巷ではミッフィームーブメントが起きているのかしら!?
買い物をしていると最近、やたらとミッフィーグッズを見かけます。
何を隠そう私は子どもが産まれてからというもの、ミッフィーちゃんにすっかりハマってしまい、子どものものは特にミッフィーモチーフにしてしまっている人間なのです。
そんなミッフィーチェックを怠らない私が言うのです。雑貨屋さんに置いてある数が明らかに、圧倒的に増えています。
これはもしやSNS界隈で、何かがバズったとか、ズバッたとかそういうやつかしら? 私が全くそこらへんをやらないものだから知らないだけで、巷では何かのミッフィームーブメントが起きているのかしら!?
そんなことを考えながら歩いていると、またミッフィーちゃんに出会うという現象。お財布の紐が緩みっぱなしになってしまうじゃないか。かわいい顔して危険なうさぎだよ。
そんなことを思いながら1週間が経ち、2週間が経ち、ある日ハッ!と気付いたのです。
「今年、うさぎ年だ……」
なぜ私は気付かなかったのでしょう。うさぎ年だからミッフィーちゃんが前面に押し出されているのです。ミッフィーちゃんはうさぎですもの。
こういう当たり前のことにスッと反応できなくなっている自分に気がつきます。昔の私ならピンときたはずなんです。これは老化というやつなのかしら。
そういえば、先日も目玉焼きをつくろうとして、シンクにたまごを割って、フライパンに殻を入れていました。
似たようなことだと、青汁をつくろうとスティック状の袋を切って中の粉をゴミ箱に入れて、空になった袋をコップにトントンした時に「あ! 中身捨てちゃった!」と気付きました。
捨て犬だと近づいたらコンビニの袋だったり、お米を何合入れたのか計り終わってすぐに忘れたり、アイドルの名前はおろか、顔すら区別がつきません。なんなら、一回座ったらスッと立てません。「どっこいしょ」しないと立てません。
「うさぎ年だから、今年はうさぎのように飛躍する年にしたいです。」なんて言っていましたが、そんな脚力ないじゃないか。その前にスクワットして足腰強くしないとダメじゃないか。
いきなり跳べない年齢なのです。跳ぼうとしたらアキレス腱切ったりするのです。スクワット、脳トレ、指差し確認、大事なものは首から下げる。これを徹底したい。
そんな一年にしようと思って、なんてしょっぱい一年なのよ。と、憤怒しました。
老化対策も大事だけどルンルンとした気持ちも持ち続けていたい。そうか。そんな私のために、ミッフィーちゃんは存在してくれていたのか。ミッフィーちゃんがいるかぎり、私のルンルンは消えないのだわ。
店先で前面に押し出されたミッフィーちゃんを見ながら、そんなことを思いました。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。