• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしをつくる。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。学生時代は自転車っ子だった白鳥さん、ふとしたきっかけで、自転車で街を駆け回るよろこびに目覚めます。

    すっかり自転車っ子になってしまいました

    私の通っていた高校は、自宅から10キロほど離れていました。バスは2つ乗り継ぎ。電車もあるけど、それに乗るためにもまたバス。

    田舎ですので、バスも1時間に1本しかありません。しかも困ったことに、次の乗り継ぎまで40分待つなんてことがざらにありました。

    それに嫌気がさした私は高校の1年から3年までの間、風の日も雨の日も雪の日も、自転車で爆走しながら通学するという暴挙に。

    雪の日はさすがに何度も転倒し、車の運転手さんに「おねえちゃん!大丈夫か!?」と、心配されたことも今ではいい思い出です。ちなみに雪の日は絶対自転車に乗らない方がいいです。大丈夫。言われなくても乗る人いないよ。

    そんな爆走娘だった私。久しぶりに自転車に乗りました。東京にはレンタサイクルがたくさんあります。しかもアプリで登録すれば、簡単に借りられちゃう。自転車についているQRコードを読み取れば鍵の開け閉めもできちゃう。ハイテクでラクラクです。

    画像1: すっかり自転車っ子になってしまいました

    その日は新幹線に乗るために東京駅に向かったのですが、ダイヤが変わっていたことを忘れて、微妙な空き時間ができてしまいました。それでヒマつぶしに皇居周りをぐるぐる走ることにしたのです。

    「仕事でマラソンやってた頃はここを走るのが辛すぎたなぁ。」とか。「こんなところにスタバがある。」とか。「あ! 宝塚大劇場の前を通ってみよう。」とか。そんなふうに好き勝手に走っていたら小旅行したくらいの満足感がありました。

    散歩よりもスピードがあって、車より風を感じられて、電車より行きたいところに行ける感じがして自転車っていいですよね。

    初めて自転車を買ってもらった時の、「世界が広くなった!」と思った時の高揚感が再び戻ってきたようでした。

    その日から、すっかり私は自転車っ子になってしまいました。

    用事ついでに遠回りしてみたら、有名なカフェを見つけたり、裏路地に入ってみたら家の近所にできていたパン屋さんをみつけたり、いいこと尽くしです。遠いと思っていた場所がグッと近づきました。

    画像2: すっかり自転車っ子になってしまいました
    画像3: すっかり自転車っ子になってしまいました

    運動不足の私、とりあえず自転車で散歩するところから初めて、徐々にマラソンくらいまで行けたらいいなぁと思っています。

    そして思ったんですが、東京って街はやっぱり面白いんだなぁと感心してしまいました。

    新しい建物の影に古い建物がまだ残っていたり、小さいお店が宝探しのように隠れていたり、歴史で習った有名な場所があったり。まだまだ発見の余地があることが嬉しいです。

    あ、そうそう。運動ついでの自転車と書きましたが、私が乗っているのは、しっかりとした電動自転車だということを、ここに告白しておきます。



    画像4: すっかり自転車っ子になってしまいました

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。



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