(『天然生活』2021年6月号掲載)
遊び心のあるインテリアが、仕事の発想、創造力を高める
家でも家具でも、ほどよく年月を経たヴィンテージな雰囲気が好きだという麻生圭子さん。ロンドンでは、「ラスティック」という古びた飾り気のないインテリアスタイルに魅了されました。
「いつもその土地や家に合うかどうかで使うものを考えています。この湖畔の家にはラスティックなものが似合うので、いままでの古い家具や骨董の整理棚などでデスクまわりを整理整頓しています」
デスクには、小さな整理棚のほかに、日本の駄菓子屋のガラス容器を置き、毎日眺めるために大好きなイギリスの本をディスプレイしています。これもまた飾る収納のひとつです。
仕事の作業場を整然とすっきりクリーンに片づけるのではなく、古い家具や棚を活用して遊び心がある収納やインテリアにすることで、仕事の発想や創造力が高まるのかもしれません。
「センスよく雑然とさせるのってすごく難しい。いまも研究中です」
麻生圭子さんの整理整頓術
古きよきものでデスクまわりを整理整頓
「時を重ねたものが好きで新しい家具はありません」と麻生さん。
収納を兼ねた古きよきものに囲まれたロフト空間となっています。
茶箱や棚を活用して、インテリアになじむ収納
仕事机として使っているのは、30年以上前に買ったイギリスのダイニングテーブル。
日本の茶箱は仕事の書類箱、ロンドンで購入した白い紙製の椅子にはブランケットを収納、米国製のペール缶はごみ箱と、骨董をうまく収納に活用。
貼ったり仕分けたり。紙の混乱を避ける
仕事柄さまざまな資料があるので、必要な紙類はボードに貼ったり棚に仕分けたりしている。
間仕切りとしても使う棚は、両側から取り出せるように工夫。
差し込み式の小さな棚で郵便物を整理
机の上にある差し込み式の棚には、対応の必要な郵便物や書類を一時保管。
「処理すべき書類は目につく場所に置いて、すぐに片づけるようにしています」
〈撮影/竹田俊吾 取材・文/西川公子〉
麻生圭子(あそう・けいこ)
作詞家とて数々のヒット曲を手がけた後、エッセイストに。京都町家暮らし、ロンドン生活を経て、現在は琵琶湖のほとりの家に住む。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです