• あらゆるものの価格が高騰しつづけるいまこそ始めたいのが、「暮らしのむだを洗い出し、省くこと」。大事な家計を守るだけでなく、エコにもつながり、いい循環を生み出すヒントをご紹介します。今回は、節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さん「光熱費の工夫」について伺います。
    (『天然生活』2022年8月号掲載)

    「暮らしの無駄」見直しチェックリスト 

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    日々の習慣が、思わぬむだにつながっているかもしれません。毎日を振り返り、当てはまるものがないか、確かめてみましょう。

    生活編

    □ 温かみのある白熱灯が好きだ

    □ エアコンは節電のためにこまめに消している

    □ 炊飯器の保温機能は毎日使っている

    □ 量にかかわらず、鍋で野菜をゆでる

    □ うっかり鍋を吹きこぼしてしまうことが多い

    □ 歯みがき中に水を流しっぱなしにしてしまう

    □ トイレは15年以上交換していない

    光熱費の工夫

    電気代とガス代の値上がりも顕著。とくに電気代は、昨年1月から30%も高くなっています。むだを省いて、資源も大切に。

    電球は白熱灯からLEDに切り替える

    画像: 電球は白熱灯からLEDに切り替える

    節電に効果的で、気軽にできるのがLED照明への切り替え。照明は、家庭での年間電気使用量第2位。

    白熱電球からLEDに替えると消費電力が85%、蛍光灯からは50~70%も削減可能。

    しかも寿命が長いので、長い目で見ればお得です。

    年間:−2,440円(1日8時間使用)
    白熱電球→LED電球に交換した場合

    新電力へ切り替えてお得になることも

    画像: 新電力へ切り替えてお得になることも

    電力自由化で参入した企業から電力を購入すると、ポイントがたまったり、ほかのサービスや電気代自体の割引があったりする場合が。

    事業者が倒産しても、電力供給は供給元が引き継ぎ、止まることはありません。自分に合う事業者を探してみて。

    年間:−約10,000円(2020年の場合)
    電気代削減率平均9%(みんなでいっしょに自然の電気の場合、*1)

    エアコンは切らずにそのまま換気する

    画像: エアコンは切らずにそのまま換気する

    夏の換気は必須。真夏の日中12時間、30分に1回、5分間の窓開け換気をした場合、エアコンの電源を小まめにオン・オフしたときよりも、エアコンをつけたままの方がお得(ダイキン工業調べ)。

    短時間の換気は、窓を開けて行いましょう。

    ひと月:−1,371円
    こまめに切らない場合1日45.7円節約

    家電の保温機能はなるべく使わない

    画像: 家電の保温機能はなるべく使わない

    炊飯器、ポット、ウォーターサーバーなどについている保温機能。

    一定の時間、電気を熱に変えるので、実は消費電力が特に多く、電気代もかかります。

    炊飯器で保温せず、小分けにして必要なときに電子レンジで温めるなどして、節電を。

    年間:−306.6円
    炊飯器4時間の保温をやめ、電子レンジの活用で1回0.84円節約

    家の中でも1人1本マイボトルを

    画像: 家の中でも1人1本マイボトルを

    家族それぞれが、専用の保冷保温機能付き水筒を使い、1日過ごしてみましょう。冷蔵庫の開閉回数を減らせます。

    マイボトルを持つのは面倒な印象もあるかもしれませんが、コップを洗う手間とその水道代も減らせて、いいことずくめです。

    年間:−440円
    冷蔵庫の開閉回数・時間を適正にした場合

    便座のヒーターはまめにオフに

    画像: 便座のヒーターはまめにオフに

    暖房機能のついた便座は、暖房の温度を一年中そのままにせず、寒い季節以外はオフに。

    また、設定温度を低くするだけでも節電効果があります。

    熱を逃さないよう、使ったあとは必ずふたを閉じる習慣をふだんからつけておくとよいでしょう。

    年間:−1,550円(夏は不使用)
    便座ふたは閉じ、暖房温度を中→低に

    少量の野菜の下ゆでは電子レンジを活用

    画像: 少量の野菜の下ゆでは電子レンジを活用

    少量であれば、野菜はガスコンロやIHコンロを使ってゆでるよりも、電子レンジを使う方が短時間で済み、割安になります。

    野菜(葉野菜や果菜、根菜すべて)を電子レンジで加熱して下ごしらえした場合、月250円料金を減らせる試算も。

    年間:−3,000円
    ガス→電子レンジで野菜を下ゆでした場合

    湯が沸くまでの時間をタイマーで計ってみる

    画像: 湯が沸くまでの時間をタイマーで計ってみる

    煮込むときや湯を沸かすときに注意したいのが、長い加熱や吹きこぼし。その分、むだなガスや電力を使います。とはいえ、湯沸かしにかかる時間は意外と知らないもの。

    一度、家の鍋ややかんで湯が沸くまでの時間をタイマーで計り、把握して。

    年間:−638.75円
    中火で5分沸かしっぱなし→適切な時間で加熱すると1回1.75円の節約×1年

    出典(節約額)

    ・東京都『家庭の省エネハンドブック』2022、経済産業省 資源エネルギー庁Webサイト(https://www.enecho.meti.go.jp/)『家庭でできる省エネ』

    ・みんなでいっしょに自然の電気Webサイト(https://group-buy.metro.tokyo.lg.jp/energy/shutoken/home/) *1:40A・372kWh/月、自然の電気30%以上メニューに加入の場合。

    ・ダイキン工業Webサイト(https://www.daikin.co.jp/)空気と暮らし『空気のお悩み調査隊がゆく』、東北電気Webサイト(https://www.tohoku-epco.co.jp/)『省エネチェックシート』

    ・エネチェンジ(https://enechange.jp/)『ガス代を計算して節約しよう!』

    ・東京都水道局Webサイト(https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/)『水の上手な使い方』



    <監修/丸山晴美 構成・文/秋山香織 イラスト/カトウミナエ織>

    丸山晴美(まるやま・はるみ) 
    節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。著書多数。毎年監修を務める『節約家計ノート』(東京新聞)は、19年のロングセラー。中学生の息子の母でもある。https://www.maruyama-harumi.com/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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