(『天然生活』2021年6月号掲載)
徹底するのは、使う場所としまう場所が近いこと
なぜ、家族が片づけをしないかといえば、キッチンやリビングは、お母さんだけが片づける場所や方法を知っている、ある意味では聖域と感じているから。
彼らなりに、「手を出さない方がいいのでは?」と遠慮している面もあるのです。まずは、そこを改善です、と石田さん。
「どこに何が入っているのかを把握しやすい状況にするのはもちろん、扉をつけない収納や、あえて出しっぱなしにしておくことで、みんなが片づける場所、片づけるべきものがわかりやすいようにします。まめに使うものは、出しっぱなしにしておくのもひとつの方法。わが家では、カトラリーやネイル類がそれに当てはまります。
徹底するのは、使う場所としまう場所が近いこと。そこが離れていると、片づけがつい面倒になって、そのへんに出しっぱなし、という状態が生まれやすくなります」
石田英子さんの整理整頓術
半歩で取れて片づけられるように
つい出しっぱなしにしてしまうのは、しまう場所が離れているから。それならば、収納場所を使う場所の近くにすれば、万事解決。
シンクの対面には、よく使う器を集めて収納
料理をして盛りつける、洗いものをして片づける。日常の器を収納する場所は、シンクや調理台の近くが正解。
「シンク背面に、カップも入れられる深めの引き出しを配置しました」
一時置き場をつくり、カトラリーを取り出しやすく
食事のたびにカトラリーを出し入れするのは面倒なので洗ったら一時置き場に。
「そのまま、次の食事にも使っていますね」
扉のない食器収納で出し入れしやすく
パントリー内の食器棚は扉なし。
「忙しいときの扉の開け閉めは、おっくう。ワンアクションで出し入れできるように」
動線に沿って掛けるだけ収納
娘さんの部屋はフック収納。アウターを脱ぎ、バッグを外し……と進むうちに片づけが完了。無意識にできるのがポイント。
〈撮影/有賀 傑 取材・文/福山雅美〉
石田英子(いしだ・えいこ)
オリジナルデザインの家具や雑貨を取り扱うインテリアショップ「イデーショップ ヴァリエテ」柏店で店長を務める。2児の母。
webサイト:https://www.idee.co.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです