(『天然生活』2021年7月号掲載)
いまの自分に必要のないものは潔く、次の人に渡す
お金の節約だけでなく、資源の節約も大切なこと。いまの自分に必要のないものは潔く、次の人に手渡します。手元には必要なものだけを。暮らしをシンプルに保つのも、むだのない暮らしには欠かせない条件なのです。
昔はよく使っていたけれど、最近ちっとも出番がなかったり、たまたまおまけでもらったり。そんなあれこれは、役立ててくれる人に渡せるのがベストです。
「フリマアプリなどを使う人も多いかもしれませんが、顔を知らない相手とやりとりをしたり、梱包したり発送したりの気苦労と手間を考えると、いまはまだ躊躇してしまうんです」と青木さん。
何より、“売れる”まで、不要なものが家の中にある状態が気になるのだそう。ものをまわすのであれば、早いほうがお互いにうれしいから、ここではお金のことは一切忘れ、手早く次にバトンを渡しています。
まわし方01 使わない小物は近所のリサイクル引き取り所へ
渡す方も渡される方も金銭のやりとりはなし。持っていくのは、雑貨、使わなくなった和装小物や食器のほか、おまけでついてきたキャラクターグッズなども。
「『いくらかにはなるかな』と思って行くと、ほぼお金にならず、がっかりしてしまいますが、最初から無料で渡してこようと思うと、なぜかすがすがしい気持ちになるのが不思議です」
まわし方02 素材が上質な服はリメイクして使いつづける
タートルネックのカシミアセーターをリメイク。「冷えとりをしているため、首回りを覆うとのぼせてしまいます。そこで首回りをカット。さらに袖を切り取ってベストにしました」
端の処理は手縫い糸でまつるだけ。袖口のリブを活用し、袖は“カシミアのレッグウォーマー”という、市販品ではなかなか手のでない贅沢な品に。
まわし方03 サイズが小さめな靴下などは、義母に譲る
ネットショッピングをした際に、ときどき、おまけで送られてくる靴下。「私には小さいのですが、義母のサイズにぴったりなのでちょうどいいな、と思って。そのほか、喜んでもらえそうなものも詰め合わせて送ります」
その品を喜んでくれる人が思い浮かんだなら、その人にまわす。ものを介してお互いの気持ちのやりとりにも。
<撮影/近藤沙菜 取材・文/福山雅美>
青木美詠子(あおき・みえこ)
文筆家。『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』(中経の文庫)など、冷えとりに関する著書多数。冷えとりや整理収納に関するオンラインセミナーも実施。
https://www.aokimi.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです