(『Life Closet』より)
明るいカラーで年齢に負けない
鮮やかなブルー、グリーン、黄色など、70代になってから、明るい色の服を着るようになりました。色の力って、本当に不思議です。どんな色の服を着ているかで、その日の気分がガラッと変わってしまうから。
実際に、私にもこんな経験がありました。50代の約2年間、暗い色の服だけを着て過ごしてみたのです。そうしたら、仕事に対するヤル気だけでなく、生きる気力までどんどんうせていってしまって…。色のパワーをあなどってはいけないと、身をもって実感させられました。
エネルギーがありあまっている若い人ならいいけれど、体力や気力が衰えていく年齢になった自分が、毎日暗い色の服を着ているのは危険だと。それ以来、努めて明るい色の服を着るようにしています。
ここぞというときのテーマカラーは黄色
ちなみに、ここぞというときの私のテーマカラーは黄色です。洋服でもバッグでも、どの色にしようかと迷ったときは必ず黄色を選びます。
気学で言うところの五黄土星の生まれだからというのもひとつの理由ですが、黄色の服を着ると顔つきが明るく見えて、「西さん、いつも楽しそうですね」と、周囲の人たちの気持ちまで明るくしてくれるから。
私が明るい色の服を着ることで、周りの人までハッピーになれるなら、こんなに素敵なことはありません。ピンクでもブルーでも、「どんとこい!」です。
気分が落ち込んでいるときは靴下に明るさを取り入れて
毎朝、その日の気分で服を決める私ですが、どうしても気分が落ち込んで明るい色の服を選べない日もあります。とくに顔の近くに明るい色を持ってくると、色にあてられてしまうことも。そんな日は靴下を明るいものにすると、ちょうどいい距離感になります。
※ 本記事は『Life Closet』(扶桑社)からの抜粋です
〈撮影/山川修一、山田耕司〉
西 ゆり子(にし・ゆりこ)
◇ ◇ ◇
70代の現役スタイリストとして活躍する西ゆり子、初のフォトエッセイ。 幼いころから今に至るまでの服へのこだわりや、服を選ぶときの考え方、人生の喜びや悲しみとともにあった服のことなど、「服」と「生き方」にフォーカスした44篇を収録。
今日着る服は、今日選ぶ。それが私のやり方です。朝起きて、雨がしとしと降っていたら、水たまりなど気にせずに雨を楽しめる装いで出かけたい。――また、真っ青に晴れ渡った空に爽やかな風が吹いている日は、自然と新しい服を着たくなります。どこかに飛んでいきたいと感じるような風になびくデザインで、陽の光に映える色の服を着て出かければ、一日中、ワクワクして過ごすことができると思うから。(本文より)