• 幸せは歩いてこない、みずからつくり出していくものです。自分だけではなく周りのみんなも笑顔で過ごせるための習慣とは? 随筆家の山本ふみこさんは、「機嫌良く生きること」と「人に親切にすること」を大切にしていると話します。
    (『天然生活』 2023年10月号掲載)

    先まわりの心配はせず、毎日を機嫌よく過ごす

    山本ふみこさんが、人生で大切にしていることは以下のふたつ。ひとつ、機嫌よく生きる。ふたつ、人に親切にする。これさえクリアできていればなんとかなる。

    厄介な局面でも、このふたつを頭で唱え、ひょいひょいと(そう見えているだけで、心の中では泣いたり大汗をかいたりしているかもしれないのですが......)軽やかに凸凹を飛び越えてきました。

    そんな山本さんは幸せを「つくる」名人ではないでしょうか。

    画像: 2年前より暮らす熊谷の家。農家である古い家の庭は広く、自分たちが食べる野菜を育てている

    2年前より暮らす熊谷の家。農家である古い家の庭は広く、自分たちが食べる野菜を育てている

    幸せ「である」ことと、幸せを「つくる」ことは違います。後者は幸せとはいえないような状況でも、明るいほうへと自分の体を引っ張っていく力が必要で、それは案外と難しい。

    「私、あさってより先は見ないし、過去のこともあまり考えないんです。正確には脳も気持ちも魂も容量が少ないだけっていうのもあるんですけど......。周りを見ると、先のことを心配している人が多いですね。認知症になったらどうしよう、老後の貯金がないけどどうしようとか。その気持ちもわかります。でも『予告編』どおりにならないことの方が多い。また、別のことが起こったりね。ともかく、困ったことが起きたらそのときに困ればいいし、できるだけ毎日を面白がって生きようと決めているのです」

    自分の幸せ
    本棚に「スローガン」を貼る

    「仕事が忙しくなり、頭がこんがらがり始めたときに、そうだ、スローガンを書こうと思ったんです。『笑ってしまおう』とか、『冷静にそして温かく』とか。こうありたいと思ったときに、忘れないように書き出して、目につくように貼っています」

    画像: 仕事場の本棚が定位置。小さくてもなかなかの存在感で気を引き締めてくれる

    仕事場の本棚が定位置。小さくてもなかなかの存在感で気を引き締めてくれる

    仕事部屋の本棚に掲げ、5日に一度くらいの頻度で替えています。

    画像: 小さな日めくりカレンダーの裏に、サインペンでしたためている

    小さな日めくりカレンダーの裏に、サインペンでしたためている

    自分の幸せ
    朝の30分は土に触れるようにする

    画像: 自分の幸せ 朝の30分は土に触れるようにする

    広い庭の手入れは毎日欠かすことなく行います。

    「キリがないのでタイマーをかけて30分間と決めているのだけど、やるとつい30分をオーバーしちゃう。朝から土に触れるのは気持ちがいいんですね。草むしりは範囲を決めるのではなく、『かごいっぱい』などと大ざっぱにやっていて、そんなところにも自分の性格が出て面白いです」

    みんなの幸せ
    入浴時に名指しでお祈りをする

    最も大切にしている習慣。入浴時に大切な人の名を呼び祈る。

    画像: これだけは酔っていても眠くても、欠かさないと決めている

    これだけは酔っていても眠くても、欠かさないと決めている

    家族、友人、仕事仲間、困難のなかにいる彼や彼女の名前を声に出して呼び「〇〇ちゃんにいいことがたくさんあります!」と断言。

    「『ありますように』だと弱い。言い切ると強いでしょう。名前を呼ぶだけでも、その人のことを思っていると伝わる気がします」



    <撮影/有賀 傑 構成・文/鈴木麻子>

    山本ふみこ(やまもと・ふみこ)
    随筆家。暮らしまわり、生活と社会を見つめる多くのエッセイを執筆。50年以上暮らした東京を離れ、2021年から埼玉・熊谷の築150年の古民家で暮らす。長年、ブログ「ふみ虫、泣き虫、本の虫」を更新。最新刊は『あさってより先は、見ない』(清流出版)。配信系のラジオ「うんたったラジオ」も好評。https://www.fumimushi.com/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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