• 節約とはケチケチすることではなく、お金を有意義に使えるようにすること。減らしづらい「水道・光熱費」を見直すポイントを、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに伺いました。
    (別冊 天然生活『エコでやさしい暮らし』より)

    水道・光熱費を見直すポイント

    習慣によるところが多い水道・光熱費の節約は、家族みんなの協力が必要。とにかく、「消す」「止める」ことから始めましょう

    冷蔵庫の設定温度は自動運転でお任せする

    まず冷蔵庫の機能を確認。AI(人工知能)が日頃の使い方を記憶して節電をアシストしてくれるものなら、設定温度は自動運転機能にお任せするのが、一番、節電につながります。

    ガスの火は鍋底の大きさに合わせる

    ガスの炎は鍋からはみ出さないように調整しましょう。はみ出た分はエネルギーのむだですし、熱しすぎは鍋が傷む原因にもなります。

    食器を洗う手順を変える

    画像: 食器を洗う手順を変える

    食器は水を流しっぱなしで洗うのではなく、

    ① 洗い桶に水をためて汚れた食器をつけおきする

    ② つけおきした食器を洗剤をつけたスポンジで洗う

    ③ 洗い桶で泡をすすぐ

    ④ 洗い桶の水を捨て、その中に食器を面積の広いものから順番にタワーのように重ね、その上から鉛筆一本分の太さの水を流してすすぐ。

    この手順でやれば節水効果が高まります。

    夏はエアコンと扇風機を併用して

    画像: 夏はエアコンと扇風機を併用して

    夏場のエアコンは、冷やしすぎは禁物。設定温度を1℃上げるだけで約10%の省エネになります。

    また、エアコン使用時に扇風機を併用すると床にたまった冷気が満遍なく部屋を循環するので、設定温度を2℃上げても十分に涼しく感じられます

    扇風機の消費電力はエアコンのわずか1/50なので、エアコンを使う際には、ぜひ扇風機も一緒に使いましょう。

    使わない家電のコンセントは抜く

    家電は、主電源を切らない限り、常に電力が消費されているものがあり、これを「待機電力」といいます。たとえばテレビは、リモコンで電源を切っても本体の電源を切らない限り待機電力がかかっています。

    この待機電力、実は家庭で消費される電力の約6%を占めているといわれ、これを減らすためには、こまめに主電源を切ること、そして長期間使わない家電のコンセントを抜くことが大切です。

    抜くのが面倒な人には光らないタイプのスイッチが付いている市販の節電タップがおすすめ

    トイレの流水は、「大」と「小」を使い分けて

    トイレの水を流す際に、「大」と「小」とでは、トイレによっても異なりますが、流れる水の量が1回につき約2Lも違います。常に「大」で流していないか、家族で再確認しましょう。

    家の中の照明をLEDに切り替えて

    LED照明は、技術も進歩し、手頃な価格になったため、上手に取り入れて。利用時間が長いリビングの照明をLEDに切り替えると効果的。ほかも随時LED電球に切り替えると、節電かつ、電球の交換回数も減ります

    複数のゆで野菜は、同時にひとつの鍋で

    画像: 複数のゆで野菜は、同時にひとつの鍋で

    複数の野菜をゆでるとき、1種類ずつ水を替えながら、あるいは別々の鍋でゆでている人が多いと思います。でも、ひとつの鍋でまとめてゆでれば水道代とガス代の節約になり、時間も大幅に短縮。

    細かく切った野菜は味噌こしなどに入れてから鍋の中でゆでれば、ほかの野菜と混ざることがなく、さっと取り出せて便利。

    冷蔵室はスカスカ、冷凍室はパンパンに詰めて

    画像: 冷蔵室はスカスカ、冷凍室はパンパンに詰めて

    冷蔵室に食材を詰め込みすぎると、冷やすために電気代が余分にかかります。また、たくさん詰まっていると何がどこにあるかがわかりにくく、ドアを開けて必要なものを探している間にどんどん冷気が逃げてしまい、余分な電気代がかかります。

    効率よく冷気をゆきわたらせるためにも、中身は多くても6~7割にとどめましょう。

    逆に冷凍室は、すき間なく詰めたほうが食材同士が保冷剤となって効率よく冷やせるので、できるだけ多めに密着させて詰めるようにしましょう。

    「~っぱなし」の習慣を家族で見直そう

    水道・光熱費を節約するためには、いろいろな「ぱなし」をやめることです。電気のつけっぱなし、ガスの出しっぱなし、水道の流しっぱなしなど、自分は気をつけていても、ほかの家族がやっていてはあまり効果がありません。

    必要のない電気は消す、水は流しっぱなしにしないでためて使う、などを家族みんなで話し合って実行し、習慣にしていきましょう

    見直すことで大きく削れるお金

    固定費は金額が大きいだけに、見直し効果も期待できます。

    【住居費】

    手取りの3割以上なら、固定費の見直しを

    住居費が手取り月収の3割を超えてしまうと貯蓄が困難。通信費やほかの固定費を削るなど、家計の見直しを。

    【保険料】

    家族の増減、住宅購入のタイミングで再検討を

    生命保険はライフスタイルの変化に伴って見直すもの。同じ保険に入りっぱなしの人は見直してみましょう。

    【通信費】

    購入時に設定された、有料サイトをチェック

    携帯の料金設定が自分に合ったものかは随時、見直し、購入時の有料サービスも、必要がなければ外しましょう。

    【車両費】

    使用目的を考えて、いま一度、検討しても

    年に数回しか乗らないような人は、レンタカーやカーシェアリングを利用したほうが、大幅な節約になります。

    【子ども費】

    習い事は、親の意思より子どものやる気を重視

    子どもがやりたいものだけに絞らないと大変な負担に。自治体などが格安で行っている教室を調べるのも手です。

     
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    〈イラスト/祖父江ヒロコ 取材・文/秋山由紀〉

    丸山晴美(まるやま・はるみ)
    ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、26歳でマンションを購入。その体験をもとに節約アドバイザーとなり、TV、雑誌などで活躍。著書に『年金生活の不安、解消します』(幻冬舎)など。

    ※ 記事中の情報は取材時のものです

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    別冊天然生活『エコでやさしい暮らし』

    別冊天然生活『エコでやさしい暮らし』

    『季節の不調が必ずラク~になる本』(瀬戸 佳子・著)|amazon.co.jp

    amazon.co.jp

    坂井より子さん、早川ユミさん、服部雄一郎さん・麻子さん、青木美詠子さん、本多さおりさんなど、15人の方々に、自然に寄り添う暮らしの様子を見せていただきました。

    共通しているのは、楽しみながら工夫していること。それが、結果的にエコな暮らしにつながっていくような気がします。

    自分にも地球もやさしく、心地いい暮らしのヒントを、この本の中に見つけてみてください。

    【CONTENTS】

    第1章 循環する暮らし/第2章 フードロスを減らす/第3章 お金の使い方を見直す/第4章 掃除・洗濯。道具のお手入れ/ごみを、ごみにしない暮らし方/始めよう、コンポスト生活/プラスチックを減らす生活



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