台湾的暮らしのアイデア1
ぬるい水をちょこちょこ飲む

最近は日本でもコンビニで常温の水が売られていたり、給水サービスをしているところも。こまめに水を飲もう
〈撮影/青木由香〉
水は常に持ち歩き、呼吸をするようにちょこちょこ飲む。夏なら常温の水、冬ならお湯。
風邪を引いたら、まずお湯を飲めと台湾ではよく言う。漢方医は、普段からとにかく「喝水(水を飲め)喝水」と言う。足裏マッサージでも「水が足りない」は決まり文句。コンビニも必ず常温の水がある。
ポイントは水=水分ではないこと。味があってはダメ。無糖のお茶も水を飲んだことにならない。
体の循環には水。その際、胃を痛めるから、ガブ飲みは禁止。快便&肌つるつる。もういいことしかない。
台湾的暮らしのアイデア2
女性は体を冷やさない。漢方の考えを意識して生理期間だけでもやってみる

冷たいものだけを意識しがちだけど、実は色々ある。最近は本も多いので見てみよう
〈撮影/衛藤キヨコ〉
漢方では、生理の前と最中に体を冷やすものを摂るのはタブー。生理痛がひどくなるし、冷やさなければこの時期に子宮の中をきれいにデトックスできるという。
台湾人女性ならその教えを頑なに守る。日本人がやりがちな、生理中の冷え冷えビールはもっての外。そばに台湾人がいたら羽交い絞めにされる行為だ。ビールを熱燗にしたってダメ。こればっかりは、温度の問題ではない。
麦自体が、体を冷やす食材なのだ。その原理で熱々の緑茶もダメ。カニ、エビ、貝が、煮えたぎる鍋に入っていてもダメ。
とりあえず生理期間だけ、タブーを守ろう。ネットで調べてやるのだ。痛み止めの薬を飲む前に。
台湾的暮らしのアイデア3
生活に電鍋(デェングォー)を取り入れる

電鍋用にも使える蒸籠があるとさらに便利。蒸し料理を覚えると手軽にできる料理の幅が広がる
〈撮影/衛藤キヨコ〉
蒸気の力で米を炊く炊飯器「電鍋」を台湾人のように炊飯以外に使う。
火の番要らずで、煮込みや蒸し料理も手放しで、他のことを進められる。直火の調理と違って蒸気で包まれた加熱方法でスープを作ると、水の対流が小さく濁りのないクリアな出汁が取れる。蓋を開けて加熱すれば温度が上がり過ぎず、出汁パックでも最高の出汁が取れる。
野菜を茹でずに蒸せば、ビタミンの流出が防げ、温め直しも、蒸気を含んで電子レンジより冷めにくくふっくらと、断然おいしい。
本記事は『暮らしの図鑑 台湾の日々』(翔泳社)からの抜粋です
〈文/青木由香〉

青木由香(あおき・ゆか)
神奈川県生まれ、台湾在住。2005年に台湾の出版社から出版した『奇怪ねー台湾』がベストセラーに。2011年よりJFN系ラジオ『楽楽台湾』のパーソナリティを8年務める。現在は、「ほぼ日」の連載『台湾のまど』や各メディアで大好きな台湾を日本に紹介している。『奇怪ねー台湾』『台湾ニイハオノート』『好好台湾』『最好的台湾』『台湾のいいものを持ち帰る』など著書多数。2015年台北に台湾のいいもの、日本のいいものを紹介するショップ&ギャラリー「你好我好」をオープン。
インスタグラム:@taiwan_aokiyuka・@nihaowohaostore
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力まず、無理せず、心地よく。台湾の暮らしの「いいところ」を集めた1冊。台湾のかわいいもの、おいしいものをたくさん紹介し続けてきた青木由香さん。長年台湾に暮らし、生活の隅々を体験してきた青木さんに台湾で過ごす日々や、暮らし方のよいところを教えていただきました。
観光に行って見て回るだけじゃない、日本で暮らす私たちが真似したい、心地よい台湾の暮らし方。衣食住から、人との接し方・関わり方まで、AtoZでご紹介します。