母が洋裁学校に通っています
母が洋裁学校に通っています。
退職後なにか打ち込めるものを。ということで始めたそうで、いいことだなぁと感心しています。
母の話だと、学校には社会人コースというのがあって、そこでは自分がつくりたいものを先生に教えてもらいながらつくるのだそう。
年齢層も幅広く、母よりも年配の方がバスで通っていたりと、地域の婦人会みたいで楽しそうだなと想像しています。
時々、実家に帰ると、はじめてつくったスカートとか、ワンピースとかを見せてくれまして、本人はまだまだ下手っぴだと言いますが、素人目からは分からないくらいの仕上がりです。
既成の服はサイズがなかったり、デザインが好きじゃなかったりする中で、自分が着たいものを自分でつくれるのは羨ましいです。
と言っておりますが、私もかつて服をつくろうとしたことがあります。
まずやってみよう! の見切り発車で、しかも手縫いでチクチク縫いまして、前身ごろと後身ごろがつっぱり引っ張り合い、着られるけれど、着られない。もし、無人島で1人暮らすことになったら着ます。といった塩梅の代物が出来上がりました。
実は私の手元には、誕生日に友人たちからもらったミシンがあります。そのミシンの所在、気になりません? いいでしょう。教えます。
箱から出してもいません。
「え! あ、誕生日って最近だったのかな。」と思いましたね? いいえ。数年前にもらったプレゼントです。怖いです。何年前のプレゼントかも記憶にないというのも恐ろしい。
そんな私をよそに、母の方はメキメキと力をつけて、孫の服を先生の手ほどきなしにつくれるまでになっていました。
すごい。こういうのつくりたいと妄想していたのよ、私。
母としては、出来高が少し気になるそうですが、私からみたら全然分かりません。しかも娘も着心地がいいようで、喜んで着てくれます。
あと、私が「保育園で遊べて、汚れても気にならない楽な服」という基準でしか、娘の洋服を選んでいない事に気がつきました。
ワンピースみたいな洋服を着ると、また表情が変わって見えるのねと、反省です。
「よし! 私も母に負けずに巾着くらいはつくってみよう!」と、押し入れからミシンを出してきてこれを書いているのですが、箱を眺めているだけで1時間が経ちました。
なのでここに宣言します。いつか、必ずこのコラムで作品を紹介しますので、どうか私を信じて待っていてください。
やい。そんなこと言ってるヒマがあったら、今すぐ箱からミシンを出しなさい。という声が聞こえてきそうです。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。