(『天然生活』2021年5月号掲載)
心と体にいいものを毎日、無理なく少しずつ
仕事柄、夕飯が夜10時を過ぎる日が多い猫沢エミさん。毎朝10時ごろ、朝昼兼用で食事をします。
「1日2食が基本です。夕方に少しおやつをつまみますが、それまでお腹が空かないよう、朝はしっかり食べるようにしています」
そんな猫沢さんの朝ごはんには、心と体を整える小さな工夫があちらこちらに。たとえば、ボリュームも栄養も満点の巣ごもり卵。
「冷凍庫に数種類のきのこを常備しています。朝、野菜をたくさん用意するのは手間ですが、これなら手軽に栄養バランスも整います」
一方、取材の旅やツアーなどに出かける日は、おむすびです。
「とくに、飛行機に乗る前は必ず。これを食べておけばOK、と安心できるお守りやおまじないのようなものです」
具だくさんの味噌汁には酒粕をひとさじ。このひと手間で、発酵のうま味とコクも加わります。
実は猫沢さん、常にご機嫌を保つよう心がけているそうです。
「機嫌が悪いと、周囲の人にも気を使わせてしまいます。気持ちよくフラットな心でいるためには、体調管理も欠かせません」
毎朝飲むカルダモンミルクは、その象徴的な存在です。
「これさえ飲めば大丈夫、という免罪符のような一杯です。材料も近所でそろい、無理なく続けられて、調子もいいなと感じられる。このくらいが私にはぴったりです」
野菜をたっぷり補給する、やる気チャージの朝ごはん

●巣ごもり卵(ピーマン、しめじ) ●バタートースト ●ドリップコーヒー
おおらかな絵つけのフランスの古いプレートに、幼いころ祖母がつくってくれた思い出の巣ごもり卵を。クミンとカレー粉で味つけし、「リーペリン」のウスターソースをかける。
発酵バターを塗った天然酵母パンのトースト、「ディモンシュ」のコーヒーと。
ここぞという日にはおむすびをお守りに

●自家製ちりめん山椒と梅干しの混ぜ込みおむすび ●酒粕入り味噌汁(十津川なめこ、ごま油で焼きつけた小なす、青ねぎ) ●六条麦茶
おむすびは、甘辛さと酸っぱさの組み合わせがお気に入りの定番味。
味噌は、その日の気分に合わせて田舎味噌や赤味噌などをブレンドし、800mLの水に対し酒粕を大さじ1~2杯入れて仕上げる。
立涌文様の盆は京都の古物屋で出合ったもの。
幸せな朝ごはんのお供
カルダモンミルク

「ファンケル」の冷凍青汁を豆乳で割り、アガベシロップとカルダモンパウダーをプラス。
「朝に飲むと調子がよく、4~5年続けています。カルダモンの香りで、さわやかにおいしく飲めます」
〈撮影/山川修一 取材・文/藤沢あかり〉
猫沢エミ(ねこざわ・えみ)
ミュージシャン、文筆家、映画解説者、生活料理人。2002年に渡仏し、2007年より10年間、フランス文化に特化した『BONZOUR JAPON』の編集長を務める。天然生活本誌にて「二度目のパリ季記」を連載中のほか、集英社web「よみタイ」などで連載中。著書に『猫と生きる。』(扶桑社)や『ねこしき~哀しいときもおなかは空くし、明日はちゃんとやってくる。』(TAC出版)など多数。近著は『イオビエ ~イオがくれた幸せへの切符』(TAC出版)。2022年2月から猫2匹を連れ、二度目の渡仏。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです