(『天然生活』2022年11月号掲載)
“口角を上げてにっこり”を習慣に
幸せをキャッチするためには、その受け皿である自分自身を整えておくことも大切だといいます。
「まずは自分が健康で、元気でいること。難しいことや辛いことは続けられないので、楽しみながら日常にちょっとプラスできるくらいのことがいいですよね。自分が健康で幸せだからこそ、やりたいことを広げていけるし、人にも手を差し伸べられるのだと思います」
整えたいのは、体だけではありません。モヤモヤを取り除き、心を健やかに解放して風通しをよくすることも、心がけています。
「思ったことは我慢せず、ため込まないうちに口に出したいですね。人にぶつける必要はないんです。悲しい、痛い、つらい。そんなネガティブな感情も、思い切り出してしまえばパッと切り替えて引きずらずにいられます」
あとは鏡をのぞいて、口角を上げてにっこり。これなら、いますぐ始められそうです。
幸せのマイルール
やりたいことをやるために健康でいる
ものごとを楽しむための一歩は、健やかな体があってこそ。そのためにも、「これいいよ」と聞けば気軽に取り入れ、いまの自分に合うものにアップデートしています。
「楽しいお仕事も遊びのお誘いも、元気がないと無理かな、って思っちゃいますよね。続けているのは、どれも気軽にできる簡単なことばかり。いまの自分をちょっと底上げしておけば、ここぞというとき『よし! 』と思えます。ワクワクするものに出合ったときに、突き進める自分でいたいです」
幸せのマイルール
流行も意識しながら、サイズの合った服を着る
ちょっとウエストのゴムがもたつく、袖口がフィットしない。そんな小さな違和感を見過ごさないという引田さん。
「ゴムを入れ替えたり、ボタンの位置を付け替えたり。少し気になる部分があれば、自分のサイズにお直ししてもらいます。これぞ! という着心地のアイテムは色違いでそろえることも。シャツだって、ゆったりかジャストか、何がよいかは流行や気分で変わります。いまの自分にしっくりくるベストな着心地も、ご機嫌につながると思うんです」
幸せのマイルール
鏡を見るたびににっこり笑顔
寝室や洗面台など、鏡の前を通ったときは意識してにっこり笑顔を習慣に。
「撮影をしていると、掃除やお皿洗いのシーンでも『笑ってください』っていわれるんです。試しに普段通りの表情でやってみると、なんだかつまらなそうな顔。日常生活って、意外と笑っていないのだと撮影を機に俯瞰してみることができました。それ以来、普段から笑顔を心がけるようにしています。鏡を見たらにっこり、と自分でルールを決めて、日頃から笑顔の練習です」
幸せのマイルール
私のワクワクを最優先
「子育てを終え、還暦を過ぎたころから、自分のすべきことはひと通りやってきたと思えるようになりました。いまはスイッチを切り替えて、私のワクワクを最優先に。アクセサリーも子育て中はシンプルなものが中心でしたが、そういえばキラキラしたものが昔は好きだったなと思い出したんです。手にすると、やっぱり気分が上がりますし、目に入るたびに幸せな気持ちになれます。自分を優先すると決めるだけでもいいんです。そうできることに幸せだと思えます」
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<撮影/山田耕司 取材・文/藤沢あかり>
引田かおり(ひきた・かおり)
夫の引田ターセンとともに、東京・吉祥寺の「ギャラリーフェブ」とパン屋「ダンディゾン」を営む。居場所をパワースポットにするような生き方、考え方にもファンが多い。日常にある自分の幸福を見つけるためのヒントが詰まった最新エッセイ『青空 そよかぜ 深呼吸』(大和書房)も好評発売中。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです