(別冊天然生活『暮らしのまんなか』vol.38掲載)
苦手な片づけが、かごとフックのおかげで楽しく続くように
滋賀県の住宅街に、夫の勝幸さん、5歳の茉歩ちゃん、4歳の芽依ちゃんと暮らす、会社員の梶原敦子さん。
長女の茉歩ちゃんの出産と同時期にでき上がった、いまの住まい。SNSでおしゃれな家や収納上手の家を見ては、自分の家にも取り入れようと試行錯誤していたといいます。
キッチンの棚に花や絵を飾ってみたり、ファイルボックスを並べてみたりしても、小さな子どもとの暮らしでは余計に手間がかかってしまう。そんなとき訪れた福井県の生活雑貨店「mikke」で、かごと出合いました。
「商品を入れて置いてあったり、壁にかけてあったりする様子が暮らしのイメージとつながってワクワクしました。慎重な私が、とくにサイズも考えず、大小6個を衝動買い(笑)」
置いてみたら、どこでもなじみ、不ぞろいでもそれが表情になる。ぽんぽん放り込めるのも気楽です。
「かごの自由さに私の心も自由になりました。だれかのまねをしなくても、わが家の心地よさが一番」
そんななか、梶原さんのもうひとつの相棒となったのが、フック。
「引っかけることで、どこにでも収納場所をつくれて、気軽に変えられるのもいい」と目を輝かせます。
外にある理想からではなく、自分たちの心地よさを軸に整えていくと、苦手だと思っていた片づけや収納が楽しくなり、目の前の日常をいとおしく感じるようになりました。
サステナブル=持続可能な収納のルール4つ
持続可能な収納のルール_01
動線上に置く・吊るす
引き出しから出す・しまうという動作さえ、小さな子どもがくっついていると難しいことも。自分がイライラしないためにも、よく使う道具はさっと手に取りやすい場所に配置。
持続可能な収納のルール_02
触れたくなる道具を選ぶ
手に取りやすい場所に置く収納が多いので、日常的にちょこちょこ整えることは必須。触れて心地よい自然素材の道具なら、並べたり整えたりすることも楽しくなります。
持続可能な収納のルール_03
おおらかなかご収納
大きさや形がそろっていなくても、中のものが少々はみ出ていてもOK。「軽いから、使わないときは引っかけて収納して、また別の場所でも使えるのが、まさにサステナブル」
持続可能な収納のルール_04
家族を観察して微調整
目の前の家族の暮らしを観察して、調整し、使いやすくなるのが楽しいそう。「定位置は常に家族で共有することを心がけ、変更するときも、理由も含めて伝えるようにしています」
〈撮影/いとうしゅんすけ 構成・文/新沼涼子〉
梶原敦子(かじわら・あつこ)
長女の出産と同時に家を建て、夫、5歳と4歳の姉妹と4人暮らし。平日は会社員として働きながら、子どもとの日常や暮らしの道具について、インスタグラムやYouTube『家事と、子どもと、生活感と。』などで発信。2021年、北欧式整理収納プランナーの資格を取得。趣味は写真。
インスタグラム@ma.me_2347home
※ 記事中の情報は取材時のものです
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一田憲子さんが編集を手がける『暮らしのまんなか』vol.38。暮らしの実例12軒でお見せします。
1章は「自然とつながって暮らす」。いつものキッチンの水道の下に、大きな海がつながっているとしたら……。そんな視点で暮らしを点検したら、洗剤の選び方や、器の洗い方が変わってくるかもしれません。ちょっとした「意識」の変化をきっかけに、自然とつながって暮らすことを選んだ、3人の暮らし方を紹介します。
2章は「私時間を過ごすリビング」。忙しい毎日のなかでは、家事や育児に追われていつの間にか「私自身」が迷子になりがちです。そんなときは、一番多くの時間を過ごすリビングを見直してみませんか? 本をじっくり読んだり、刺しゅうをしたりすれば、大事なものを思い出すことができそうです。
3章は「サステナブル=持続可能な収納」。あれこれ収納グッズをそろえて、部屋を片づけても、1週間もしたら、またごちゃついて……。収納で一番大事なことは、サステナブル=持続可能であるということ。「私でもできること」を見つけ、長持ちする収納システムをつくってきた、5人を取材しました。