(『天然生活』2021年10月号掲載)
「好き」に囲まれて暮らすための見せる・隠すのさじ加減
「かっこいいなと思うものを手に入れたら、ちゃんと使いたいんですよね」と話す石川博子さんの家では、よく使うものがオープン収納になっています。
キッチンの食器棚には、好きで買い集めてきた印判皿や作家ものの器が取り出しやすく並んでいました。食器はここだけに留まらず、階段箪笥の中などにも控えの器やお皿類が入っているそうです。
「最近使ってないな、と思ったら、食器棚のものと交換して、気分転換を図っています」と石川さん。
好きなものはそう変わらず、長年持ち続けているものばかりだけれど、ときどき入れ替えをしてみると、再び新鮮な気持ちで向き合えるようになるのだとか。
石川博子さんの収納の工夫
日々使うものは一目瞭然のオープン収納
死角を活用したり、個性的な家具や拾ったアイテムを使ったり、オープン収納にもさまざまな方法があります。
ものの配置は、ソファからの眺めで決める
家にいるときに大事にしたいのは、ソファでくつろぐ時間。
だからソファから見た景色が心地よくなるように、ものの見え方、隠し方を決めている。
食器棚は扉を外し、アクションを減らす
つくり付けの食器棚は、建て付けが悪くなったのを機にガラス扉を外したら出し入れが楽になった。
出番が多い器を並べているが、手前ばかりを使ってしまうため、ときどき前後を入れ替える。
正月に使うお重など、出番が限定されているものは吊り戸棚へ収納。
コンロ後ろの冷蔵庫に調理道具を
リビングから死角になる冷蔵庫の横を有効活用。
マグネットのフックを付け、コンロまわりで使う道具がサッと取れるように吊るしている。
お米は、残量をいつも認識できる場所に
階段箪笥の上の段差は、見せながらの収納にうってつけ。
お茶、薬などよく使うものの定位置に。お米はガラスジャーに入れると残量がすぐわかる。
海辺で拾ったアイアンをラックに活用
おそらく建築資材だったと思われる鉄の格子を壁にかけ、時計やアクセサリーを収納。
ワイヤーを折り曲げてフックにし、そこにかけている。
<撮影/有賀 傑 取材・文/石川理恵>
石川博子(いしかわ・ひろこ)
東京・恵比寿で生活まわりの雑貨店「ファーマーズテーブル」を営む。オンラインショップや公式YouTubeも展開中。インスタグラム@farmerstable_ebisu
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです