がったら、へたを落とし、熱いうちに皮をむいて細かく包丁でたたくように切る。

     にんにくは、みじん切りにする。

     フライパンにオリーブオイル、にんにく、アンチョビペーストを入れて火にかける。香りが立ってきたら、のなすを混ぜ合わせる。

     とんぶり、レモン汁を加えて混ぜ、塩、黒こしょうで味をととのえる。

    塩麴豚と根菜焼き

    おつまみになるように、ひとつひとつの具材はごろんと大きく。じっくり漬け込んだ塩麴の風味に、お箸もお酒もすすみます。

    画像: 塩麴豚と根菜焼き

    材料(つくりやすい分量)

    ● 豚肩ロース肉(かたまり)250g
    ● 塩麴大さじ3
    ● 玉ねぎ1/2個
    ● ごぼう1本(60g)
    ● れんこん130g
    ● にんにく1片
    ● 塩小さじ1/2
    ● オリーブオイル大さじ1

    つくり方

     豚肉に塩麴をまぶし、ラップで包んで冷蔵庫に一昼夜(24時間ほど)置く。

     玉ねぎは串切りにする。汚れを落としたごぼう、皮をむいたれんこんは大きめの乱切りにする。にんにくは包丁の腹でつぶし、芽を取り除く。

     の豚肉の塩麴をさっとぬぐい、やや大きめのひと口大に切る。

     フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくを入れて弱火にかける。少しこげ色がついて香りが立ってきたらにんにくを取り出し、豚肉、玉ねぎ、ごぼう、れんこんを入れる。中火にして、動かさずにしばらく焼き、こげ目がついたらひっくり返す。両面にこげ目をつけたら中弱火にして木べらでさっと混ぜながら全体に火がとおるまで炒める。



    〈撮影/木村 拓 取材・文/福山雅美〉

    南風食堂(なんぷうしょくどう)

    大学時代の同級生である、三原寛子と小岩里佳による料理ユニット。料理だけではなく、色、音、空間を含めた食のある風景そのものをプロデュースする。著書に『ココナッツオイルの本』『乾物の本』(ともにスペースシャワーネットワーク)などがある。
    http://www.nanpushokudo.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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