• 節約とはケチケチすることではなく、お金を有意義に使えるようにすること。がんばるほど効果が出やすい「食費」を見直すポイントを、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに伺いました。
    (別冊 天然生活『エコでやさしい暮らし』より)

    食費を見直すポイント

    食費は、がんばるほど効果が出やすい費目です。まずは買い物の仕方を見直し、買ったものをむだなく使い切ることを心がけましょう。

    酒、ジュース、お菓子の出費をチェックする

    画像: 酒、ジュース、お菓子の出費をチェックする

    これらの嗜好品は「なくてはならないもの」というより、買うことが習慣になっているものといえます。また、買い物1回ごとの金額が小さいため、出費に気づきにくいものです。

    まずはレシートをチェックし、1カ月の合計額を出すことで、どれだけの金額を費やしているかを自覚しましょう。

    余計に買わないためには、食費とは別に小遣いの範囲で買うようにしたり、嗜好品費としての予算を決めたり、ルールを決めて買うようにしたりするとよいでしょう。

    買い物のときには、財布に最低限のお金しか入れない

    財布に1万円札が入っていると、つい気が大きくなって、「安くなっているから買おう」とか「おいしそうだから買っちゃおう」などと、余計なものまで買いがちです。

    買い物に行くときは、その日の目的に合った予算だけを入れて、予算を守るために必要なものだけを厳選して買いましょう。そうすることで、余計な出費防止になります。

    スーパーにはなるべく家族で行かない

    夫や子どもと買い物に行き、必要のないお酒やお菓子、ふだん買わない高価な肉や刺し身などをせがまれて買ってしまうというのは、よくあること。

    週末にレジャー代わりにショッピングに行くご家庭もあると思いますが、そうすると、「しなくてもいい出費」をしてしまいがち。

    スーパーへはひとりで行って、必要なものだけを買うことを習慣にしましょう。

    冷蔵庫の在庫管理には、ホワイトボードが便利

    画像: 冷蔵庫の在庫管理には、ホワイトボードが便利

    食材の使い忘れや二重買いを防止するためには、冷蔵庫の在庫をメモしておくといいでしょう。

    ホワイトボードなら書いたり消したりがしやすいので、おすすめです。買ったものをメモし、使い切ったものを消していくようにすれば、冷蔵庫の中に何が残っているかが、ひと目でわかります。

    また、食材をむだにしないためにも、週に1回は残っている食材だけで料理をし、冷蔵庫の中をすっきりさせましょう。中身をリセットすることで管理もしやすくなります。

    「行ってはいけない」お店を決める

    画像: 「行ってはいけない」お店を決める

    節約を意識するあまり、100円ショップやドラッグストア、激安スーパーなどをはしごすると、あちこちで安さにつられて必要のないものまで買ってしまうことがあります。

    あるいはカフェやコンビニエンスストアなど、外出ついでに入ることが習慣になっているお店がある人も。そもそも、行かなければ余計な出費はせずに済みます

    買うものがあるときはいいのですが、「なんとなく習慣で」、あるいは「買い物のついでに」、そういったお店に立ち寄るのはやめましょう。

    質のよいPB商品を上手に活用する

    スーパーでよく扱っているPB(プライベートブランド)商品。ナショナルブランド(大手メーカーが全国規模で展開しているブランド)もしくは、それに準ずるメーカーが製造元なのに価格は手頃と、私たち消費者にとってはうれしいもの。

    種類も増えているので、いままで買っていた商品にPB商品があれば、そちらに買い替えるだけで節約になります。

    空腹のまま、買い物に行くのはやめて

    おなかがすいているときに買い物に行くと、すぐに食べられる総菜を買ってしまったり、必要のないお菓子や菓子パンを買ったりしてしまいがちです。

    また、買い物の途中でカフェやファストフードのお店に寄っておやつを食べてしまうことも。

    余計なものを買わないためにも、買い物に行くのは、食後、あるいは家でちょ っと小腹を満たしてからにしましょう。

    調味料は買いだめせず、在庫+1で十分

    画像: 調味料は買いだめせず、在庫+1で十分

    「どうせ必要なものだし」と、特売のたびに買ってしまい、同じ調味料がいくつもたまっていたり、収納スペースがパンパンになっていたりして入り切らないという悩みをもつ人がいます。

    調味料は頻繁に特売になるし、そんなにすぐに使い切れるものでもないので、在庫は、いま使っているもの以外にひとつあれば十分です。

    そのように在庫のルールを決めることで余計な出費が抑えられ、さらには収納スペースもすっきりして、より在庫管理がしやすくなります。

    見直すことで大きく削れるお金

    固定費は金額が大きいだけに、見直し効果も期待できます。

    【住居費】

    手取りの3割以上なら、固定費の見直しを

    住居費が手取り月収の3割を超えてしまうと貯蓄が困難。通信費やほかの固定費を削るなど、家計の見直しを。

    【保険料】

    家族の増減、住宅購入のタイミングで再検討を

    生命保険はライフスタイルの変化に伴って見直すもの。同じ保険に入りっぱなしの人は見直してみましょう。

    【通信費】

    購入時に設定された、有料サイトをチェック

    携帯の料金設定が自分に合ったものかは随時、見直し、購入時の有料サービスも、必要がなければ外しましょう。

    【車両費】

    使用目的を考えて、いま一度、検討しても

    年に数回しか乗らないような人は、レンタカーやカーシェアリングを利用したほうが、大幅な節約になります。

    【子ども費】

    習い事は、親の意思より子どものやる気を重視

    子どもがやりたいものだけに絞らないと大変な負担に。自治体などが格安で行っている教室を調べるのも手です。

     
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    〈イラスト/祖父江ヒロコ 取材・文/秋山由紀〉

    丸山晴美(まるやま・はるみ)
    ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、26歳でマンションを購入。その体験をもとに節約アドバイザーとなり、TV、雑誌などで活躍。著書に『年金生活の不安、解消します』(幻冬舎)など。

    ※ 記事中の情報は取材時のものです

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    別冊天然生活『エコでやさしい暮らし』

    別冊天然生活『エコでやさしい暮らし』

    『季節の不調が必ずラク~になる本』(瀬戸 佳子・著)|amazon.co.jp

    amazon.co.jp

    坂井より子さん、早川ユミさん、服部雄一郎さん・麻子さん、青木美詠子さん、本多さおりさんなど、15人の方々に、自然に寄り添う暮らしの様子を見せていただきました。

    共通しているのは、楽しみながら工夫していること。それが、結果的にエコな暮らしにつながっていくような気がします。

    自分にも地球もやさしく、心地いい暮らしのヒントを、この本の中に見つけてみてください。

    【CONTENTS】

    第1章 循環する暮らし/第2章 フードロスを減らす/第3章 お金の使い方を見直す/第4章 掃除・洗濯。道具のお手入れ/ごみを、ごみにしない暮らし方/始めよう、コンポスト生活/プラスチックを減らす生活



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