(『天然生活』2022年6月号掲載)
ニットもコートも、ていねいなホームケアで清潔に
しまう前のケアが洋服の寿命を左右します。板倉さんはなるべくクリーニング店に頼らず、時間をかけて自分できれいに洗います。
湿気は衣類の大敵。しっかり乾かすことがポイントです。
ニット
一度も着なかったものも含め、すべてのニットを洗濯機のドライコースで「しまい洗い」する。
「花粉や黄砂がおさまり、気温が上がって乾きやすくなる4月後半から、週末に3枚洗うのを目標に少しずつ洗います。ちょっといい洗剤を使うのがコツ。仕上がりが全然違います」
専用洗剤を使用する
すぐ着られるよう毛玉ケア
ニットが乾いたら「ザ・ランドレス」のセーターピールオフストーンで毛玉をとり、軽くブラシをかける。穴あきやほつれをみつけたらお直しへ。
平干しで形を整えて乾かす
縮みや形崩れを防ぐために平干しが基本。厚手のものはベランダに干し(右)、薄手のものは浴槽のふたにタオルを敷いて干すことも(左)。
コート
「肌にじかに触れない冬物コートはそれほど汚れないもの。クリーニングに頻繁に出すと生地がやせるため、2年に一度程度に。その代わり日々の手入れを重視します」
シーズン中は着用後、ブラシをかけて仮置きの場所で乾燥させ、コート用ハンガーにかけて翌朝クローゼットにしまう。
ブラッシングが大切
風にあてて湿気を取る
直射日光のあたらないベランダや窓際で風にあて、よく乾かしてからしまう。
ポーランド製のクロスドライヤーは、折り畳みができて便利。
襟元や袖口はタオルでふく
襟元や袖口の皮脂や汚れが気になるときは、水で濡らして固く絞ったタオルでふき取り、全体に抗菌スプレーをかける。
スカート、パンツ
ウールのスカートやパンツは、ニット同様に洗濯機で洗うか抗菌スプレーをかけてよく乾燥させる。
「ニットもそうですが、ウールは新しいものほど水をはじきやすく、洗い残しがあることも。洗剤をよく水に溶かし、その水が生地全体に行き渡って浸るようにするとよく洗えます」
抗菌スプレーでにおいと除菌対策
シワをとるときは、軽く霧吹きして手で伸ばしてなじませる。
「アイロンをかけるとピシッとなりすぎてしまうので。ほどよくシワが伸びます」
タイツやパジャマ
厚手のタイツや靴下はネットに入れて普通の洗濯ものと一緒に洗う。意外にかさばり収納に困るパジャマは春夏と秋冬で分けてかごに入れ、シーズンのものを上にしてベッドの脇へ。
半年に一度、かごの順番を入れ替える。
「偏愛アイテムの靴下は素材と長さ別にして引き出しに収納します」
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<撮影/林 紘輝 取材・文/熊坂麻美>
板倉直子(いたくら・なおこ)
島根県松江市のセレクトショップ「Daja」のオーナー。トラディショナルをベースにした自分らしい着こなしを提案し、支持を集める。著書に『大人のためのかしこい衣服計画』『頑張らないおしゃれ』(ともに主婦と生活社)。日々のコーディネートを紹介するインスタグラム@itakuranaokoが人気。天然生活とのコラボワンピースも好評。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです