• 「湿気がこもりやすい場所」や、「ふだん手入れがしにくい場所」のカビ対策を、ナチュラルクリーニングを提唱する本橋ひろえさんに教わります。気温も湿度も高まる梅雨入り前こそ、カビの原因を取り除く、絶好の機会です。
    (『天然生活』2020年7月号掲載)

    こんな場所も、カビのリセット掃除を

    浴室や台所の掃除が終わったら、湿気がこもりやすい場所ふだん手入れしにくい個所もリセットしましょう。

    靴箱

    土の中にいるカビ菌が靴底に付着し、知らないうちに靴箱へ。

    戸を閉めきるので湿気もこもりやすく、汗が乾かない靴を入れると、たちまちカビが繁殖。

    まず、玄関用にノズルを用意し、掃除機(紙パック式だと処理が楽)で土ぼこりやふわふわしたカビを除去。乾いたクロスにアルコールを吹きかけてから全体をふき上げます。

    画像: 掃除機は玄関用のノズルを用意

    掃除機は玄関用のノズルを用意

    使用アイテム:

    画像1: 「湿気がこもりやすい場所」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    押入れ・クローゼット

    靴箱と同じく、閉ざされて湿気がこもりがちな個所。

    ほこりや繊維くず、角質や皮脂などの汚れも豊富で、見えないカビの棲み処になりがち。衣替えの時季でもあるので、いったん荷物を出し、掃除機でほこりなどの汚れを除きます。

    仕上げに、壁や天井は、乾いたクロスにアルコールを吹きつけてふき、すぐに乾かしてください。

    画像: 乾いたクロスにアルコールを吹きつけてふく

    乾いたクロスにアルコールを吹きつけてふく

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    画像2: 「湿気がこもりやすい場所」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    湿気がこもりやすい場所は「換気」と「通気」を徹底

    画像: 湿気がこもりやすい密閉空間は、雨の時季、カビの危険度が上昇。扇風機やサーキュレーターを使って通気をし、湿気を逃がして。晴れた日は、戸を開け放って換気する習慣づけを

    湿気がこもりやすい密閉空間は、雨の時季、カビの危険度が上昇。扇風機やサーキュレーターを使って通気をし、湿気を逃がして。晴れた日は、戸を開け放って換気する習慣づけを

    洗濯機の洗濯槽

    皮脂や洗剤、石けんかすがこびりついた雑菌の多い状態で洗うと汚れが落ちず、においの原因に。

    50~60℃の湯を張れるだけ張り、過炭酸ナトリウム2カップを入れ、数分間運転。縦型の場合、汚れを網ですくい、出なくなるまで続けます。

    約5時間放置し、柔軟剤ポケットにクエン酸を入れて再び運転すると、石けんかすもすっきり。

    画像: 洗濯機の洗濯槽

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    画像3: 「湿気がこもりやすい場所」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像4: 「湿気がこもりやすい場所」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    エアコンのフィルター

    フィルターに付着するのは、室内の空気中のほこりやカビ、雑菌など。取り外して掃除機でほこりを取り、先細ブラシでこすり洗いして、すすいで。

    天日干しして乾いたら、そのままアルコールを吹きかけ、完全に乾かして戻します。

    画像: 天日干しして乾いたら、アルコールを吹きかける

    天日干しして乾いたら、アルコールを吹きかける

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    画像5: 「湿気がこもりやすい場所」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像6: 「湿気がこもりやすい場所」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    カーテン・布団など洗えない布製品

    角質や皮脂、湿気などが要因で、目に見えないカビが繁殖しやすいのが布製品。

    洗って干すのが一番ですが、洗えない場合は、アルコールを直接、しっとりするぐらい吹きかけましょう。

    ただし、黒カビの黒ずみは落とせません。

    画像: 洗えない布製品には、アルコールをしっとりするぐらい吹きかける

    洗えない布製品には、アルコールをしっとりするぐらい吹きかける

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    画像7: 「湿気がこもりやすい場所」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像8: 「湿気がこもりやすい場所」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    できたカビの黒ずみは「漂白」で対処

    アルコールで黒カビの除菌はできても、黒く残ったカビの跡を白くするには「漂白」が必要です。

    「まずは、除菌も漂白もできる過炭酸ナトリウムを試してみてください。ただ、頑固で消えない場合が多いのも事実。どうしても取りたい場合は塩素系漂白剤を使わざるを得ませんが、スプレー式よりも揮発しにくいチューブ式を選んで」

    画像: 塩素系漂白剤はスプレー式より揮発しにくいチューブ式を

    塩素系漂白剤はスプレー式より揮発しにくいチューブ式を

    塩素系漂白剤とは?

    主成分は次亜塩素酸ナトリウム

    強アルカリ性で、吸い込んだり、肌についたり、目に入ったりすると危険

    スプレー式よりチューブ式のほうが、成分が揮発しにくい

    クエン酸など酸性の洗浄剤・洗剤に反応し、有毒な塩素ガスを発生

    混ぜないよう細心の注意が必要。

    画像1: できたカビの黒ずみは「漂白」で対処
     
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    〈監修/本橋ひろえ イラスト/ホリベクミコ 構成・文/秋山香織〉

    画像2: できたカビの黒ずみは「漂白」で対処

    本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
    ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説する「ナチュラルクリーニング講座」をスタート。著書に『ナチュラルおそうじ大全』『ナチュラルおせんたく大全』(ともに主婦の友社)などがある。天然生活本誌にて「季節のナチュラル掃除と洗濯」を連載中。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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