(『天然生活』2021年3月号掲載)
春の訪れとともに感じる、日々の中の大切なこと
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
いまから15年以上前、初めての著書を出してからは、たちまち忙しくなり、取材や書籍の依頼が殺到。でも、家のことに手を抜きたくなかったので、睡眠時間を削って、「ちゃんとしなくては」とがんばっていたそうです。
「だんだん体が疲れてきて、これはまずいなと思って。私にとって一番大事なのは、家族と幸せに暮らすこと。それがなにより大切だから、身の丈に合わないことはやめようと決めたんです」
ゆったりしたペースになるからこそ、窓の外の枝に新芽が出たことにも気づくことができます。
「ここに引っ越したばかりのころ、片づけに追われてしまって……。部屋の中が段ボールで埋まっていても大丈夫だから、ちょっと外を見るようにしようって思ったんです」と語ります。こんなふうに、歳を重ねるにつれ、少し力を抜けるようにもなってきたのだとか。
淡い色の春の花。さっぱりと洗濯したクッションカバー……。内田さんにとって季節の変わり目は、本当に大切なものに気づくため、自分のアンテナの感度を確かめる時なのかもしれません。
内田彩仍さんの春にやりたいこと
会えない友人に花見代わりの贈りものを
毎年3月に「春のお茶会」と称して、友人を家に招いていたそう。お互い忙しくて都合がつかない年は、代わりに「春の花」を感じる贈りものを準備。
「箱が花柄やピンクのものをそろえてみました」
カードや造花も添えて、晴れやかな気持ちを届ける。
気持ちいい新緑の中をのんびり散歩する
春の芽吹きを感じる頃によく訪れていたのが、近所の県立公園。山頂までの遊歩道をゆっくり歩くと、刻々と変わっていく四季折々の自然を感じることができる。
「シロツメクサやドクダミの花が一面に咲く様子もとても素敵で、いやされるので、今年も楽しみです」
<撮影/大森今日子 取材・文/一田憲子>
内田彩仍(うちだ・あやの)
福岡県に夫、愛猫と暮らす。ていねいな暮らしぶり、センスある着こなしが人気を集める。近著は『変えること変わらないこと』(主婦と生活社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです