(『天然生活』2020年11月号掲載)
コツは柔軟に空間を使うこと
ハギヤマジュンコさんは夫婦で設計された家に住んでいます。
ワークスペースは、ダイニングテーブル。朝9時、仕事道具一式をそろえたら、スタートです。
「以前は電車で通勤していましたが、子どもができてからなるべく近くにいたいと思うようになって、自宅で家づくりのカウンセリングを始めました。
専用のデスクがあるとつい熱中して、夜遅くまでやりかねない。ダイニングは絶対片づけなければならないから、オンオフが切り替えられて、私にはちょうどいいんです」
ハギヤマさんは、実はもともと片づけが苦手。だから小まめに模様替えし、使い勝手よく改善しているそう。
仕事道具はキッチンのパントリーに収納しています。
「いろいろ試した末、出し入れしやすいここが定位置になりました。キッチンにパソコンを置くって違和感があるかもしれませんが、急ぎのメールもさっとできて、やってみるととても便利。
パントリー=台所の収納と決めつけず、柔軟に空間を使うことが快適に暮らすコツ。ワークスペースも同じ、日中使わない子ども部屋を使ってみるとか、季節によって気持ちいい場所って違うから夏はここで仕事しようとか。考え方を変えるだけで、自分らしく使えるスペースがつくれると思います」
楽しく働く環境づくりのヒント1
急ぎのメールは場所を選ばずに
仕事は9時から16時半まで、土・日は休みと決めているハギヤマさん。
急ぎのメールだけ、立ったままさっと。
「オンオフを切り替えるためにも時間外は作業しないのですが、明日は明日の仕事があるので、さっとできることだけ。キッチンなら夕食のお鍋をかけながらできるので便利です」
夫のリモートワーク中は子ども部屋で仕事をしたそう。状況に応じて、どこでも身軽に。
楽しく働く環境づくりのヒント2
仕事道具は1回で運ぶ
細々としたものはトレイや取っ手付きのボックスにまとめて、仕事道具をテーブルまで一度で運べるように工夫。
最初のころは何度も行き来して、時間を使ったそう。
「ギリギリまで仕事していても、使った小物をボックスにざくざくしまって、パソコンに乗せれば片づけ完了。限られた時間を仕事のために目いっぱい使えます」
楽しく働く環境づくりのヒント3
その日やることはノートにまとめる
スケジュール帳とノートの2冊を使い分けて予定を管理。
「ノートには仕事の予定はもちろん、子どもの持ち物、日用品の補充など、その日やることは何でも書き出しておきます。日記みたいにその日の出来事を書いたり、切り抜きやチケットを貼ったりも」
忙しい毎日のなかで、仕事と家族どっちも大事にするための工夫です。
ハギヤマジュンコさんのオンオフのつくり方
暮らしのなかに自分時間をつくる
仕事終了は16時半。アラームを16時にセットして集中。
昼食の間は、仕事に関する資料やパソコンは触らず、テレビやSNSをチェックする自由な時間に。
「以前は通勤時間がオンオフの切り替えになる、私の自由時間でした。最近は、子どものお稽古の送り迎えが、大事な自分時間。子どもを待つ車中で読書やSNSを楽しんでいます」
〈撮影/伊藤信 取材・文/宮下亜紀〉
はぎやま・じゅんこ
一級建築士、整理収納アドバイザー。お家づくりカウンセラーとして間取り相談を行う。夫と娘、犬3匹と大阪暮らし。https://cocoti-yoi-kurashi.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです