(別冊 天然生活『エコでやさしい暮らし』より)
お金の使い方を見直す
「節約しなくちゃ」という意識はあっても、「ケチケチするのは苦手」「がまんするのはしんどい」と敬遠している人も多いでしょう。
「節約というと、どうしても時間や手間がかかると思われがち。でも実は、いまのお金の使い方や生活習慣を見直すだけで十分に節約できるのです」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんです。
私たちが、なんとなく使っているお金のなかには、実はたくさんのむだが。
それが無意識のうちに習慣になっているものだったり、金額が小さいものだったりすると、出費には気づきにくいものです。
でも、「つい買ってしまう缶ジュース1年分で何が買えただろう」と思うと、少しもったいないことをした気分になりませんか。
無意識に使っていたお金に気づいて見直していけば、半年後、1年後には、きっと、自分にとって必要なものや好きなものを買えるようになるのです。
「日々の小さな出費を見直すことで有意義にお金を使えるようになる」
そんな節約を、ぜひ始めてみてください。
いまのお金遣いを見直そう
自分がいつもどんな買い物をしているか、ふだんの出費の傾向を振り返ってみましょう。
「記録」することで自分の出費を見直す習慣を
自分のお金の使い方にどんな特徴があるのかは、記録してみないと気づかないものです。
家計簿をつけたりレシートを見直したりするなどして、自分がいつ、どこで、どんなものをむだに買っているか反省して次につなげましょう。
「使う」・「抑える」のメリハリ遣いを意識して
「何に使ったのか不明、いつの間にかお金がない」と感じるのは無意識にむだ遣いをしている証拠。
使うお金の目的を明確にして無意識の出費を減らせば、その分、本当に欲しいものにお金を使えるようになります。
「ガマン」の節約はせず、「替え活」を始めよう
習慣になっている買い物は、突然やめるとストレスになります。
専門店で買っていたコーヒーをコンビニの低価格のコーヒーに替える、シャワーヘッドを節水タイプに替えるなど、替えることで節約になるものを探しましょう。
小さな出費を見直して、本当に必要なものを買おう
食品や日用品などの日々の買い物は、金額が小さいだけに、なかなか出費に気づきにくいもの。でも、それも積み重なれば大きな額に。
見直していくことで、家族にとって必要な家や家電など大きな出費に備えられるようになります。
見直すことで大きく削れるお金
固定費は金額が大きいだけに、見直し効果も期待できます。
【住居費】
手取りの3割以上なら、固定費の見直しを
住居費が手取り月収の3割を超えてしまうと貯蓄が困難。通信費やほかの固定費を削るなど、家計の見直しを。
【保険料】
家族の増減、住宅購入のタイミングで再検討を
生命保険はライフスタイルの変化に伴って見直すもの。同じ保険に入りっぱなしの人は見直してみましょう。
【通信費】
購入時に設定された、有料サイトをチェック
携帯の料金設定が自分に合ったものかは随時、見直し、購入時の有料サービスも、必要がなければ外しましょう。
【車両費】
使用目的を考えて、いま一度、検討しても
年に数回しか乗らないような人は、レンタカーやカーシェアリングを利用したほうが、大幅な節約になります。
【子ども費】
習い事は、親の意思より子どものやる気を重視
子どもがやりたいものだけに絞らないと大変な負担に。自治体などが格安で行っている教室を調べるのも手です。
〈イラスト/祖父江ヒロコ 取材・文/秋山由紀〉
丸山晴美(まるやま・はるみ)
ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、26歳でマンションを購入。その体験をもとに節約アドバイザーとなり、TV、雑誌などで活躍。著書に『年金生活の不安、解消します』(幻冬舎)など。
※ 記事中の情報は取材時のものです
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坂井より子さん、早川ユミさん、服部雄一郎さん・麻子さん、青木美詠子さん、本多さおりさんなど、15人の方々に、自然に寄り添う暮らしの様子を見せていただきました。
共通しているのは、楽しみながら工夫していること。それが、結果的にエコな暮らしにつながっていくような気がします。
自分にも地球もやさしく、心地いい暮らしのヒントを、この本の中に見つけてみてください。
【CONTENTS】
第1章 循環する暮らし/第2章 フードロスを減らす/第3章 お金の使い方を見直す/第4章 掃除・洗濯。道具のお手入れ/ごみを、ごみにしない暮らし方/始めよう、コンポスト生活/プラスチックを減らす生活