• 66歳で、家と人生をセルフリノベーションした麻生圭子さん。難病(若年発症型両側性感音難聴)をきっかけに作詞家からエッセイストに転身し、琵琶湖畔での暮らしが始まりました。麻生さんが琵琶湖の美しい風景をみて思うことを紹介します。
    (『66歳、家も人生もリノベーション』より)

    琵琶湖の小さな物語

    湖水の碧と空の青、水田の緑、それが水平に重なり広がってく。

    海と違い、湖はすぐそばまで水田を作れます。水田と湖が寄り添う姿は、世界に誇れる風景だと、私は思っています。琵琶湖畔に住んで8年目。本当に美しい。

    画像1: 琵琶湖の小さな物語

    イギリスの田園風景に通じるものがあるような気がします。疲れているときに眺めていると、心の澱(おり)が洗い流されていく。そんな、大げさな、と思うかもしれませんが、ここに住む友だちは頷いてくれる。

    とにかく広いんですよ。北海道を除けば、こんなにまっすぐな風景が続くのはここだけだと思います。遮るものがない。琵琶湖の西のほとりからは、東の果てに鈴鹿山脈が見えるほどです。

    西も北も南も山につながる。そうなんですよ、広大な盆地(広義)なのです。琵琶湖を含めて、近江盆地と呼ばれています。

    広さは東京23区とほとんど同じ。あと淡路島もそうらしい。

    琵琶湖の広さに1000万人近くが住んでいると思うと、尋常じゃないなと思う。住んでいると麻痺してしまいますよね。私がそうでした。

    京都に遊びにくるときがあったら、琵琶湖まで足を延ばしてほしい。京都駅から湖西線の大津京駅までたった10分。うちの最寄り駅は、そこから25分くらい北上、時間によっては駅員のいない、のどかな駅です。

    ここからとなり駅までの湖畔の道はパノラマです。

    初夏なら水田、秋は稲穂に湖が重なる。近江だけの水田風景、田園風景。

    画像2: 琵琶湖の小さな物語
    画像3: 琵琶湖の小さな物語

    ときどき杖をつきながら、チワワと散歩しているおじいさんを見かけます。チワワは足の悪いおじいさんに歩みを合わせている。

    それを見ると思うんですよね。私も一生に一度くらいは犬と暮らしてみたい。

    ここを犬と毎日、散歩してみたい。琵琶湖に寄り添いながら、犬や猫とおたがいに助け合いながら生きていく。パノラマの人生が見えてきます。

    画像4: 琵琶湖の小さな物語

    本記事は『66歳、家も人生もリノベーション』(主婦と生活社)からの抜粋です


    麻生 圭子(あそう・けいこ)

    作詞家として数々のヒット曲を手掛けたのち、、聴力が衰える病気「若年発症型両側性感音難聴」が深刻化し、エッセイストに転身。京都町家暮らし、ロンドン生活を経て、2016年より琵琶湖のほとりに住む。2023年11月『66歳、家も人生もリノベーション』(主婦と生活社)を発売。

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    『66歳、家も人生もリノベーション』(主婦と生活社)|amazon.co.jp

    『66歳、家も人生もリノベーション』(主婦と生活社)

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    80年代アイドル曲の作詞家からエッセイストへ、転身のわけは、難病(若年発症型両側性感音難聴)の進行。そして、人工内耳を入れたいま、66歳にして、音とともに新たな人生が始まりました。

    麻生圭子さんの軽やかで清々しい言葉で綴られた、新しい人生のための再構築についてのエッセイ集。

    古い小屋を夫婦でセルフリノベーションして自分に素直に、自由な気持ちで。まさに、家も人生もリノベーション! これから先の人生を愉しむヒントになるはずです。



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