ガラスのボウルにつる植物を
草花が伸び伸びと力をみなぎらせる初夏。
生命力あふれる植物を、暮らしのなかで楽しめたなら……。
さりげなく、簡単に、初夏の植物を楽しむ方法を、東京・羽根木にある花と緑のアトリエ「maita」の布山瞳さんに教えていただきます。
初夏号である6月号の表紙を飾ったのは、涼やかなガラスのボウルに、つる植物のクレマチスをくるりとまとめた1枚。落ち着いた紫色の花と、水面に反射する光がとても美しいです。
キッチンのカウンターに活けたこちらは、花器にこだわらず、ふだん食事で使っているような器を使っても自然になじむそうなので、手持ちの少し深さのある大皿でも。
水量は、根元がつかっていれば大丈夫なので、たっぷり注ぐ必要はありません。
むしろ、葉がつかりすぎると濁りの原因にもなるので、適宜取り除くとよいのだそう。
くるりと巻いて、ぽんと置くだけなので、花を活けるのは苦手という方にもおすすめです。
紅茶の空き缶を利用して
紅茶の空き缶も、花器として楽しめる実例として教えていただきました。缶に直接水を入れず、中に水を入れるためのびんやプラスチックカップを入れましょう。
「初夏の川べりに揺れているような、気取りのないものを合わせました」という花材は、野草のような草花を組み合わせています。
いまの季節の草花は、「繊細に見えても力強さがある」と布山さん。たくさんの種類を束ねてブーケなどに仕立てるより、数種類でまとめた方が、植物の美しさが際立つのだそう。
ご提案のなかではこちらの3種が一番多く、ほかはどれも1種か2種。少ない花材でできるので、気軽に暮らしのなかに取り入れられます。
ほか、壁に吊るしたり、お手洗いの床に置いたり、階段の踊り場に活けたり……。
「空間別に花と緑を楽しむ方法」もご紹介しています。
今回ご紹介いただいた花と緑の楽しみ方は、どれも気負いなく暮らしに取り入れられるものばかり。
気軽に楽しんでいただけましたら幸いです。
※「malta」布山瞳さんの「暮らしになじむ、初夏の花と緑の楽しみ」は、『天然生活』2023年6月号、P.4~10に掲載されています。
<スタイリング/布山 瞳 撮影/徳永 彩 取材・文/福山雅美>
布山 瞳(ふやま・ひとみ)
東京・羽根木にて花と緑のアトリエ「malta」を営む。学生時代より、ファッションショーの開催をはじめ、舞台装飾に携わり、その後、パリスタイルのフラワーアレンジメントを学ぶ。
インスタグラム:@maisonmalta
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