(『天然生活』2019年12月号掲載)
何をしたいか持ちたいか、欲望に優先順位をつける
モヤモヤがたまるのは、思うように時間やお金を使えていないと感じるから。
「1日の時間やお金の使い方も、引き出しの中と同じように考えてみましょう。あれもこれもと欲望を足してくのではなく、決まった“枠”の中で仕切りを動かして優先順位を決めていくイメージ。
私の所属する友の会では、5年に一度の『生活時間しらべ』で、1週間分の時間の使い方を細かく記録し、平均してグラフ化してきました。そこでわかったのは、時間の使い方は時代とともに変わるということ。若いころは、育児の時間が永遠に続く気がしていたけれど、振り返れば、それは一時的なことだったとわかります」
部屋を写真に撮り、客観的に眺める
自分の家は、自分が一番よくわかっていると思いがちですが、無意識に、見たくないところからは目をそらしていることが多いのです。そこでぜひ実践してほしいのが、家のあちこちを写真に撮る方法。
「写真は正直ですから、見たくない状態もそのまま写し出します。『なんでこんなところにこれが?』『どう考えても、モノを無理やり詰め込んでいる』など、客観的に見つめ直すことができます。気になった部分から、片づけ始めればいいのです」
片づけ後、BEFORE写真と AFTER写真を保存しておきましょう。「これだけがんばった!」と確認でき、自己肯定感も上がりますよ。
消耗品は、地球の循環のことを考えて
使い捨てはできるだけやめ、洗剤なども自然のモノを使うように心がけている井田さん。
「フロアモップは、使い捨てシートではなく洗って何度も使えるタイプを使用。プラスチック包装も、できるだけ使わないよう、家に入れないように心がけています」
日常の汚れは、石けんや重曹、セスキ炭酸ソーダなどでたいてい落ちます。
「食器洗いは、固形石けんと網タワシで十分。シンクの水垢はクエン酸できれいに落ちますし、不便はないですよ」
環境にやさしい洗剤で汚れを落とすポイントは、汚れをためないこと。汚れがついたときに手早く掃除すれば、実はほとんどの汚れは簡単に落とせるのです。
〈撮影/萬田康文 取材・文/福山雅美〉
井田典子(いだ・のりこ)
整理収納アドバイザー。横浜友の会(婦人之友 読者の会)所属。NHK総合テレビの情報番組「あさイチ」などで、“片づけの達人” “スーパー主婦”として紹介され、話題となる。著書に『「ガラクタのない家」ー幸せをつくる整理術』(婦人之友社)など。
https://idanoriko.jimdo.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです