• 年明けから、さっそくはじめている人も多い新NISA。この制度を活用すれば、これまで20%も課税されてきた投資の利益が無税になると知り、今まで投資に興味のなかった人も少しずつ挑戦しているようです。これまで、とくに投資など考えたこともなかったフラワースタイリストの平井かずみさん。マネーコンサルタントのゴロウさんのレクチャーを受けて、ようやく一歩を踏み出そうかというところですが……

    預金だけに頼った場合、金額は減らずとも“価値”が下がるケースがある

    画像1: 預金だけに頼った場合、金額は減らずとも“価値”が下がるケースがある

    NISAによる投資には、毎月決まった金額を積み立てる“つみたて投資枠”と一気にお金を入れる“成長投資枠”があり、主な投資方法は、株式と投資信託のふたつ。

    初心者であれば、個別の株式を選んで購入するよりも、“プロが利益の出そうな株式を集めてつくったバラエティパック”ともいえる投資信託の方がより安心感がある、ということまで納得した平井さん。

    とはいえ、どうしても怖くなってしまうのが、元のお金よりも金額が減ってしまう、いわゆる“元本割れ”のリスクなのです……。

     
    画像1: 平井

    平井

    銀行の預金だったら、少なくとも金額が減ることは、ありませんよね……

    画像1: ゴロウ

    ゴロウ

    その気持ちはわかります。

    ただ、1万円という“金額”は減らなくても“価値”が落ちてしまうことは十分、考えられるんです。

    ここのところ、いろいろなものが値上がりしているでしょう?

    いままで1万円で10個買えてたものが、8個しか買えなくなってきている。

    そうなると、ずっといまの金額のまま持ち続けることが、安心で正解かというと、ちょっとわからなくなってきているように思うんです。

    画像2: 平井

    平井

    たしかに。

    ただ、私たちの世代だと、リーマンショックやコロナショックなど、『株価が暴落!』のようなニュースの印象がとても強くて。

    一気にお金が減るリスクは、やっぱり避けたいんです。

    画像: NISAは早めに始めることで、暴落のリスクも乗り越えられる~50代こそ、いますぐ始めたい!平井かずみさんと一緒に学ぶ新NISA(3)

    このグラフを見ていただけますか?

    画像2: 預金だけに頼った場合、金額は減らずとも“価値”が下がるケースがある
    画像2: ゴロウ

    ゴロウ

    このグラフは、米国株と日本株のリーマンショック移行の株価推移です。

    平井さんのおっしゃっているリーマンショックもコロナショックも、たしかに暴落したのですが、長い目で見れば一時的な落ち込みであることがわかります。

    つまり、投資信託(=インデックス投資)は、日々上下はするものの、ずっと持ち続けていれば、むしろ相当な利益が得られることを、このグラフは表しているんです。

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    平井

    ついこのあいだと思える、コロナショックからの上がり方もすごいです……

    知らなかったです!

    画像3: ゴロウ

    ゴロウ

    ちなみに銀行預金をした場合と投資をした場合の利益の差を表すグラフはこちらです。

    投資信託(=インデックス投資)の平均的な利回りは、4〜7%ぐらいです。

    仮に、5%の利回りで月5万円を積み立てていった場合、10年で約180万円、20年で約860万円と、ここまで差がつくんです。

    画像3: 預金だけに頼った場合、金額は減らずとも“価値”が下がるケースがある
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    平井

    けっこう、差がありますね。驚きです。

    暴落を乗り越える対策。それは、長く持ち続ける精神力!?

    画像1: 暴落を乗り越える対策。それは、長く持ち続ける精神力!?
    画像4: ゴロウ

    ゴロウ

    ただ、注意することがひとつ。

    これはあくまで、“インデックス連動型の金融商品(投資信託)”を持ち続けた場合なんです。

    大切なのは、「一度買った投資信託(=インデックス投資)は、とにかく長く持ち続ける」ということ。

    価格が大きく下がっても、そこで慌てることなくグッとこらえて持ち続けるというのが大切で。

    むしろ、下がったときも、毎月定額で積み立てることで、株数を増やせるので、将来の利益が大きくなるのです。

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    平井

    このグラフ(米国株と日本株の株価推移)を見てもわかりますが、短期間だと上がるときもあればガクッと下がることもある。

    でも、長い目で見た場合には、基本的には右肩上がりになっている、と。

    画像5: ゴロウ

    ゴロウ

    まさにそうです。

    少し疲れてきたかもしれませんが、もうひとつだけグラフを見てください。

    このグラフは、保有した年数でのリターンの幅を示したグラフです。

    つまり、どんなによくないタイミングで投資しても、15年以上保有していれば、元本は割れないということを示しているんですよ。

    画像2: 暴落を乗り越える対策。それは、長く持ち続ける精神力!?
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    ゴロウ

    さらに、長く持つことが不安ではなくなる話をお伝えしますね。

    たとえば、平井さんがAという投資信託(=株式のパック)を買ったとしましょう。

    半年、1年と経つ間に、同じAでも含まれている株式の内容は、少しずつ変わっているんですよ。

    そのときどきによってパックの中身はプロが厳選して損のないように詰め替えて運用している。

    利益の低い株式は取り除いて、より利益を生みそうな株式を組み入れているんです。

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    平井

    パックの中身は、プロがどんどん入れ替えるから、できるだけ利益が出るように常に更新されているわけですね!

    画像7: ゴロウ

    ゴロウ

    だからある程度、信用して持ち続けても大丈夫。

    実はNISAでは、購入できる株式や投資信託の種類が絞られているんです。

    いわゆる、高リスクのものは含まれていません。

    大手の会社による、金融庁の審査を通過した、ある程度堅実なものがそろっているんですね。

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    平井

    なるほど!

    画像8: ゴロウ

    ゴロウ

    さらに、僕自身の考えとしては、どうせNISAを始めるなら、できるだけ早めをおすすめしたいです。

    長く持つことで利益を膨らませていくのが、安全な投資の基本ですから。

    だからこそ、新NISAは生活費とは別のところで余裕を持ってはじめることが大切。

    月々のつみたて投資枠は無理のない金額で、成長投資枠は、少なくとも当分は使わないで済むであろうお金を入れる。

    それをぜひ守っていただきたいですね。

    NISA初心者心得

    NISA初心者の心得をまとめてみました。

    NISA初心者心得

    ・ 金額は変わらずとも、お金の“価値”は変わっていく。今日の投資は、将来の物価高を乗り越える糧になると信じる。

    ・ 買った投資信託は、強い心で長く持ち続けると誓う!

    「投資って、もっとまめに売り買いするものだと思っていました」と平井さん。

    「長く持っている方がいいってことは、何もしなくていいってことでしょうか?」

    するとゴロウさん、「その通り! 一度買ったら、もう見ない方がいいくらいです(笑)」

    「日々、投資の損益は多少上下するのは当たり前。『50円下がった』、『80円上がった』と一喜一憂していたら、身が持ちません。まさに果報は寝て待て、の気持ちで、忘れちゃう方がいいんですよ」

     

    次回は、「知識はバッチリ!? 一緒につくろう、NISA口座」です。お楽しみに!



    <撮影/中川菜美 取材・文/福山雅美>

    画像1: NISA初心者心得

    平井かずみ(ひらい・かずみ)
    フラワースタイリスト。草花を身近に感じる「日常花」を提案。新たな出会いの場として設けた、東京・恵比寿のアトリエ「皓SIROI」では、花の教室やさまざまなイベントを開催。お金とは、感謝をしつつあっさり付き合うタイプ。インスタグラム(@hiraikazumi

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    ゴロウ
    会社員時代から独学で投資を続け、この春、満を持してマネーコンサルタントとして独立。「初心者の気持ちに寄り添う、できるだけ不安を抱かせない投資」をモットーとしたレクチャーが好評。パーソナルカウンセリング(個人相談)も受付中。インスタグラム(@goro.0816



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