春になると思い出す、幼いころの楽しかった時間
なかなか咲かなかった今年の桜ですが、ようやく咲きはじめると、近所の公園に行けるだけ行っては堪能してきました。
レジャーシートを広げて、おにぎりを食べたりコーヒーを飲んだりしているだけなのに、そこに桜があるだけで「ああ、なんかよいことありそうだなぁ。」と、気持ちが前向きになるので不思議です。
お花のパワーって凄いのかもしれない。そういえば聞いた話ですが、最近の研究で、植物も会話をしているということが分かったそうです。
例えば自分の葉っぱが虫に食べられると、「虫がいるから気をつけて!」なんてことを隣の植物と会話して、虫の嫌う液を出したりするんですって。
それを聞いて思ったんです。実は植物たちは「そこの人間、元気出して!」みたいなシグナルを出していて、私たちはそれを無意識に受け取っているんじゃないのかなぁ。
ちなみに桜がまだ咲いていない頃は、道端に咲いている野花を見て散歩していました。
私は見落としているのですが、2歳の娘は小さな花にも気づくようで、「これなんの花?」と聞いてきます。
そこで思い出したのが小学1年生の頃のこと。
「春を見つけに行こう」というテーマで野外学習に出かけると、辺りには「ヒメオドリコソウ」がたくさん咲いていました。
私は、ばあちゃんの田んぼのあぜ道でよく見かけていて、花の名前の由来もばあちゃんに教えてもらっていました。
ばあちゃん曰く、「お姫様がドレス着て踊っているみたいな姿だから、ヒメオドリコソウって名前なんだぞい。」
確かに重なる葉っぱがフリルのようで、上の方についている紫の小さい花は髪飾りのように見えました。
先生に「この花の名前知ってる?」と聞かれてその話をすると、先生が「是非みんなにも教えてあげて。」と言いました。引っ込み思案だった私はドキドキしながらその話をすると、
「ほんとだドレス着てる! くるくる回すと踊ってるみたいだよ! かわいい!」
クラスメイトがさまざまな反応で、すごく喜んでくれました。
ばあちゃんの知識から、みんなが色々な発見をして、それをクラス全体で共有して、どんどん想像を膨らませていく。
1人遊びばかりしていた幼い私にとって、その時間は大変甘美なものに感じられて、とっても嬉しかったのを覚えています。
そんな思い出のあるヒメオドリコソウ。
私は春が来るたびに、あの楽しかった時間をもう何十回と思い出しているんだなぁと幸せな気分になりました。
娘にもそんな思い出ができるといいなと思い、ばあちゃんから聞いた「ヒメオドリコソウ」の由来を話しながら、春の野道を楽しんだのでした。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。