• 87歳の今も、古い団地でひとり暮らしをする多良美智子さん。無理せず、マイペースに健康な暮らしを維持するための「何でもメモをとる」習慣を紹介します。
    (『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』より)

    忘れないように「何でもメモをとる」

    年をとると、いろいろなことをすぐ忘れてしまうから、何でもメモをしたり、記録に残したりするようにしています。

    買い物に行くときは、必ず買うものリストを作ります。

    団地内のスーパーは近いのですが、買い忘れがあったとき、4階の階段をまた往復するのは大変です。家にあるものをチェックしてリストを作るので、よけいなものを買わなくなりました。

    画像: 冷蔵庫のドアに貼ってある、手作りのカレンダー。習い事などの予定はみなここに書き込みます

    冷蔵庫のドアに貼ってある、手作りのカレンダー。習い事などの予定はみなここに書き込みます

    習い事や趣味の会に参加するときは団地からバスに乗りますが、バスの時間が覚えられないので、メモしてよく見る場所に貼っておきます。

    始まる時間がそれぞれ違うため、それに間に合うようなバスの時間を調べました。

    たとえば、写経は10時スタートなので、バスの時間は9時45分。絵手紙は13時スタートなので、バスの時間が12時41分というように。

    毎回、時間を調べる手間がなく、遅刻することもありません。

    冷蔵庫のドアに、1ヵ月分の手作りカレンダーを貼っています。

    習い事や趣味の会は、「第3火曜日の○時」など、だいたい毎月決まっており、頭に入っているものの、カレンダーに書いておけば心配がありません。

    画像: 毎年作成している、絵手紙のカレンダー。絵を台紙に貼り付け、カラーコピーしています

    毎年作成している、絵手紙のカレンダー。絵を台紙に貼り付け、カラーコピーしています

    病院の予約やお掃除サービスに来てもらう日、息子たちが来る予定などを書き込んでおきます。一番目立つ場所なので、用事を忘れることはありません。月末に、翌月のカレンダーを作って予定を書き込むと、より記憶に残るように思います。

    冷蔵庫と言えば、食材を無駄にしないように冷凍することも多いのですが、そのときもメモは欠かせません。

    食材名と日付をラベルシールに書いて、保存袋に貼っておきます。

    食材名だけでなく日付を書いておくと、使い忘れが減ったように思います。ラベルシールは料理の最中に取り出せるよう、台所の収納ケースに置いています。

    画像: 台所の片隅にかけてあるボードに、メモを貼って。バスの時間や料理のちょっとしたメモなども

    台所の片隅にかけてあるボードに、メモを貼って。バスの時間や料理のちょっとしたメモなども

    冷蔵するときも、なるべく透明の容器に入れ、中身がひと目でわかるようにしています。

    食が細くなり栄養不足が気になるので、食事メモもつけています。

    家計簿を自作のノートで長年つけていますが、そこに書き込んでいます。ご飯を食べたらすぐ、忘れないうちに。食べたものを簡単に箇条書きするだけです。

    画像: 家計簿のその日の欄に、朝昼晩の食べたものを書いておきます。この週の夕食は毎日湯豆腐ですね

    家計簿のその日の欄に、朝昼晩の食べたものを書いておきます。この週の夕食は毎日湯豆腐ですね

    1日で栄養をとろうと思うと無理なので、1週間単位で考えるようにしています。時々このメモを見返して、「今週はタンパク質が不足しているから、魚や肉を食べた方がいいな」と、気づいたことは意識して改善するようにしています。

    メモする習慣のおかげで、なんとか記憶力不足を補えていると思います。

    画像: 忘れないように「何でもメモをとる」

    本記事は『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』(すばる舎)からの抜粋です

    〈撮影/林ひろし〉


    多良美智子(たら・みちこ)

    昭和9年(1934年)長崎県生まれ。55年前、神奈川県の現在の団地に引っ越す。7年前に夫を見送り、以来ひとり暮らし。昔から、お金をかけず家を居心地良くする工夫が大好き。読書や裁縫、映画鑑賞など「ひとりで過ごす時間」をこよなく愛する。65歳で調理師免許を取得、簡単でおいしい料理作りを楽しむ。そんな日常を2020年、当時中学生の孫が動画に撮り、「Earthおばあちゃんねる」としてYouTubeにアップ。またたく間に人気チャンネルとなり、登録者数が14万人を超える。最多再生動画は220万回超。「こんなふうに年をとりたい!」の声が殺到している。

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    『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』(すばる舎)|amazon.co.jp

    『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』(すばる舎)

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    87歳の今も、50年以上住む古い団地で、ひとり暮らしを続ける多良美智子さん。長年かけて、居心地良く整えてきた部屋で、「最期まで過ごしたい」。そのために、健康に気を遣った暮らしや、何気ない日々の楽しみ、ひとりでできる趣味もたくさん。

    年をとり、できないことが増えるのは仕方ない。できることを大いに頑張り、楽しもう――。そんな前向きな姿勢が、孫の撮るYouTube「Earthおばあちゃんねる」で大反響を呼び、あっという間に登録者数6万人に。この本では、「今が一番幸せです」と言いきる美智子さんの、生き方の秘訣を大公開。希望に満ちた「ひとり老後」を迎えたい方への指南書です。



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