(『天然生活』2020年9月号掲載)
文筆家 青木美詠子さん
長く使えて心地よいものを吟味したい
私がお金を使うときのルールは、「心地よい」ものを選ぶということ。
たとえば、「食べてみておいしい」とか、「触ってみると気持ちいい」とか、そういう素材感も、手に入れるときの大きな基準になっています。
必然的に天然素材のものが多くなってくるので、そこからさらに「長く使えるもの」を選ぶようにしています。結婚当初から使っている家具は、その代表格。
そもそも夫が化学物質へのアレルギー体質なので、天然素材や環境にやさしいものが生活の基本となります。5年前の家づくりのときも、珪藻土や木など、自然素材を使うのが大きなテーマでした。
最近は、年齢的なこともあり、生活のサイズダウンを意識するように。少し工夫することで、お金をかけなくても楽しめることや、ほかでもなんとかなる方法が意外にあるんですよね。
おしゃれなカフェもいいけれど、ペットボトルの飲み物片手に公園で風に吹かれながら過ごすのも、すごく気持ちがいい。
限られたお金を、自分が本当に幸せだなと感じられる使い方ができるように、いろいろ工夫していきたいです。
hal店主 後藤由紀子さん
「三方よし」の買い物で応援を
私は、ふだんから「買い物は、応援の気持ちを表す方法」と思っています。
お金を使うことで買い手はもちろん、売る人、つくる人が喜ぶ「三方よし」になるようにいつも心がけているんです。
そういう意味で「つくり手の顔が見える」ことは、私にとってお金を使うときの大事な条件のひとつ。
好きなお店やバンドにずっと活躍してほしい。そんな応援の気持ちを込めて、お金を落とすことが、自分にとっても幸せな瞬間です。
コロナで自粛中も、大好きな飲食店などを応援したくて、積極的にいろいろ買ったり、お取り寄せをしたりしていました。
ここで紹介しているピアスやカレーのレトルトも、つくり手の顔が見えて、その商品がすごく気に入っている、私にとってはうれしいお金の使い道です。
私の場合、好きな器でごはんを食べたり、気に入った音楽を聞きながらお茶を飲んだりすることが、ささやかな贅沢を感じる瞬間です。
そうやって自分が機嫌よく暮らせる、“小さな幸せ”を大事にするようなお金の使い方をしていきたいですね。
〈撮影/青木美詠子、後藤由紀子 取材・文/工藤千秋〉
青木美詠子(あおき・みえこ)
自宅を動画で公開するオンラインセミナーも開催。著書に『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』(KADOKAWA)、『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など。インスタグラム@aokimieko1616
後藤由紀子(ごとう・ゆきこ)
飾らないライフスタイルとファッションで多くのファンの支持を得る。YouTubeチャンネル『後藤由紀子と申します。』公開中。著書に『毎日のこと、こう考えればだいじょうぶ。』(PHP研究所)など多数。halインスタグラム@halnumazu
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです