• 編集者・ライターの一田憲子さんが愛用する古い木箱と、取材先で知って使うようになった映像出力機器についてのお話。新旧が混ざり合う生活空間は、新鮮味が生まれるものなのかもしれません。
    (『明るい方へ舵を切る練習』より)

    古い木箱と新しい機器

    わが家の食卓は、伊勢型紙を作るのに使う大きな作業板を、木製のりんご箱2つの上に渡したもの。17年前にこの家に引っ越してきたとき三重県亀山市にある而今禾(Jikonka)さんのお店で商品を並べる展示台として使われていたものをいただいてきました。

    画像: 撮影 一田憲子 食卓は、木のりんご箱を両端に置いて、伊勢型紙の作業台に使われていたという大きな板をのせたもの。掃除をするときは、座布団をすべて板の上にあげてから。

    撮影 一田憲子
    食卓は、木のりんご箱を両端に置いて、伊勢型紙の作業台に使われていたという大きな板をのせたもの。掃除をするときは、座布団をすべて板の上にあげてから。

    毎日私はここでご飯を食べ、ときには撮影をしたり、打ち合わせをしたり、わが家で一番大事な場所です。その脚となっているりんご箱の木が割れて、釘で止めても止めてもパカッと開くようになってしまいました。

    そこで、インターネットで探しに探し、青森のりんごを販売している業者さんから古い木箱を買いました。以前使っていたものより新しいけれど、新品ではないから、わが家にほどよく馴染んでくれました。

    そしてもうひとつ、わが家に来たものが、Fire TV Stick(ファイアーTVスティック)です。え? 今ごろ? と驚かれるかもしれませんが、これは、メカに奥手の私が取材先で教えていただいたもの。Wi-Fi(ワイファイ)がつながっていれば、テレビにつないで、「YouTube(ユーチューブ)」や「Netflix(ネットフリックス)」「Amazon プライム・ビデオ」などのコンテンツが楽しめるというもの。

    これまでも知ってはいたけれど、「そんなに見ないし」と思っていたのでした。が、「仕事以外のことも楽しむキャンペーン中」のワタクシ。テレビ画面でいろんなものを見たり、聞いたりできたらいいかも、とエイッと買ってみたのでした。

    完全には使いこなせていないけれど、ユーチューブをチェックしたり、NHKオンデマンドで古い番組を見たり、と楽しんでおります。古い木箱の食卓で、新しい機器を使って暮らしを楽しむ。古くて新しい、なんだか不思議な毎日です。

    本記事は『明るい方へ舵を切る練習』(大和書房)からの抜粋です


    一田憲子(いちだ・のりこ)
    1964年京都府生まれ兵庫県育ち。編集者・ライター。OLを経て編集プロダクションへ転職後、フリーライターに。暮らしまわりを中心に、書籍・雑誌で執筆。独自の視点による取材・記事が人気を得ている。『暮らしのおへそ』(主婦と生活社)では編集ディレクターとして企画・編集に携わる。著書多数。近著に『人生後半、上手にくだる』(小学館クリエイティブ)、『もっと早く言ってよ。50代の私から20代の私に伝えたいこと』(扶桑社)がある。

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    『明るい方へ舵を切る練習』(一田憲子・著/大和書房・刊)

    『明るい方へ舵を切る練習』(一田憲子・著/大和書房・刊)

    『明るい方へ舵を切る練習』(一田憲子・著/大和書房・刊)

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    ほんの少し、考え方の方向を変えるだけで、幸せな今日がやってくる。ままならないことも多い日常を、いかにして機嫌よく乗り切っていくか。「暮らしのおへそ」編集ディレクター・イチダさんが、一年を通して暮らしの中での発見と工夫を綴った実践録。



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